色々案内してもらった件
ニアとピヤもまたねと窓から戻って行き、残った僕はスイに名付けをしたと説明したら、
「会話が出来るとそんな事も有るのですね」
と感心された。
メイドが持って来たプチフルールとか言うケーキを食べながらの説明だ。
しかし不思議だなぁ、元々甘い物は勧められたら食べるけど、好んで食べる方では無かったのに、幼児体形に引きずられてるのか、食後のデザートもしっかり食べたし、今も小さなケーキを三つも食べてしまった。
そしてお腹が膨れるととてつもなく眠気が……。
「まだ色々な事に慣れていないでしょうし、気を張っているのでしょうから、身体が睡眠を欲しているのなら眠られた方が良いかと思いますよ」
スイの勧めで僕はベッドに横になった。
こんな時間に眠れるのも体型効果か?
おやすみなさい。
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一時間程しか眠ってないけど、スッキリと目覚めた。
夕食迄の間に城の中を案内してもらう。
城は中央が仕事場…と言うのか、謁見の間や会議室、執務室、大中小のホールやダイニングルーム、資料室などなどの五階建て。
東の建物は王族のプライベートが主な建物で場所は秘密だけど、宝物庫とかも有るらしい。
こちらは三階建てで、一階は王族以外でも入れるけど、二階以上は完全に立ち入り禁止だそうだ。
西の建物は迎賓の為の建物。
僕が居るのがここだ。
こちらも三階建てで、こちらは他国の王族や英雄家系など、一定以上の地位の人が泊まれるそうだ。
王族以外の使者などは迎賓館に泊まる事となる。
豪華で広い部屋の他には遊技室や図書室も有る。
建物はロの字…いや台形になっていて、本館の向かいの建物はメイドや侍従達の控え室や作業場、倉庫などになっている二階建ての建物で、建物に囲まれた中庭は噴水を中心にした庭園……なのだけど、何故か一部に松が植えて小さなひょうたん池のある日本庭園ゾーンが…。
日本庭園ゾーンが西感からよく見渡せるのは英雄家系が泊まった時の為なのだろうな。
奥、北側の建物から繋がる建物は近衛騎士の宿舎で、詰所は城の八方に有り、4交代制、24時間体制で騎士が警備をして居るそうだ。
でも平和な時代なので、もっぱらの仕事は迷い込んで来た動物の捕獲だったり、酔っ払った重臣の世話だったり、王子達が城を抜け出すのを阻止したり、だそうだ。
但し建物の地下には今は誰も入っていないが地下牢も有るそうだ。
そして本館の地下にはキッチンが。
だいたいそんな感じだ。
城をぐるっと囲む城壁の外は迎賓館をはじめ、重臣や国軍の上級兵士達の居住区で、そこを囲っている壁の外が城下町だ。
下っ端兵士は城下町に宿舎が有り、そこで寝起きしているらしい。
城壁の入り口と重臣の居住区、そして城下町にも国軍の詰所が有り、騎士団と同じく24時間体制で警備をしているそうだ。
騎士団と国軍の違いは王族を護るのが騎士団で民を護り、国のために尽くすのが国軍との事。
騎士団がSPとすると国軍が警察か?
今現在国軍の将軍と腕の立つ多数の軍人は、前国王と宰相について国を離れているそうだ。
王様でも現国王でなければ近衛騎士団ではなく、国軍が付くとの事。
騎士団員と軍人の簡単な見分け方は制服で、騎士団は白の詰襟風、国軍は黒色で、基本的に皮鎧を身に付けている。
城の中と違って城下町では色んな諍いが有るので、鎧は必需品だそうだ。
この皮鎧、国外に出る時は勿論金属の鎧でガッチリ固めるそうだ。
重いだろうけど、鎧を身に付けて動ける程鍛えられているんだろうな。
因みに近衛騎士は見た目も重要なのか、イケメン揃いだ。
まぁ王族の近くに居るのだから見た目も重要ってのも納得だけどね。
その後は王様は仕事の為、お妃様と王子、姫、僕の四人で夕食となった。
因みに朝食などもだけど、東の建物一階にあるダイニングでの食事だ。
中央館のダイニングは大人数の時か、プライベートでは付き合いたく無いけど、仕事で会食しなければならない時などに使われるそうだ。
付き合いの食事……僕もよくそう言う食事会に出たけど、あれは食べた気がしないんだよね。
一階とは言え東館に入れるのは気に入られているからなのかな、