表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/46

第2章(1)

 そしてあくる日の昼休みの教室である。

 またもやその日も、弁当を前に食欲が湧かずにいた。

 昨日、美咲が学校に行く条件として出した「友達ができれば」というもの。その時はお兄ちゃんに任せろとろくな案もなしに大きく出たのだが――策が未だに思いつかない。

 第一、美咲はなぜ学校に行かずにひきこもっているのかも解っていない。しかし、その妹が友達ができたらと言っているということは、学校に友達と呼べる存在がおらず、来づらい、ということが原因ということなのであろう。

 はてさて、どうしたものか。


「おい、また考え事か? 今日も箸が全く進んでないな。また、妹のことか?」


「ああ。そうなんだ。実はな――」


 こうしていつも何げに俺の相談を聞いてくれる塩田。本当にいい奴だ。本当に、誰か彼女になってあげてください!

 俺は塩田に昨日起こった出来事を事細かに説明した。

 すると、塩田はしばらく考えるようにして沈黙したあと、何かを思いついたようににこやかに話し始めた。


「つまり、お前がしたいことってのはお前の妹に友達をつくらせてあげて、学校に行かせてやりたいってことだな?」


「ああ、まあそうだが」


「それならぴったりのところがある。実はな、俺の知り合いの妹も不登校になっててさ。そこのところの娘もそこに行ってるっていう集まりがあるんだ」


「へえ……。どんなものだ?」


「なんだか聞いた話によると、あまり普通に学校に行きにくい生徒でもそこなら同じような思いの生徒ばっかだし、気を楽にしていけるんだと」


「へえ、そんなところがあるのか……」


「場所は確か――職員室の隣の部屋、確か相談室って書いてある部屋だったかな。ま、一度行ってみるといいよ」


「おう、情報ありがとな。恩に着るぜ」


「成功を祈っている。グッドラック」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ