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第2章(2)
家に着くと、早速妹の部屋でその集まりを紹介してやった。
「――という訳だ。ここなら、お前みたいな奴ばっかだし、気兼ねなくいけるんじゃないか?」
「ふうん……で?」
「で? ってなんだよ」
「いや、あの、そこに行けば友達ができるのかなって聞いてるの」
「……ま、できんじゃないの。あとは、お前のコミュニケーション能力次第っつうか」
「そう。じゃ、まだわかんないわね。……ま、一応行ってみるわ」
「おう、そりゃよかった。んじゃ、明日の放課後、がんばれよ」
「え? お兄ちゃんも行くのよ」
美咲は俺の台詞に当然のごとくそう答えた。
「は? なんで俺が……。お前が行くところだろうが」
「あ、そう。不法侵入、器物破損、名誉毀損――」
「ご、ごめんなさい。お供いたします!」
その言葉を聞くなり「当然っ」と胸を張る美咲。なんだか俺、いい様に使われている気がする。
ま、俺がちょっと労力を使うだけでこの笑顔が見れるんなら、少しぐらいは手伝ってやるか。
こんなこと言ってる俺ってシスコンなのか……? いや、そんなことはないはずだ。断じて。