表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リコルド  作者: 夢野 幸
一部 第0章
1/97

プロローグ

「――今日から当研究所でお世話になります、ノイと申します。よろしくお願いします!」

「おー、ノイ君か。よろしくな」

 ピシリとした白衣に身を包んだ青年が深く頭を下げ、コンピュータを操作していた者、資料へ目を通していた者たちはみな顔を上げた。それからふと周囲を見渡し、首をかしげる。

「あれ、プログラミングに入って来るのは二人だって聞いていたけど……来ているのはきみだけ?」

「あ、いえ。もう一人の奴は別の部屋に行っています」

「そうか。まぁ……うちの研究所には狂犬がいるから、気を付けておきなよ」

 狂犬、という単語に、ノイは首を傾げた。彼に話しかけた男性以外の職員は苦々しい表情を浮かべながら仕事に戻り、話しかけた男性はノイに近づく。

「そそそ、この研究所の奴なら部署が違ってもみーんな知ってるやつ。ま、普通にしてたら被害を受けることはないんだけど、絶対に言っちゃいけない言葉が……」


 ドッ、ズガアアアン、ガラガラガラガラ。


 何かが壁に衝突し、続いて物が崩れ落ちる音が部屋の中に響いてきた。廊下の向こう側がその音の発生源ようで、ノイは何事かと目を丸くして部屋を飛び出す。

「ど、どうしたんです! なにが……」

「……やっちまったかぁ……」

 ため息のコーラスと共に、各々頭を抱え、肩を竦め、緩々と首を振る、先輩たち。その反応にノイは直感的に、一体何者がその音を発生させたのか理解した。

「……狂犬……どんな人なんだ……?」

 新人の背には、冷や汗しか流れない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ