これからの事
翌日、謁見の間には僕と王様、そしてそれぞれの家の方が集まった。
宰相のレニさん、仕事中だから男性バージョンだ。
軍務大臣のオダ家のラトさん、城に戻った後、ネイから何を聞いたのか、「息子をよろしくお願いします」と挨拶をされてしまった……何が⁈
財務大臣のトキ家のケチさん、こちらはこちらで、「曽祖父がご迷惑をおかけしました」と言ってきた。
……うん、肯定はしないけど、否定もしないよ。
外務大臣のルツさん、こちらも何を聞いたのか、キシ家から戻った後、目が会うたびにニヤリとされてしまってる。
農林大臣のベエさん、不動の癒しお爺ちゃんだ。
文部大臣のミルさん、実は挨拶しかした事無い。
ニト以上に知識欲旺盛らしいけど、僕には興味ないみたい。
良かった……んだよね?
トモ家の人はオワリの町の代表はオダ家と言う事で来ていない。
そしてフジ家は何故かあのスイ信者?の次男の……名前なんだっけ………。
今も入り口付近に控えるスイをガン見していて、王様に後頭部を向けているけど、不敬じゃないの?
流石に今日は熊澤さんは留守番で置いてきたけど、僕の側にはニヤとピヤが居る。
側って言うか肩の上ね。
そして王様が話し始める。
「こちらの世界に来て約3ヶ月ほど経つけど、慣れましたかな?」
「はい、皆様に良くして頂いておりますので、何も問題はありません」
「それぞれの家で書を見てきたと思う。
見てわかるように、こちらの都合で呼び出したにもかかわらず、皆この国の為に尽くしてくれた。
でも貴方は他の方々と違い、為すべき使命もなく、ただ此方の不手際で招いてしまった。
これから長い時をこの地で過ごして頂く事になってしまった。
再度謝らせていただきたい。
本当に申し訳なかった」
うわー、わざわざ玉座から立ち上がってまで頭を下げないでくださいよー、王様〜。
「いえ、本当にその事はもう良いですので、頭を下げないで下さい」
僕が慌てて言うのに、王様は暫くそのまま頭を下げ続ける。
レニさんが、ウチ様が困ってますよと言ってくれたから、何とか玉座に戻ってくれたけど、もう本当に気にしないで欲しい。
「それで、この世界で生きていくにあたって、独り立ちするまでの後見だが、どうするか決まったそうだが、聞かせてもらえるか」
皆が僕の方を見る……いや、一人を除いて皆が、だ。
「皆さんの実家…本家と言うのですか?にお邪魔させていただき、滞在期間中ご迷惑をおかけしました。
それぞれのお宅で、楽しく過ごさせていただきました。
それで、これからもご迷惑をかける事となりますけれど、僕…私はトキ家でお世話になりたく思います」
「ほう、ケチの所か。
理由を伺って良いかな?」
王様に聞かれて僕は、思ったままの事を言う。
「実はかなり悩んだんです。
一つはオワリの町がとても魅力的だったんです。
私の暮らしていた世界の古い風景の町ですから、懐かしさと、町の活気が日本的…郷愁を引かれるものがありました。
しかし今はまだ王都から離れるのは時期尚早ではないかと。
妖精との通訳も申しつかっていますからね」
イタズラっぽく僕が言うと、
「それは気にしなくて良いのだぞ」
と、思った通りの答えが返ってきた。
「いえ、そう言うお約束と言うより、折角の私の力ですから、使わないでおくのは勿体ないですよね。
妖精達も意思を伝えられるのを嬉しく思っているみたいですし」
肩に目をやると、いつもの様に、
『そうそう』
と、頷いているニヤとピヤ。
ぶった切りな続きですみません。
ここで切らないと、長くなりすぎるので、パツーン!と切ってしまいました。
明後日までお待ちを……。
そして、今新たな試み準備中。
まあ予想は着きそうですけど、本格的に決まったら明記します。
ふふふふふ、本人が一番楽しい。




