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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
105/150

記録を全て見終わって

タシ王が亡くなった何代か後の王が、タシ・トエ・フキ。

残り二回の召喚をして、初代様に怒られた人だね。

この人はかなりの優柔不断なヘタレだったみたいだ。

勿論他の王も、悩みや苦悩を記録している人はいたけど、フキ王の悩みが一番多い。

いや、悩みというよりグチ?

確かにそれ迄に無いほどの自然災害による飢饉や、何とか復興したと思ったら、近隣の国からの侵略、グチもこぼしたくなるのはわかる。

でも何とか踏ん張ってくれたから、その後の世代は、それまで以上に平穏に暮らしてこれたようだ。

それから今のジン王の前のリア王と、その前のテム王は今まで以上に近隣の国との交流を推し進め、大陸南部の平和の為に力を入れた…と言うところで記録は終わった。


*****


僕がふーっとため息をつくと、声をかけられた。

「見終わりましたか?

どうでした?別に隠すような物ではなく、逆に見せる方が良いと思いませんか?」

「そうですね、これは国の事を良く知るのに良いですよね」

見ものとしても面白かったし。

「人が後を継ぐから、祝福持ちのカイ王子では無く、ナチ君が次の王なんですか?」

「そうなんです。

祝福持ちかだと純粋に人とは呼べないのでは無いのか、と言う事で、祝福の無い、ハーフとして生まれていていない、人のみが後継する事となっています」

「いざこざはおきないんですか?」

「その時のための記録です」

うーん、王家とかに生まれなくて良かった、とか思うのは僕だけじゃ無いよな。

色々複雑過ぎて……ん?

「んん?あれ?

じゃあジン王に祝福が無いのは当たり前で、カイ王子が僕を召喚したのって……」

「ええ、全くの無駄……勇み足ですね」

言い直したけど、今無駄って言ったよね?

「子供達には成人する時に見せるようにしてますので、カイ王子が知らなかったのは仕方ないですけど……本当にウチ様には申し訳なく…」

「まあ、あのまま死ぬよりは良かったと思っておきますよ」

あのまま死ぬのも嫌だし、万が一生き延びても、妻に捨てられて、捨てられた事にヤケになって、アル中で死にかけたなんて……ああ、そんな噂の(真実だけど)中で生きていくのって、僕にはムリですわー。

うん、結果オーライです。……多分ね。


*****


色々この世界の事を知ったけど、この世界でどうやって生きていくのかが大事だよね。

近いうちに決断しないといけないよな。

周りの人もせっつかずに見守ってくれてるようだけど、自分の人生なんだから、決断は自分でしないとダメなんだから……。

などとうだうだしてるのも昨日まで。

決めた事を王様に伝えるため、昼からアポを取った。

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