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雪女  作者: 海猫
3/4

雪女・下の上

バレンタインは女の子の告白の日


だから間に合わせて投稿したかったなーーー(泣)

手を引かれしばらく走ると町はずれぼろぼろの茅葺き屋根の家にたどり着いた。

庭は荒れ果て雑草が多い茂っている


ここで本当にあっているのか?

不安になるけれど縁側にあれほど恋い焦がれたあの人が座っている

あのときの凍傷が鮮やかに顔に残されている

その事がひどく胸に酷く突き刺さる。


話しかけ近づこうと歩みを進めると砂利が音を立てこちらに気がついたらしい青年が近づいてくる。

雪花も高鳴る鼓動を抑え止まらづ歩いた。


「・・・・誰だ」


最初に出会ったときより少しやつれ歳をとったけれどあんなにも恋い焦がれた人が

すぐ目に前にいる事実に胸が高鳴る。


落ち着かせるため大きく息を吸いこみ声を絞り出す


「わ・・・・私はっ

私は簪の約束を果たしにきました」




その言葉を聞くと驚いたように男は枯れた眼を見開き雪花を見つめる

少し無愛想に告げると屋敷の中へ案内する。


「こい、あれは大事に保管してある…少しまってろ」

「ありがとうございます」


居間に通され、雪花がすこしだけ待たされると、あの日

手渡した簪が手の中に置かれた


綺麗な音色が手で響くと懐かしさで目を細め何年かぶりに

髪につけると意を決したように口をひらく。






「は・・・初めて会った あの時から私は!あなたが好きです!!」

大声で半ばやけくその大声で告げると男は笑った。




「あの日、妹すら救えなかった俺に…か」



男は己を自嘲し笑う

山には妹のため薬草を取りに行った事を男は話した



「私のせいで・・・・・」

話を聞き己のせいでと雪花は胸が痛む

あの日、自分がいなければ間に合っただろうにと。


 そんな雪花の表情に勘違いしてると男は訂正の言葉を告げた

「ちがうぞ、薬草は間に合った」


えっと驚く雪花に男は語る。


「妹の発作は発作は治まったが。。。。。手遅れだった」


病は幼い体を蝕みもう、薬も効かないほど進行していた。

痛いよと言いながら妹は息絶えて行った

そして己の無力さに嘆いたと。


そして最後に幸せになってと言い残しこの世を去った。


「俺なんかが幸せになんて・・・・・」







「私が貴方を幸せにします!いや、させます!だから…」


涙とふるえそうな声を抑え込み声をだす。


「もう・・・・・泣いていいんだよ、お兄さん」


その言葉に男は目を見開いた

何を言っているのかと理解ができなかった。



「お兄さんの瞳も心もひび割れ枯れてしまってる。

妹さんがいなくなったのが元で」


その泣いても良いの言葉を男は必死に否定する

妹の死から5年たったとお前に何が解るのかと

意味がわからないと勢いよく怒鳴りまくしたてる。




けれど首を振り静かな声で雪花は語る。





「たぶんだけど、

妹さんの事で心に傷ができて

最初は小さかった傷でも悪化して・・・・

なのにお兄さんが認めないから癒えることもない

認める事もできないから<過去>から<今>へ進めない」



呆然と図星らしく表情が抜け落ち立ち尽くしたまま男は動かなくなる。




「もう妹さんはいないんです・・・・だからっ」


「お前は、たった一人の妹を忘れろと言うのか?!」


「そんな事一言もいってません!」


「いいかげんにしろ!俺ら兄妹のことはお前には関係ないだろ!!」


「それはっ・・・」

怒鳴られ雪花は髪で表情が見えなくなる。




「もう、俺をほっておいてくれ」



その言葉と聞くと勢いよく顔をあげ、俯き黒髪が隠していた表情が露わになった。





「だったら・・・・っ

どうしたら私をみてくれますか?!お兄さんは

<今>貴方を恋想う私を!!」


ボロボロと泣き睨みじゃくる

傷つき唇を強く噛みひどく悔しそうな顔ままで。




「私は貴方が好きです、恋い焦がれるほど大好きなのです

 それでも貴方は関係ないと言うのですか?」












最後に会った時のよに静かに涙を溢れさせる雪花に手を伸ばしかけ

我に返えり引っ込め、酷く苦い顔で俯く。


「俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」









次話はホワイトデーの予定です

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