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Bad Guys  作者: ブッチ
Children play
42/146

Thousand Arms

 時刻は少し遡って、ジェードとハインベルツが対峙し、今まさに戦いを始めようとしていた頃。

 ミヒャエルと別れたヴィショップは、馬車で待機しているヤハドと合流すべく、屋敷の裏庭に向かって歩を進めていた。


「さて、この辺だったと思うが……っと」


 いつも子供の運搬用に使っている馬車を探して裏庭にやってきたヴィショップは、お目当ての馬車を見つけた瞬間、屋敷の陰に身を隠した。というのも、


「何で、こんな所に騎士共が?」


 裏庭の一角にぽつんと置かれている馬車の近くに、どういう訳か二人の騎士が武装した状態で立っていたからだ。

 無論、ドーマの趣味が一部の人間にしか知られていないという点から、今まで子供の運搬に使用する馬車の近くに騎士が居る、などということはなかった。それどころか、むしろ他の騎士達からも隠されるように配慮されており、ヴィショップ達が馬車から子供の入ったずた袋を出し入れしている姿でさえ見張りの騎士の目に移らないようになっていた程だ。

 にも関わらず、今日に限って騎士が二人、まるで馬車を見張る様に配置されている。この事実が指し示すことは一つだけだった。


(野郎……疑ってやがるな…)


 一人で一階へと迎撃に出ていったヴィショップが、馬車を使って逃亡することを見越して、騎士を配置した。それ以外に、騎士がここに居る理由は有り得なかった。


(ハッ、まったく、大した嗅覚だよ…。こりゃ、ここで殺しきれなきゃ、マズいことになるのは確実だな…)


 ヴィショップ自嘲気味に笑みを浮かべると顔を上げ、屋敷の三階の窓へと視線を向ける。


(つー訳だから、頼んだぞウォー・ジャンキー。騎士団長を殺せるかどうかで、色々とこの先の行動が変わってくるんだからなぁ…)


 闇夜に浮かぶ星々の光を簡単に食ってしまう程の光を漏らしている三階の窓を眺めながらヴィショップは心中でそう呟くと、右手に持っている魔弓のシリンダーを開いて装填してある魔弾を確認してから、その鈍器として人を殴り殺せそうな程の大きさを誇る魔弓を肩に預けながら、堂々と馬車に向かって歩き出した。


「…遅かったな」

「よう、元気にしてたか?」


 馬車に近づくと、存在に気付いたヤハドがぶっきらぼうに声を掛けてくる。ヴィショップがそれに小さな笑みを浮かべながら答えていると、馬車を見張る様に立っていた騎士二人がヴィショップと馬車を隔てる様に位置取り、手に持った槍の穂先を突き付けてきた。


「何やっている、貴様! 貴様は一階で侵入者共を迎撃する手筈だったろうだろうが」


 ヴィショップに槍を突き付けながら、騎士の一人が声を大にして問いかける。

 ヴィショップは槍を突き付けられているにも関わらず眉一つ動かさずに騎士を眺め続けると、やがて嘲るような笑みを浮かべ、見下すような視線を騎士に向けつつ口を動かした。


「まったく、あんたも大変だな。使えない部下ばかりでよぉ」

「な、何だ! 何を言ってる!」


 ヴィショップの突然の発言と、明らかに自分達を侮辱しているとしか思えない態度に憤りながら、騎士はヴィショップに一歩詰め寄った。

 この時、騎士の目はヴィショップの安い挑発によって曇らされており、見抜くことが出来なかった。

 ヴィショップの視線が己ではなく、馬車の御者台に腰掛けているヤハドに向けられたものであることに。


「ぐあ…っ」

「な、何だ! どうし…」


 ヴィショップに向かって一歩踏み出した瞬間、騎士は唐突に耳朶を打った仲間の苦しげな声に反応して、不用心にも後ろを振り向いた。

 振り向いた先に広がっていたのは、いつの間にか御者台から地面に降り立っているヤハドの姿と、背中から曲刀の柄を生やし、膝から地面に崩れ落ちようとしている仲間の姿だった。


「なっ、き、きさ…」


 一瞬前まで自分の隣で息をしていた男が、胸から突き出た曲刀の切っ先を己の血で濡らしながら、今まさに絶命しようとしている。そんな光景を目の前に、騎士は訳も分からぬまま槍の穂先をヤハドに向け、声を上げようとする。しかし、彼の口から絞り出されたのは哀れな程に震えた弱々しい声であり、何とか絞り出したその声も、ヴィショップの手に握られている魔弓の咆哮によって掻き消されてしまった。

 ヴィショップの手の中の漆黒の魔弓から放たれた魔力弾が騎士の左胸を貫き、生暖かい血と、臓物と肋骨の細かな破片をまき散らしながら独楽の様に回転して、地面に崩れ落ちる。

 この時、ヴィショップは知る由もなかった。今撃ち殺した男が、最初にドーマの屋敷に来た時にドーマの私室まで導いた騎士であることも。死にぎわに騎士の視界に入ったヴィショップの顔を見て、あの日見た表情は錯覚でも何でもなかったのだと、騎士が悟っていることも。


「…さっきの言葉、どういう意味だ?」

「ん?」


 魔弓をズボンに捻じ込み、騎士の死体を馬車に積み込んでいると、ヤハドが唐突に訊ねてくる。


「だから、さっきの使えない部下云々のやつだ。こいつに言った訳ではないのだろう?」

「あぁ、それについてか」


 質問の意図が掴めていなさそうなヴィショップに、ヤハドが自分の足元の死体を足先で小突きながらもう一度訊ねる。するとヴィショップは、納得のいった表情を浮かべてから、死体を馬車に積み込む作業の片手間に話し出した。


「あの騎士団長の野郎に対しての言葉だ、あれは」

「騎士団長に対しての?」


 顎で騎士の死体を差し、ヤハドに手伝わせながらヴィショップは口を動かす。


「あぁ。あの騎士共、俺を見てもすぐに殺そうとしてこなかっただろう?」

「それがどうかしたのか?」

「これはあくまで俺の予想だがな。多分あいつ等は、俺が馬車の許に来たら問答無用で殺せとハインベルツに言いつけられてた筈だ。だが、奴等は殺さずに理由を聞いてきて、結局傷すら負わすことが出来ずに殺された。上司に求められた以外の行動をやって失敗する、擁護のしようがない典型的な使えない部下だ」

「騎士団長がそういう命令を下したという保証は?」


 一人目の騎士の死体を馬車に積み込んだところで、ヤハドがそのような質問をぶつけてくる。

 ヴィショップは何てことは無さそうな表情を浮かべながら、その質問に答えた。


「俺は変態野郎に気に入られてたからな。それまで変態野郎の隣でやりたい放題だった騎士団長の野郎にとっては、デカすぎる目の上のタンコブだろうよ。だから、まず間違いなく騎士団長の野郎はこいつ等に、俺が馬車に近づいてきたら殺せと命じてる。なんせ、この状況下で啖呵切って打って出た奴が馬車の近くで殺されてたら、どんな馬鹿でも逃げようとして殺されたんだという発想に辿り着く。私怨で殺したなんて誰も考えないし、俺への信頼はそのままそっくり手に入れられるしで、騎士団長にとっちゃいいこと尽くしだ」


 もう一人の騎士を馬車に積み込んだところでヴィショップが顔を上げると、ヤハドの不愉快そうな表情がヴィショップの視界に飛び込んでくる。


「攻撃を受けてる最中に、よくそんなことを考えていられるものだ…」

「そういう性分なんだよ、ああいう手合いは。それより問題なのは、こういう状況でこんなことを考える奴はただの馬鹿か、こんな状況を屁にも思わねぇ程に修羅場を潜り抜けてきたかのどちらかになるという点だ」

「…お前は、どう思ってるんだ?」


 二人目の騎士の死体を馬車に放り込むと、ヤハドがヴィショップに問いかける。それに対しヴィショップは、


「前者だと嬉しいんだが……実際はその逆だろうな」


 とだけ答え、馬車の車体から降りて屋敷をぐるっと囲む塀に近づくと、右手で魔弓をズボンから引き抜き、射出口を塀に向けて、親指でゆっくりと魔力弁を起こした。






 それから幾ばくかの時間が過ぎた屋敷の三階では、金属同士が激しくぶつかり合う耳障りな音が窓を振るわせる勢いで鳴り響いていた。


「ぬぅんッ!」


 レズノフが振り下ろした大剣をハインベルツは左手の盾で受けると、右手の戦斧をレズノフの腰に向かって真一文字に振るった。

 レズノフはそれをバックステップで躱すと、追撃としてハインベルツが投げつけてきた戦斧を大剣で防ぎ、再びハインベルツに攻撃を仕掛けるべき一歩踏み込もうとする。しかし、


「うおッとォ!」


 ハインベルツとの距離を縮めようとした瞬間、ハインベルツの左手の盾…アグリューシカの魔法庫から短槍の石突き部分が突き出てきたかと思うと、ハインベルツはそれを右手で掴んで引き抜き、引き抜いた勢いのままレズノフの顔目掛けて振るう。

 レズノフは咄嗟に頭を後ろに反らして避けると、短槍を手の中で滑らせ、一瞬にして握っている部分を石突き付近から柄の中腹辺りへと移したハインベルツがレズノフ心臓目掛けて突き出してきた穂先を、身を捩って回避した。


「ハッ! 斧の次は槍かァ! 随分と手先が器用じゃねェかよ、オォイ!」


 更に一歩踏み込んで振るわれた頭狙いの石突きを避けながら、レズノフは歓声を上げる。一方のハインベルツはレズノフの声を聞いて不愉快そうに顔をしかめると、レズノフの首に向かって短槍を横薙ぎに振るう。レズノフは身を屈めてそれを避け、お返しとばかりにハインベルツに向かって大剣を振るった。


「チィッ!」


 己の脇腹目掛けて迫る白刃を左手の盾で受けるハインベルツ。しかしレズノフの一撃をハインベルツの予想以上に重く、たたらを踏みながら後退した。


「おっと」


 だがもちろん何もしないまま後退する筈がなく、ハインベルツは後退しながらも短槍を手の中で滑らせて石突きの近くを握ると、レズノフの顔に向かって突き出した。レズノフはその一撃を顔を捩って躱すものの、完全には躱しきれずに彼の左頬に一筋の赤い線が刻み込まれた。


「やるゥ…」


 レズノフは左頬に奔った痛みを感じて楽しげに口角を吊り上げると、大剣を構え直してハインベルツに肉薄する。対するハインベルツも槍を再び手の内で滑らせて構え直して、レズノフを迎え撃った。






「凄い…」


 レズノフとハインベルツが殺し合う傍らで、何とかナターシャの許まで這って動いてきたジェードは、二人の殺し合いの様を見て感嘆の声を漏らす。

 短槍を何度も手の中で滑らせ握る部分を変ることでリーチを自在に調整しながら、突きや払い、石突きいによる殴打を混ぜ合わせた連続攻撃を仕掛けるハインベルツと、それらを体捌きだけで躱しつつ、身の丈に匹敵する大きさの大剣を軽々と振るい、ほんの僅かな隙すら逃さずにハインベルツに切り込んでいくレズノフ。

 その様相は、ただただ互いの命を奪わんが為の荒々しい殺し合いであるにも関わらず、まるで剣舞を眺めているかのような美しさを孕んでいた。それぞれの白刃が、常人の目には捉えることも難しいであろう速度で身体から数ミリと離れていない地点を切り裂いていく。にも拘わらず、両者の目に恐怖等の敗北を誘発させる感情が宿ることはなく、根底こそ違えど純純たる殺意のみが曇ることなく宿り続け、両者の動きは刹那程の迷いも無く動き続ける。

 どちらかがどちらかの命を奪うまで終わることの無い世界が、今まさにジェードの目の前に産み落とされていたのだ。


「えーっと、今話し掛けても大丈夫ですかね?」

「ッ! って、何だアンタか…」


 目の前の殺し合いに目を奪われていたジェードは、唐突に真横から掛けられた声で正気に戻る。そして咄嗟に声のした方向に視線を向けると、そこには若干憂いを孕んだ表情のミヒャエルが立っていた。


「うわっ、まさかジェードさんにまでそんな扱いを受ける日が来るとは…」

「わ、悪かった。それで、何のようだ?」

「何の用って、助けに来たに決まってるじゃないですか。これでも僕、応急手当ぐらいなら出来ますし」


 拍子抜けした表情を浮かべるジェードを見て、ミヒャエルがわざとらしく落ち込む。

 そんなミヒャエルの態度に戸惑いと苛立ちを覚えながらジェードが現れた理由を問うと、ミヒャエルは、何を言ってるんだコイツとでも言いたげな視線を向けつつ返事を返した。


「そ、そうだな。じゃあ、先にナターシャを頼む、意識が無いみたいなんだ」

「えっ、マジですか? じゃあ、今すぐ取り掛かります。何たって、ナターシャさんは久しぶりに出会った良識のある淑女(レディー)ですからね! 年上にも敬意を払いますし!」


 そんな態度に更に苛立ちを募らせながらも、ジェードは今のナターシャの状態を思い出し、先にナターシャを治療するようにミヒャエル頼む。そして慌てた様子でナターシャの応急手当てに臨むミヒャエルから視線を外すと、再び視線をレズノフとハインベルツに向けた。


「あぁ、頼んだ…」


 そう発したジェードの声は、既に心ここに有らずといった感じであった。

 彼の視線は、再び二人の死闘に魅了されてしまっていた。






 ミヒャエルがナターシャの応急処置に取り掛かり始めた一方、レズノフとハインベルツは段々とドーマの私室の方に移動しながら切り合いを続けていた。

 左の肩口に向かって振り下ろし、返す刀で腹に向かって穂先が腹に向かって突き出される。レズノフは一歩右に動いて穂先を躱すと、手甲を填めた左手の手刀を短槍の柄に叩き込んだ。


「チッ!」


 乾いた音と共に、短槍が手刀を受けた部分で真っ二つに折れる。レズノフは次いで大剣をハインベルツに向かって振るい、ハインベルツがその一撃を盾で受けたのを見て取ると、右脚を振り上げて盾に向かって前蹴りを繰り出した。

 派手な音を共に、衝撃を殺しきれなかったハインベルツがたたらを踏んで後ずさり、そのままドーマの私室まで後退する。そこから更にレズノフが切り込もうと肉薄するものの、ハインベルツは盾の表面からハルバードを引き抜くと、レズノフに向けて一直線に振り下ろした。


「ッとォ!」


 咄嗟に大剣でその一撃を受けるも、武器自体の重さも相まって簡単に弾くことは出来ず、ハルバードの刃がこれ以上頭に近づかないように堪えた状態のまま、レズノフの動きが完全に静止する。

 刃と刃がこすれ合って耳障りな音を奏でる中、レズノフは場違いととも取れる、ニヤニヤと楽しげな笑みを浮かべながらハインベルツに話しかける。


「ヨォ、便利な盾だなァ、ソレ」

「欲しければ母親にでもねだるんだな」


 ハインベルツは相変わらず苛立ちを滲ませた表情でそう返すと、左手の盾を振り上げ、自分のハルバードごとレズノフの大剣を弾き上げる。

 大剣を手放すような真似こそしなかったものの、大剣と一緒にレズノフの両腕を弾き上げられ、無防備な隙をハインベルツに晒す。対するハインベルツは、己のハルバードごとレズノフの大剣を弾き上げた際に既にハルバードを手放していたようで、すぐに盾の表面からショートソードを引き抜いてレズノフに切りかかる。しかしレズノフは左脚を突き出してハインベルツの右腕を蹴りつけることで斬撃を止めると、弾き上げられていた大剣をそのまま振り下ろしてハインベルツに切りかかった。


「クソッ!」


 ハインベルツは悪態を吐きながら後ろに下がり、レズノフの斬撃を躱す。レズノフはハインベルツが斬撃を避けて後ろに逃れたのを見て取ると、真上に左手を伸ばし、大剣と一緒に弾き上げられた際に天井に突き刺さってしまっていたハルバードの柄を掴み、引き抜きつつハインベルツに向かって投げつけた。

 ハルバードが重く低い風切音を上げながらハインベルツに迫る。それを見たハインベルツが小さく悪態を吐き、右手のショートソードをレズノフに向かって投げつけつつ横に転がって回避する。目標を失ったハルバードはクルクルと縦に回転しながら部屋を横切り、ドーマの事務机に突き刺さってその動きを止めた。

 ハルバードを転がって躱したハインベルツは、盾の表面から新たな得物を引き抜きつつ立ち上がる。その視線の先では、投げつけられたショートソードを大剣で弾き飛ばしたレズノフが、今まさに突っ込んで来ようとしているところだった。

 二メートル近い巨体からは予想もつかない速度で、レズノフはハインベルツに向かって肉薄する。そんな彼に向かってハインベルツが小ぶりな鎌を投げつけるが、レズノフはそれを難なく大剣で弾くと、ハインベルツに向かって大剣を袈裟懸けに振り下ろす。


「へェ…」


 しかし、大剣の鈍く煌めく白人がハインベルツの首を捉えることはなかった。振り下ろされた白刃は狙いから逸れ、ハインベルツの足元に突き立てられる。その刀身には、先端に先程弾いた筈の小振りの釜が付いた銀色に光る鎖が絡み付いていた。当然、鎖を辿っていけば、それがハインベルツの右手から伸びていることに気付くことが出来た。

 鎖鎌。レズノフにとって、存在こそ知っているものの、相対したことの無い武器だった。

 ハインベルツは小さく口角を吊り上げると、右脚で大剣を踏みつけて動かせないようにしつつ、盾から一本の戦鎚を引き抜く。人の頭程の大きさの鉄の塊に、凶悪なスパイクを生やした戦鎚を、ハインベルツは踏みつけている大剣に向かって振り下ろす。レズノフは当然、それを阻止する為に行動を起こそうとするが、ハインベルツが右手で戦鎚を振り下ろすのと同時に、左手の盾をレズノフの胸元目掛けて振り抜いてきた為に、止む無く大剣から手を離して後ろに逃れた。


「あーあァ、勿体ねェ」


 バキン、と大きな音を立てて、中腹辺りで真っ二つに折られた大剣に視線を向けながら、レズノフは言葉を発する。もっとも、その顔に浮かんでいた笑みは、欠片も陰りを見せてはいなかったが。

 レズノフの顔に浮かんでいた笑みが一向に鳴りを潜めないのを悟ると、ハインベルツはつまらなさそうに鼻を鳴らし、戦鎚を構えてレズノフに突進する。

 相対するレズノフは一瞬だけ視線をハインベルツの奥へと向けると、腰にぶら下げていた手斧を右手で握り、ハインベルツに向かって駆け出した。

 ハインベルツがレズノフの頭蓋を打ち砕くべく、戦鎚を脳天目掛けて振り下ろす。レズノフはそれに対し回避行動をとるどころか更に一歩踏み込むと、戦鎚を握るハインベルツの右腕を左腕で掴んで攻撃を止め、右手に握る手斧をハインベルツに向けて振るう。しかしハインベルツもさるもので、咄嗟に盾を持ち上げて手斧による斬撃を防いだ。


「やるゥ…」


 自分の攻撃が防がれたのを見て、レズノフは楽しげに表情を歪める。と、同時に掴んでいるハインベルツの右腕を引き寄せつつ身体を翻し、その場でハインベルツと自分の立ち位置を交換した。


「ッ!」

「おッ!」


 そして二人の立ち位置が逆転した瞬間、レズノフの右脚が跳ね上がってハインベルツの鳩尾に突き刺さり、それに一瞬遅れてハインベルツの右脚が跳ね上がってレズノフの下腹部に叩き込まれる。互いに蹴りを受けた二人は、片や忌々しげな、片や楽しげな表情を浮かべながら後ずさる。

 後ずさった二人の視線が交錯し、次の瞬間には互いに動き出す。ハインベルツは真っ直ぐレズノフに向かって。レズノフはハインベルツに向き直ったまま、真後ろに向かって。


「…手癖の悪い奴め」


 先程とは打って変わって距離を離すような動きをし始めたレズノフに、ハインベルツの表情が一瞬だけ訝しげに歪む。しかしすぐにレズノフの意図を理解して、動く速度を緩めて攻撃を受ける準備をする。

 その動きでレズノフもハインベルツが自分の意図に気付いたことを悟り、口角を吊り上げると、手斧を手放し、真後ろに向かって右手を伸ばす。

 右手を伸ばした先に存在したのは、ドーマの事務机、そしてそれに突き刺さっている、先程投げつけたハルバードの柄。レズノフはそれを逆手で掴むと右手一本で引き抜き、左手を伸ばして柄を掴んで手の内で回転させて順手に持ち直すと、ハインベルツに向けて袈裟懸けに振り下ろした。


「グッ…!」


 ハインベルツはハルバードの肉厚な刃を持つ斧頭を左手の盾で防いだものの、威力を殺しきることが出来ずに、手から離れこそしなかったものの盾が弾き落とされ、体勢を崩されて盾の動きが一瞬止まる。レズノフはその隙を逃さずハルバードの穂先を顔目掛けて突き出すが、ハインベルツは頭を捩ってそれを躱すと、ハルバードを弾き飛ばそうと左手の盾を振り上げる。レズノフはハルバードをハインベルツから離して弾き飛ばされるのを防ぐと、今度は逆側、ハインベルツの右側面に向けてハルバードを振るった。

 うなりを上げて襲い掛かってきたハルバードを、今度は右手の戦鎚でハインベルツは受け止める。

 レズノフは、ガギンと派手な音を立ててハルバードの刃が止められた手応えを感じると、ニヤリと笑みを浮かべてハルバードを力任せに引き寄せた。


「クッ!」


 するとハルバードの鎌部が戦鎚をひっかけ、ハインベルツの手から捥ぎ取る。

 戦鎚を捥ぎ取られたハインベルツの忌々しげな声が漏れる中、レズノフは自分の方に転がってきた戦鎚を離れた所に蹴り飛ばすと、改めてハインベルツ目掛けてハルバードを振り下ろした。それと同時にハインベルツの左腕が動き、ハルバードの軌道上に盾が掲げられる。そして数瞬後、火花を散らして盾とハルバードが衝突した。

 軌道上に掲げられた盾がハルバードの侵攻を再び止める。だが、今回はハインベルツの体勢を崩すことは叶わず、ハインベルツは盾を掲げた体勢のまま、レズノフはハルバードを振り下ろした体勢のまま睨み合いが繰り広げられる。


「ッと!?」


 しかし睨み合いが続いたのも、ほんの数秒のこと。拮抗状態で睨み合う最中、不意にハインベルツの右手の指先がレズノフに向けられたかと思うと、床に向けられたハインベルツの掌で何かが微かに輝く。それを見たレズノフが咄嗟に顔を捩ると、小さな風切音と共に彼の右頬のすぐ真横を何かが通り過ぎる。


(盾を印象付けといて、ここで暗器か…! ゾクゾクずるなァ…)


 レズノフが、自分の顔を掠めた存在がハインベルツの右手に仕込まれていた暗器の類いであることに気付いたのもつかの間、ハインベルツはレズノフが顔を捩った隙を突いてハルバードを弾き上げると、盾の表面に右手を伸ばしつつレズノフに向かって駆け出す。ハインベルツの動きに気付いたレズノフは弾き上げられたハルバードを振り下ろそうとするが、それより早くハインベルツは盾の表面から武器を取り出すと、レズノフに向けた。


「おッとォ~…」


 レズノフに向けられた武器、それは一丁のボウガンだった。

 ハインベルツの手に握られたそれを見てレズノフが楽しげな声を上げた直後、引き金が弾かれて矢が射出される。ボウガンから飛び出してきた矢が、一直線にレズノフの胸元目掛けて空を切る。レズノフは己の胸元目掛けて撃ち出されたそれを、真横に転がって回避すると、立ち上がるのもそこそこにハインベルツの足元目掛けてハルバードを振るった。

 しかしハインベルツはレズノフの剛腕によって振るわれたハルバードを、あろうことか脚で踏みつけて無理矢理止めると、いつの間にかボウガンから持ち替えていたショートソードを振るってハルバードの先端部分を切り落とした。


「マジかよ、スゲェなァ!」


 その芸当を見たレズノフは嬉しそうな声を上げ、立ち上がると同時に先端部分を失ったハルバードを投げつける。そしてハインベルツがそれを弾いている間に後ろに向かって跳び退きつつ、真後ろに向けて蹴りを繰り出してベランダへと続く扉を蹴り開け、ベランダまで後退した。

 室内とは打って変わって肌寒さを感じさせる外界の冷気が場に広まる中、ハインベルツとレズノフは再び視線を交錯させる。しかし今回はすぐに動き出すことはなく、ハインベルツはショートソードを構えながら室内でレズノフの動きを待ち、レズノフはハインベルツに視線を向けたまま思考を巡らせる。


(重量のある武器を片手で振り回す膂力、こっちの攻撃の殆どを見切ってくる動体視力、激しく流転する戦況に対応し続ける判断力、そして何より…)


 レズノフの視線が動き、ハインベルツの左手にある、表面に二頭の獅子と一羽の鷲を象った紋章の記された盾…アグリューシカの魔法庫へと移る。


(あの盾から出す武器の尽くを使いこなす、手先の器用さ…。あれは努力なんぞで獲得出来るモンじゃねェ…。天性の才能があって初めて獲得出来るモンだァ…)


 レズノフ鼻孔から、一筋の紅い液体が零れ落ち、石造りのベランダにぽつぽつと垂れる。


(天武の才と、恵まれた身体能力、そして確実に積み重ねられてきた経験……間違いねェ、ヤツは極上の戦士だ…)


 レズノフの表情に、歓喜の笑みが浮かび上がる。

 今までレズノフが生きてきた中で、一対一で追い詰められたことなどそれこそ数える程しか無かった。戦場が激化すればする程、戦いは複雑化していき、戦略や人を動かす技術が必要になってくる。一対一で真っ向から殺し合うことなど殆ど起こり得なかったし、戦いそのものは簡略化されていった。実際死ぬ破目になったときも、撃ち合いに要した時間は一分も無かっただろう。

 それが楽しくなかった訳ではない。優秀な指揮官の指揮の下動く部隊との殺し合いはこの上なく甘美であったし、一方的な虐殺もレズノフの飢えを満たしてくれた。だがそれでも、レズノフは求め続けていた。一対一で、ただ単純な個人の力だけを振るって、己の心臓を鷲掴みにするような脅威との殺し合いを。

 そして今、望んだモノが目の前にあった。


「たまんねェなァ、オイ。最高じゃねェかァ? まったく、コッチに来てからイイコト尽くしだ…」


 ブツブツと呻くようにして、レズノフは言葉を発する。そんな彼をハインベルツは不快そうに眺めていたが、そんなことはどうでもよかった。


「楽しもうぜェ、なァ、オイ。今この瞬間をよォ……サァ、サァ、サァ、サァサァサァサァサァサァ、サァァァァ!」


 もはや最後の方は言葉になっていなかった。けだものの雄叫びと呼ぶに相応しい、大音量の叫び声を上げると、レズノフは愛用の大型ナイフを引き抜いてハインベルツに迫る。


「辞世の句にしては品が無いな…!」


 対するハインベルツは吐き捨てるように呟くと、右手のショートソードをレズノフに向かって投擲する。そして再び盾からボウガンを取り出すと、投擲したショートソードを右に動いて躱したばかりのレズノフに向かって、引き金を弾いた。


「ッハァ!」


 ボウガンから放たれた矢を、レズノフは避けるのではなく手甲を填めた左腕で受ける。矢は手甲を貫き、レズノフの左腕を貫いたところで動きを止めた。しかしレズノフは、痛みで怯んだような素振りは微塵も見せることなくハインベルツに向かって肉薄しようとする。


「狂人が…!」


 全く動きが止まる気配の無いレズノフの姿を見て、ハインベルツは忌々しげに呟くと、盾から大振りの戦斧を取り出す。

 この時、ハインベルツの冷静さは、今日一連の騒動、そして目の前のレズノフという存在によって大きく揺さぶられ、削がれていた。だがそれでもレズノフの攻撃に対して間断無く対処し続けることが出来る程度の冷静さを保ち続けているのは、賞賛に値するであろう。

 だがそれでも、ハインベルツの冷静さは確実に削がれていることに間違いはなかった。それ故に、彼は失念してしまっていた。ある一人の男の存在を。


「た、助けてッ…!」

「なッ、馬鹿がッ…!」


 その存在とは、この部屋の主にしてハインベルツの主、そして今しがたまで物陰に隠れて二人の戦いを恐る恐る眺めていた、ドーマ・ルィーズカァントに他ならなかった。

 レズノフが大型ナイフを片手に突っ込んでくる中、ドーマの怯えた声と隠し扉の作動音がハインベルツの耳朶を打ち、彼の意識を一瞬だけレズノフから逸らさせる。

 しかし、その一瞬が命取りだった。


「余所見するたァ、関心しねェぜェ?」


 この騒動を無事に乗り切るための手札の一つだった隠された地下室の存在を、自ら暴いくというドーマの愚行に気を取られたハインベルツの思考を、若干残念そうなレズノフの声が引き戻す。

 それでようやく自分とレズノフの距離が、既に両者の得物の間合いの範囲内にあることに気付くと、慌てて戦斧を振ろうとする。しかし他の存在に気を取られたハインベルツの動きは、レズノフの動きよりも僅かに、だが致命的に遅かった。


「グッ、オオオォ…!」


 レズノフの右手に握られた大型ナイフの刃が宙に一筋の軌跡を描く。その瞬間、ハインベルツの手首が切り飛ばされて宙を舞い、切断面から鮮血が吹き出した。

 切り落とされた手首が戦斧を握りしめたまま宙を舞い、戦斧が床に突き刺さることでその動きを止める。その光景をハインベルツの苦悶の呻き声をいうBGMが彩る中、レズノフは一切の躊躇も無く大型ナイフを切り返し、ハインベルツの喉元を狙って突き出した。

 だが、その刃がハインベルツの首元に届くことはなかった。ハインベルツは右腕から止めどなく血液を流しながらも、何とか左腕を動かし、盾でレズノフの刺突を防いだのだ。

 何度目になるかも分からない金属音と共に、大型ナイフの切っ先が盾の表面に突き刺さって動きを止める。

 しばしの間、ハインベルツの持つ盾を挟んで二人は動きを止めて対峙し、盾越しに無言で睨み合う。

 沈黙が不意に破られ、レズノフが行動を起こす。レズノフはナイフを距離を離すこととハインベルツの体勢を崩すことを狙って右脚を振り上げて、盾に蹴りを叩き込もうとする。しかしその動きは、レズノフの視線が盾の表面を捉えた瞬間におもむろに停止した。

 何故なら、ハインベルツの持つ盾の表面、つい一瞬前までは二頭の獅子と一羽の鷲を象った紋章があるだけだった筈のそこから、今や何本もの切っ先が生えているのだから。


(こいつは…ッ!)


 その光景を見た瞬間、レズノフの背筋をうすら寒いものが駆け抜ける。背筋を駆け抜けた感覚、その正体が自分の命を奪い兼ねない事象に相対した時、身体が無意識の内に発する危険信号であることを瞬時に理解したレズノフは、盾ではなく床を右足で蹴りつけ、後ろに向かって跳び退く。

 だがそれに追従するかの如く、盾の表面から姿を現していた無数の切っ先がレズノフに向けて殺到する。盾の表面から射出された様々な大きさや造形の武器の数々は瞬く間にレズノフの身体に追いつくと、彼の身体に刃を突き立てた。


「む…ウオォ…」


 無数の鮮血が飛び散り、腕、脚、肩、腹といったレズノフの体中の至る所から武器の柄が生える。十本以上の刃を身体に突き立てられたレズノフは、苦しげな唸り声を漏らしながら二、三歩後ずさると、ゆっくりと背中から地面に倒れ込んだ。


「月並みな言葉だが…切り札は最後まで取っておくものだなぁ…」


 左手の盾を下ろしたハインベルツが、仰向けに倒れているレズノフを眺めながらそう呟く。

 大粒の汗を滲ませてこそいるものの、その表情には勝ち誇った笑みを浮かべていた。

 そんな彼の視線の先に居るレズノフは、己の身体から流れ出る血の中に横たわったままぴくりとも動かない。ただ、彼の胸だけが微かに上下していたので、未だに息があることだけははっきりと確認出来たが。


「咄嗟に急所を腕で庇ったか。狂人にしてはやるじゃないか…。さて、右手の借りを返すとしようか…」


 ハインベルツはそうひとりごちると、左手に持っていた盾を床に落とす。床に落とされた盾は低い音を上げると、紋章の存在する面を天井に向けた状態で床に転がった。

 ハインベルツは盾を手放すと、今度は自由になった左手を床に転がっている盾の上にかざす。すると、盾の表面から一振りの剣が生えてくる。

 それは、一本の恐ろしく使い込まれているであろう長剣だった。灰色に近い色合いの所々刃こぼれのある肉厚の刀身は、数多の鮮血を浴び、無数の肉と切り裂き、骨を砕いてきた歴史を、小汚い色に変色した布を巻かれた柄は、無数の戦場を人の手の中で渡り歩いてきた事実を雄弁に物語っていた。

 ハインベルツは盾の表面から突き出てきた長剣の柄を左手で握り、一気に引き抜く。そしてその感触を確かめる様に一振りすると、静かに息を吐き出してから、言葉を発した。


「来い。幕を引いてやる、俺の勝利でな」


 ハインベルツがそう告げた瞬間、


「…ゴホッ! ガハァッ、ゲフッ!」


 床に伏していたレズノフの口から言葉が漏れ出たかと思うと、まるで痙攣でも起こしたかのようにレズノフの身体が僅かに跳ね上がり、同時に彼の口から鮮血が吐き出される。

 そして次の瞬間には、レズノフの両手が力強く床を付き、武器の突き刺さった部分から血液をまき散らしながらレズノフはゆっくりと立ち上がった。


「アグリューシカの魔法庫からの射出では確実に臓腑を貫くほどの威力は出せないとはいえ…それほど受けておいてまだ動けるとは、貴様、化け物か?」


 長剣の切っ先をレズノフに向けて、ハインベルツが問いかける。

 しかし、それに対してレズノフの返答は無かった。代わりに彼がしたのは、ただ両目を爛々と輝かせながら自分の身体に突き刺さっていたロングソードを引き抜き、両手で構えただことだけだった。


「憎たらしい口も回らなくなったか。どうやら、不死ではないらしい」


 ロングソードを強く握り込んだ瞬間、レズノフの全身の傷口から血がボタボタと漏れ出す。

 その有り様を見て、ハインベルツは口角を吊り上げると、自身もより一層強く長剣を握り込んだ。もっとも、彼自身切り落とされた右手からの出血が止まる気配は無かったが。

 とどのつまりは、そういうことだった。

 次の一撃、それで全てが決するのだ。


「ウオアッ!」


 獣のような咆哮を上げてレズノフが動き出し、それと同時にハインベルツも動き出す。

 もとより、両者の間に大した距離は無い。故に、一歩踏み出した次の瞬間には互いの得物が振るわれていた。


「シッ!」


 苛烈な踏み込みと共に、今まで見てきたハインベルツの一撃の中でも。群を抜いた鋭さの刺突がレズノフの頭に向かって放たれる。その速度は、最早まともに視界に捉えられるような基準のものではなく、凡その人間にとっては、ブレたかの様なぼやけた輪郭の人影と、そこから一筋の光が伸びているような光景にしか見えなかっただろう。

 レズノフも決して例外とは言い切れなかった。確かに凡その人間よりはその動きに見切ることが出来ていたが、それでも完全とは言い難く、辛うじて長剣の切っ先を判別出来る程度にしか、彼の目をもってしても見切れていなかった。

 だが、それだけで充分だった。


「なっ…!?」


 レズノフの左手がロングソードの柄から離れ、頭に向かって突き出されている長剣の刀身へと向かい、手の甲を叩き付けて軌道を変えようとする。

 火花と鮮血をまき散らしながら、手甲を填めたレズノフの左の手の甲が長剣の刀身に接触する。想像を絶する速度の刺突は、手甲の一部と肉を削いで突き進む。

 微かにその軌道を狂わせて。


「シィィィィィィ…!」


 軌道を微かに逸らされた長剣の刀身は、レズノフの脳天ではなく左目を抉って、彼の顔の真横を通り過ぎる。

 レズノフは左目に奔る熱さ、そして痛みの奔流を鮮明に味わいながら、更に一歩ハインベルツに向かって踏み込むと、


「畜生が…!」


 ロングソードをハインベルツの左胸に突き立てた。

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