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天使の詩

作者: 宵待林太郎

無知です。

 「今日も疲れた。最近仕事がぜんっぜんうまくいってない。こっちが下手に出てるからっていい気になって。ミスくらい誰だってするじゃん。それに最近楽しいことが全くない。杏子は早く次の彼氏作りなよって言うけど、あれからいい人は見つからないし。でも合コンはなんか気が進まない。もうそろそろ半年経つけど、あいつとあんな別れ方しちゃったからそのへんはなんかもう色々面倒だと思っちゃう。あと今週末の飲み会、もう行かなくていいよね?休んじゃだめかな?空気とか読まなくていいかな?どうせ、、、」

 …待てよ、これじゃ昨日の日記とあんまり変わらない。というか最近はこんな愚痴ばっかり書いてるような……。はあ、やめよう。もっと前向きに、だ。せめて今日くらいは何とか明るい話題を…

「今日は仕事帰りに杏子とスタバでデート♡お互いいろいろぶっちゃけちゃったぁ。楽しかったー!、、、」 

 待て待てなんだこの女子力のカケラもない頭のわるそ~な文字の列は。適当なメモでももうちょっとマシな書き方するでしょ。まあ女子力云々は元々皆無だけど…。よし、やめよう。私は疲れている。もう寝よう。また明日も仕事あるんだし、そっちの方が有意義だ。私の趣味ですか?寝ることです、んじゃおやすみなさ~い!………あっ、そういや歯磨きしてないや。 


 なぜ。なぜなんだ私。どうしてなんだ昨日の私。どうして目覚まし時計のスイッチを入れないまま寝てしまったんだ昨日のバカな私。おかげで食パン焼く暇さえないじゃないか昨日の愚かな私。あと1分で支度しなってどこぞの海賊より酷くないか昨日の愚鈍な私。無理です。遅刻ですね私。さよなら私。いってらっしゃい私。いってきます私。 







 電車っていつももどかしい。こっちは早く行きたい場所を抱えて内心そわそわしてるのに、窓の外の景色は私なんか気にもせず無機質なペースで流れていく。釣り革を握るおじさんも窓際に立ってるおばさんも、みんなスマホ。私は持ってないから、置き場に困る目線を仕方なく窓の外へ追い出す。さあ、私にはどうしようもない1時間。電車よ頑張れ、私のために。昔は好きな彼氏のところへ。今は嫌いな上司のところへ。すみません先輩、少し遅れます。 


 突然左の方から笑い声が聞こえた。複数人の子どもの声。一瞬遅れて別の声が、

「お前らには、関係ないだろ。」

と言う。弱々しい。そちらに顔を向けると、男の子が4人、3人が手すりにつかまっている1人を囲んだ形で立っていた。

「だってお前、あいつだぞ?あんなののどこがいいんだよ?」 

お、その年で恋バナか。

「お前らにはわかんねえよ。」 

私には分かるぞー少年。杏子に同じ台詞を言われたことがあるからな。まあキミの相手がどんな子かは知らないんだけど。

「じゃああいつにコクんのかよ。」

「それは……まだ決めてないけど。」

「えー止めとけよーどうせ振られるって。」 

ん、正面の男子、やけに真剣だな。

「なんでそんなこと言うんだよ。」

「あいつ恋とか興味なさそうじゃん。」 

「いや、あいつ前に2組の…」 

おっと、降りなきゃ。ああ、会社なんてなければなあ。頑張れ少年。その恋は、きっと叶うよ。 







 「ああ、君か。もういいよ。早く席につきなさい。」

と私の愛しの上司様が宣う。それだけか。てっきりもっと怒られるかと思った。そんなに何度も遅刻してないはずなんだけどなあ。 

「全くこの忙しい時期に、いったいどういう…」 

後ろからなにやらぶつぶつと雑言が聞こえる。悪かったですって。もういいんじゃなかったんですか。せっかくなんとか気分をこれからの作業に振り向け席に着いたのに、またため息が漏れてしまった。私の対面の壁に営業成績のポスターが貼ってあったのだ。これじゃあ見たくなくても目に入る。街行くカップルじゃあるまいに。どちらにせよますます憂鬱な始業だった。


「おっはよー」

と肩を軽く叩かれ振り向くと杏子だ。 

「今日も今日とて暗い顔ねえ。」

「なに?その毎日暗い顔してるみたいな言い方。」

「えーだってここんとこ眉間にシワ寄りっぱなしよ?」 

「そういう杏子はなんだか最近調子よさそうね~。あの後輩クン、とうとう捕まえたの?」 

「捕まえただなんて。そもそも、あの子が先に誘ってきたの。」

「で、相変わらずの手管でぱくり、と。」 

「あらまーなんて品のないことで。」

相変わらず杏子とはこんなおどけた調子だが、これでも彼女なりに最近落ち込みがちな私に気を遣ってくれているのだ。

「最近仕事も調子いいし、あなたも私を見習って頑張りなさいな~。」

ただし、励まし方はとても下手くそだ。それにしても杏子、意中の子を(自主規制)たらしいことを聞いても全く否定しなかったな。 







 杏子が階下の彼に呼ばれていって手持ち無沙汰な私は、自席に戻りパソコンを開いた。昼休みはまだあと十数分。ツイ○ターでもするかな。杏子に勧められて最近始めたので画面に映る投稿の数は少ない。だいたい彼女の三万分の1くらい、は冗談にしてもかなりの差がある。杏子は他のSNSにも精通しており、私の知らないところで知らない人と沢山のやりとりをしているようだ。 

 ちょうど今のような空き時間にその気がなくてもついつい開いてしまうのがSNSの恐ろしいところで、私も運営側の思惑にまんまとはまってしまっている。画面に映し出されるのは概ね、「今日は友達3人とランチ~(以下可愛い顔文字)!一回行ってみたかったから行けて良かった~(以下可愛い顔文字)!また集まろ~(以下可愛い顔文字)!」という文章に、3人が綺麗に収まった集合写真が添付されている投稿ばかりだ。今日の午前中に一緒だったA子さん(仮称)はこんなのをほぼ毎日続けている。どの投稿を見ても、みんなとっても幸せそうだな。ぼーっと画面を眺めていると、私の置き時計が休み時間の終わりを告げた。 







 「皆、今日も1日お疲れ様。最近の皆の頑張りのおかげで、うちのチームは好調をキープできている。ありがとう。特に杏子、今月も調子いいみたいだな。」

「いえいえ、課長を始め皆さんのサポートがいいからですよ。」

「まあそう言われると悪い気はしないな。ともかく、このまま行けば2年ぶりの表彰も射程圏内だ。このまま走り抜けよう!」

「「「はい!」」」  

とまあこのように、うちの部署は近年まれに見る好成績に沸き立っている。 

「ああそれと君は少し残ってくれ。」 

……私を除いては。 

 

 「今朝のこと、許したわけじゃないことは、分かってるな。」

「はい。」

やっぱりか。

「もう言わなくても分かってると思うが、ああいうことがあると雰囲気を乱すから、本当に止めて欲しいんだよね。」 

「はい。」 

正論だ。 

「まあ今はうちの結果が出てるからいいけど、もし余裕がなかったら君、仕事なくなっちゃうかもしれないところだよ?」 

「申し訳ありません。」 

クビはさすがに言い過ぎではとも思うが、今は立場が悪い。 

「周りの人の顔を見てみなよ、誰も彼も、君以外はみんな生き生きしてる。杏子なんか、今やうちの部署の花形だぞ?」 

「よく知ってます。」

なんだか雲行きがあやしくなってきた。

「それに比べて君はどうだ。毎日朝からくらーい顔ぶら下げてきて、大した仕事もせず、ろくに結果も出さずに帰っていく。正直、うちの部署で今一番足引っ張ってるの、君だよ?分かってる?」 

「申し訳ありません。」 

この人はこういう人だ。

「今日はこのくらいにしておくけど、明日からは気をつけてね。結果が出ないことはしょうがないとしても、態度はちゃんと見せてくれなきゃ、それは分かるよね?」 

「…はい。」 

まだ、我慢しなきゃだめだ。

「ほら、そうやってすぐ涙目になる。泣いたってなにも変わらないよ?大事なのはどう思うかじゃなくて、何をするかだからね。まあ明日から頑張れ。」 

そう言って肩に置かれた手を、私は振り払うことができなかった。ただただ辛かった。あの人の言っていることは正しいし言い返す言葉もない。でも、この人も励ますのが下手くそなのは、私の親友と一緒だった。







 独りだとなんだか帰れそうになかったので、杏子を夕食に誘った。彼女も今日はたまたま予定があいているようで、軽くOKしてくれた。 

 通勤する人々の間を抜け、会社の近くにある少し騒がしいカフェに入った。 

「だいぶこっぴどく怒られてたね~。」

こっぴどく、はちょっとおおげさだが、これも彼女なりの優しさだろう。 

「まあ、私が悪いんだし、しょうがないよ。あの人も明日から頑張れって言ってたし、その通り、明日から頑張ればいいんだから、そう、頑張れば。」

「…これは重傷だね…。」 

「ん?なんか言った?」 

「いーや。それより彼のこと、もう気持ちの整理はできた?」 

「さすがに半年だよ?もうなんとも思ってないよ。」

「そう。なら早く次の人見つけなさいよ~。そのためにSNS教えたげたんだから。私あなたの愚痴きくのは、もう飽き飽きしちゃった。」 

これも、彼女なりの優しさだ。 

「いい加減もう私ばっかりに頼るのはやめなよ?私もいつまでもあなたのそばに居られるわけじゃないんだから、、、」 

これも、彼女なりの……

「私も一人で頑張って、彼氏も手に入れたし、仕事も上手くいってる。あなただって頑張ればできることは分かってるでしょ?だから、あなたならきっと大丈夫よ。」

「…ありがと。」 

これも……

「だいたいあなたの、その顔が駄目なのよ、その、辛気臭い顔。いつまでもそんな顔してたら、幸せだって逃げて行っちゃうわよ。辛いときがあるのは当たり前なんだから、自分で幸せを引き寄せる努力をしなきゃ。」

………

「ごめん杏子、ちょっと具合が悪くなってきちゃったから、私、先帰るね。急にごめんね、こっちから誘ってくれたのに、ほんとにごめん。お金、ここに置いておくから。それじゃ。」

「あっ、ちょっと!……もう、なんなのあの子……。」 

あの時の私は、もう我慢ができなくなってしまっていた。







 なにもかもが嫌だった。正確には、前々から抱いていたこの感情が、とうとう我慢できなくなってしまっていた。訝しげに私を見る視線が全て、無能な私を嘲笑しているように映る。とにかく早く、なにもかもから逃れたい。私は人から逃げた。 

 

 気づけば私はとあるバーの前に立っていた。前の彼のいきつけの場所で、私も一度だけ連れていってもらったのだが、あまりいい思い出はないところだ。しかしどうしてここに来たのか、どうしてここなのか、なぜここを覚えていたのか、私はそんなことを全く考えていなかった。泣くのを我慢するのに必死だったからだ。知っている人の目からとにかく離れたかったことは覚えているが、元彼のいきつけに足が向いたことからしてそれも曖昧な感情だったのだろう。私は驚くほど素直にドアの取っ手を握り、引いた。 

 

 私は促された席についても、しばらく声を発することができなかった。いつもなら居心地の悪さを感じる程気になる周りの目を、気にする余裕もなかった。2回目の来店だからマナーなどほぼ全く分からない。そもそもお酒にも弱い。私がここに居るべき理由なんてない。私は惨めだった。 

 それでも、バーのマスターは、私を放っておいてくれた。彼にどういう意図があったのかは知らないが、何も聞かず、何も言わず、ただ無言で、グラスを拭いていた。彼は私がここに居るのを許してくれる、そう思うだけで、自然と目から雫がこぼれる。私は顔を伏せた。 

 ひとしきり泣いて落ち着いた後、私は少し相好を整えて、マスターに声をかけた。甘いカクテル。アルコールが弱めのもの。素人丸出しの注文にも、丁寧に応えてくれた。待っている少しの間に何気なく周りを見渡すと、客は店の隅に一人だけ(顔は影ってよく見えないが)しかいないことが分かった。金曜日なのにおかしいな。あまり賑わっていないんだろうか。などと失礼なことを考えているとマスターからカクテルが差し出された。 

 口をつけた瞬間、しまったと思った。思ったより強い。脳内が翻筋斗を打ってぐらつくが、マスターの手前、吐き出すわけにもいかない。混乱した私は、思わずグラスを煽ってしまった。とたんに意識が遠のき、目の前がホワイトアウトする。ああ、私、やっぱりここに居るべきじゃなかった。マスターにも散々な思いをさせちゃったなあ。私が最後にみたものはマスターのなんとも言えない表情だった。








 はっと目を覚ました。すると私は、一人で会社の社員食堂に居た。正面の窓は明るく、目の前にはAランチがある。昼食を食べている間に眠ってしまったのか、馬鹿だなあとおもいつつ、箸を持ち上げて食事を再開した。あたりは騒がしく、様々な声が聞こえてくる。

「最近全然上手くいかなくってさー」 

うんうん。 

「前向きに、って思ってるんだけどねー」 

なかなかね。

「あいつ告ったんだって、振られたらしいけど。ざまあみろってな。」 

えっ、そんな。 

「遅刻して結果出さない奴なんて、最低だよな。会社から居なくなればいいのに、お前もそう思わないか?」

言わないで。 

「あの子と違って、私は出来る人だから大丈夫よ。同情なら、あの子にしてあげなさい。」 

ああ。 

「今日はとっても幸せだったー(可愛い顔文字) ! 明日も明後日も明明後日も、ずっとずっとずぅーーーーーっと幸せーー ! ! ! ! ! ! !(可愛い顔文字)(可愛い顔文字)(可愛い顔文字)(可愛い顔文字) (可愛い顔文字)! ! ! ! ! ! ! !」 

あああ。

「あなたはもう私に頼っちゃ駄目なのよ、あなたは独りで生きていくの。私は一人でも大丈夫だから、あなたにだってできるわよ。じゃあね。」

ああああああああああああああああ。 

「ねえ、あなた、 

 




「「「「「そんなんで生きてて楽しいの?」」」」」 

 



ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。 

 


 



「どうしたのですか。」 

 

えっ。 

 

「どうしたのですか。」 

 

いや、なんでもないよ、大丈夫。 

 

「どうしたのですか。」 

 

だから、大丈夫だって言ってるでしょう!放っておいてよ!


「どうしたのですか。」 

 

…これ、答えないと先に進まないの?……しょうがないなあ。 

 

「そう、教えて。貴方に何があったのか。」 

 

辛かったの。 


「うん。」 

 

誰も私のことをちゃんと見てくれなくて。 


「うん。」 


何もかも上手くいかなかった。 

 

「うん。」 


誰からも大切にされなかった。 

 

「うん。」 

 

もうなにもかも全部嫌だったの。 

 

「うん。」 



だからさ、もう諦めちゃって、いいかなって。 

 

 


「…そうだね。じゃあ本当のことを教えてくれた貴方に、本当のことを伝えるよ。本当はルール違反なんだけどね。」 

 

「貴方が最近上手くいってないのは、貴方のせいじゃないんだ。 そういう流れの中にあるだけ。それは貴方が生きていく上で、必要なことなんだ。だから、どんなに不満を言ってもいい。どんなにふてくされてもいい。 でも、諦めないでほしいんだ。それさえできれば、いい流れはやってくる。」

 

「いい流れをずっと続けたい時は、悪い流れの時に誰かにとって悪いことを自分からしなければいい。そうすれば、悪い流れは短く、良い流れは長くなるよ。貴方は逃げこそしたけど、それについてはうまくやれてるよ。」 

 

「電車の少年は、残念ながら意中の人と付き合うことができなかった。けど、それをバネにして勉強して、自分の夢を叶えるよ。」


「貴方の愛しの上司様は、貴方のことを未だに想っているよ。それを言葉に出さないように取り繕っているだけなんだ。貴方だってそうだったでしょう?本当のところ、彼は貴方に言いすぎてしまったかもしれないと、後悔している。今度会った時に、優しくしてあげるといいよ。」 

 

「SNSのA子さん(仮称)は、本当は家でDVを受けているんだ。そこから逃げ出すために、友達に連れ出してもらっていた。本当は見つかってしまうから良くないんだけど、SNSの投稿は、今できる精一杯の幸せを求めた結果なんだ。ちなみに彼女の夫とはいずれ法廷で争うことになるね。」 


「杏子の言葉は、貴方が感じるほどキツい響きを込めたものじゃなかったんだ。せいぜい、『そんなこと気にしないで、強く生きようよ』くらいのことしか考えてない。貴方を否定しようとしたものじゃないんだ。それを知ったところで、貴方の辛い気持ちは変わらないけど、これからはもっと話半分で適当に軽く受け取ればいいんだ。 『ありがとねー』くらいで。あっそうそう、杏子は1ヶ月後に彼と別れた後、運命の人と出会うよ。」 

 

「最後に、貴方は目が覚めた時、僕がした話を全て忘れる。ごめんね。そういうルールなんだ。でも貴方はもう諦めないよ。大丈夫。そういうふうに、できているんだ。さあ、自分の心に従って、前へ、進め───」 




その瞬間、世界が揺れ始めた。 





 頭がぐらぐらと揺れている。気持ち悪い。 

「おい、大丈夫か、おい!」 

「う……ん……この声は……」 

誰かが私の肩をつかんで揺すっている。

「……良かった、気がついたか。マスター!彼女、気がつきました!」  

「そうですか…。助かりました。目が覚めなかったらどうしたものかと。」 

「こいつは私が送っていきます。家分かりますから。 タクシーがもうそろそろ着くはずです。」 

「わかりました。お任せします。はああ、これで厄介な……」 

「さあ、いくぞ。」 

「え……ちょっと……」 

いけない。このままじゃ、彼に連れて行かれてしまう。けど体に力が………………………………まあ、でも、彼になら、いい、かな…………。 

 

 そうして私はタクシーに乗せられた。私の家の住所が告げられて、結局何事もなく無事に送り届けられてしまった。彼には次の月曜日の朝、お礼の品を持っていった。後日両親からバーのことでこっぴどく叱られた。彼も付き添ってくれた。杏子にカフェのことを謝ったら、

「顔つきが変わったね。」 

と言われた。あの日は数ある私史上最悪の日の一つとして今でも覚えているけど、あの日から、全てが変わったような気がする。なんでだろう。嫌なことしかなかったのに。あれから色んなことを諦めて、気にしすぎなくなったからかな?でも虚しさは全くない。むしろすがすがしい。 

「おーい」 

おっと、旦那が呼んでる。もう行かなくちゃ。ああ、色々あったけど、楽しかったなあ。またいずれ会うことがあれば、別の話をするね。それじゃあ、またね。 

        翼の折れた天使より



P.S.???「貴方が辛いときはどうか、あなたの中にいる僕を、見つけてください。」



全てに意味を込めました。

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