The Day When We Shot Down Asshole
新たにノルチェを加えたヴィショップ達五人を乗せた砂船は、王家の谷を駆け抜けていた。特に障害となるものもなく、スピードを落さなければならないような事態もない。少し前まで当たりに群れていたショロトルの群れの姿も今は見えず、進みは順調そのものだった。
だが五人の顔には緊張が走っており、余裕のようなものは全く滲ませていない。そして手綱を握るクァルクを除いた四人の視線は、王家の谷の上空を飛ぶ巨大な影へと注がれていた。
五人の緊張の原因でもある、額に少女の顔を生やした鳥の姿をした巨大な魔獣は、彼等の眼差しなど意に介さずに雄大に空を舞っていた。翼を広げた巨鳥は白濁した眼を眼下の砂船に向けつつ、置いて行かれることのないように一定のスピードで飛行している。かといって自ら何らかの攻撃を行ってくるようなことはなく、何かを待っているかのようにヴィショップ達の乗る砂船とつかず離れずの距離を保っていた。
巨鳥が言葉を発することはないものの、何を待っているかはヴィショップ達には充分に理解出来ていた。
王家の谷を抜けた先、その名の由来ともなった古代の文明の遺跡。それが上空の巨鳥が待っているものであった。現状巨鳥が攻撃を仕掛けてこないのは、王家の谷の狭さにある。砂船同士であれば何とか戦闘が行えるようなスペースのある王家の谷であっても、巨鳥にとってはギリギリ翼を広げ切ることが出来る程度の広さでしかない。そんな場所では持ち場の機動力も生かすことが出来ず、ヴィショップに純白の魔力弾を撃ち込まれて死ぬことは目に見えている。それを理解しているからこそ、ヴィショップの攻撃を凌ぐだけのスペースのある場所に到達するまで攻撃を控えている。そうヴィショップ達は結論付けていた。
だがそれ故に、ヴィショップ達も巨鳥に攻撃することの出来ない状況が生まれていた。たった一回の羽ばたきでその巨体を数メートル移動させる程の機動力を有する巨鳥に対し、距離が離れた状態ではろくに攻撃を当てることが出来ないのだ。また人間ではない故に、ヴィショップの持つ行動の先読みの技術が十全に発揮できないのも響いていた。ヴィショップが今までに戦った他の魔獣と同様に再生能力を持つであろう巨鳥に対し、唯一の決定打となり得る純白の魔力弾も何発まで放てるか分かっていない。それ以外の魔術や魔力弾の強化に魔力を費やす可能性があることも考えると、失敗すると分かり切っていて攻撃をしかける訳にもいかなかった。
結果として、灼熱の砂漠を舞台にした五人と一匹の奇妙な睨み合いが繰り広げられる運びとなったのだった。ただし、それも長く続く訳ではない。所詮は嵐の前の静けさでしかなかったのだが。
「おい…」
手綱を握っていたクァルクが唾を飲んで声を上げる。ヴィショップが彼女の方に視線を向けると、すぐに自分を呼んだ理由が分かった。
「どかしたかァ?」
「見えてきた。もう間もなく谷を抜けるぞ」
巨鳥を見上げたままのレズノフにそう答えると、ヴィショップは魔弓を素早く振ってシリンダーを露出させて魔弾が全て装填されていることを確かめ、再び魔弓を振ってシリンダーを戻す。
「あの…それで、どうするんですか? 何か、あの化け物を倒す作戦みたいなのがあるんですよね?」
シリンダーが銃身と噛み合う音を聞きながら、ミヒャエルが手にしている杖を抱き寄せつつ訊ねる。ヴィショップは彼の方に視線を向けず、もう一挺の魔弓でも同じことをしながら彼の質問に答えた。
「向こうの出方次第だな。それに合わせて柔軟かつ的確な対応を行う」
「…気のせいですよね? 具体的なことが何一つ語られてない気がするんですが?」
浮かべた笑顔の端を引きつらせながら、ミヒャエルが問いかける。すると長剣にこびり付いていた血を布で拭っていたレズノフが、ヴィショップの方を向いて楽しげに笑いかけた。
「つまり、作戦は無しってことだ。そうだろォ?」
「悲観的な見方で見るならな」
もう一挺の魔弓のシリンダーを閉じたヴィショップが、シニカルな笑みを浮かべて答える。ミヒャエルは小声でヴィショップを呪う言葉を吐くと、胸の前で十字を切った。
「勘弁してくれよ、あんたを誘ったのは頭のキレを見込んでのことなんだぜ?」
「雇用条件に鳥の化け物の調理資格なんてものは入ってなかったと記憶してるけどな? まぁ、お前は小難しいことを考えずにこいつを走らせればいい」
ヴィショップはそう言って砂船の底を叩いて見せる。それから右手に持った魔弓の魔力弁を引き起こすと、口を開くことなく上空の巨鳥を睨みつけているノルチェに声をかけた。
「いいか、馬鹿な真似だけはしてくれるなよ。自前のならともかく、他人の復讐に巻き込まれてくたばるのなんて願い下げだからな」
「…心配しなくても大丈夫さ。そこまで頭に血が上っちゃいないよ」
「どうだかな。復讐なんてものをやる奴は、自分のことを客観的に見る能力の欠如した人間だと相場が決まってる」
ノルチェの瞳が険しさを増してヴィショップへと向けられる。
「どういう意味だい、それ?」
「さぁな。どうとでもとれ。ただ、根拠に基づいた言葉であるってことは覚えといたほうが良いぜ」
怪訝そうな表情を浮かべるノルチェにそう告げると、ヴィショップは純白の光を放つ魔弓を空へと突き付ける。そして砂船が谷を抜けると同時に、引き金を弾いた。
純白の魔力弾が撃ち出された刹那、巨鳥は大きく翼を羽ばたかせる。羽ばたきによって得た推進力は巨体は一気に先方へと押し出し、巨鳥をヴィショップ達の砂船の前方へと運んだ。
砂船の前方へと移動した巨鳥の姿を追ってヴィショップは振り向いた。左右にそびえていた巨大な崖は後方へと去り、目の前に広がるのは砂に埋もれた古代の建物が乱立する砂漠。傾いた建物の屋根と思しき部分が、まるで森のように砂漠にからいくつも頭を覗かせている。
その古代の英知の成れの果ての上に落とす影を徐々に大きくしながら、巨鳥は高度を下げていた。翼を広げてバランスを保ちながら降りてきた巨鳥の身体は、腹が廃墟に触れる寸前で動きを止める。
「仕掛けてくるぞ!」
高度を下げてきたことで巨鳥が攻勢に回ろうとしていることを察したヴィショップは、手綱を握るクァルクに向けて叫ぶ。無言で頷いてみせたクァルクが視線を巨鳥へと向けると、巨鳥の腹の部分が大きく膨張していた。
「なっ、何が起きてんだよ、アレ…」
細長くどんどんと膨張していく巨鳥の腹を見てクァルクが、視線を吸い付けられたままヴィショップに訊ねる。だがヴィショップが彼女の問いかけに答えることはなかった。彼自身、次に何が起こるかなど分からないのだから。
巨鳥が苦痛に満ちた鳴き声を空に響かせる。まるで断末魔のような叫びが五人の耳を劈いたかと思うと、肉の引き裂かれる音と大量の液体が流れ出る音が五人の耳に届いてきた。
「うっ…」
槍を手にしていない方のノルチェの手が、吐き気を抑えるべく口元へと動く。
膨張していた巨鳥の腹は五人の眼前で破裂した。その中に収められていた血と内臓が廃墟の上の次々と落ちていき、凄まじい匂いが鼻孔を貫く。しかしそれはまだ序の口でしかない。吐き気を催す程の嫌悪感をノルチェに与えたのは、血と内臓の雨の中から現れた存在だった。
血と内臓をかき分け、垂れ下がった皮膚の裂け目から現れたのは、一本の巨大な腕だった。五本の指を持った人間のものと瓜二つの手が、破裂した巨鳥の腹の中から姿を現したのだった。
「な、んなんだよ、アレは…! アレは…アレは本当に魔獣なのかい…?」
人間や亜人とよく似た骨格の魔獣は存在する。一部の器官が人間と瓜二つだったり、似たような習性を持つ魔獣もノルチェには心当たりがある。しかしそれらはあくまで、進化の過程で手に入れた姿であり習性であった。用途や理由こそ様々だが、共通して種の繁栄の為の機能の一部であるという共通点があった。
だが巨鳥の腹を突き破って現れた腕には、種の繁栄の為の機能など欠片もなかった。ただただ不快で常軌を逸した、理解の及ばない能力以外の何物でしかなく、最早ノルチェは巨鳥を魔獣ところか、生物として見なすことすら拒絶しかかっていた。
「魔獣じゃねぇさ。ただ、生き物だってことは間違いない。殺してやることが救いに思える程に哀れな、な」
そう答えたヴィショップの言葉は、直後に上がった魔弓の轟音によって掻き消された。
純白の魔力弾ではない、純粋に魔力による強化を行った魔力弾が巨鳥へと向かう。しかし巨鳥はヴィショップの放った魔力弾を避けようとはしなかった。
巨鳥は迎え撃つことを選んだのだ。
「うっそでしょう…!」
巨鳥の腹から生えた腕が廃墟の屋根を掴む。腕は指を廃墟に食い込ませると、まるでビスケットでも扱うかのように意図も容易く廃墟の一部をもぎ取ってしまう。そして自らに向かって撃ち出された魔力弾に向けて、もぎ取った廃墟の一部を投げつけた。
「うおっ!?」
投げつけられた廃墟の一部が魔力弾を受け止めて、粉々に砕け散る。それによって生じた衝撃は強烈な突風となったヴィショップ達の乗る砂船を襲い、周囲の砂を舞い上がらせて辺りを褐色に染めた。
「くそっ、前が見えねー!」
「右に躱せェ、嬢ちゃん!」
目を庇いながらクァルクが悪態を吐いた直後、レズノフの声が彼女の耳に突き刺さる。
彼の言葉通りにクァルクは砂船の手綱を動かす。その直後、空中に舞い上げられた砂を突き破って、廃墟の一部と思しき巨大な塊が飛んできた。
「うわぁおぅっ!?」
すぐ真横で生じた轟音と衝撃に、ミヒャエルが素っ頓狂な声を上げる。しかし彼を笑っているだけの余裕は、今のヴィショップ達にはない。
「まだ来てるぞ、動き続けろォ!」
巨鳥の羽ばたきと砂船が砂漠を進む音に混じって聞こえる、重低音の風切音。何か巨大な体積を有した物体でなければ出すことの出来ないであろうその音を聞き分けて、レズノフはクァルクに指示を出す。視界を殆ど潰された中、クァルクは彼の言葉を頼りに手綱を操る。彼女の指示に合わせ手動くヴァルダーに曳かれ、砂船は左右に砂漠を泳ぐ。そのすぐ真横を唸りを上げて廃墟の一部が通り過ぎ、途方も無い量の砂を巻き上げて地面に激突していく。
「無茶苦茶じゃないか、こんなのっ!」
槍を持つ方の腕で目を庇いながらノルチェが苛立ちの籠った叫びを上げる。それは暗に、この状況を打開出来る解決策を求めての叫びだった。
「んなこと叫んでる暇あったら、あんたが何とかしろよ居候!」
「なんだって!」
案の定、手綱を握っているクァルクが反感を示す。売り言葉に買い言葉で二人の間に険悪な雰囲気が出来上がっていく中、ヴィショップは静かに前方で舞い上がる砂塵を睨みつけていた。
「ぼ、僕はノルチェさんに同感ですよ! 何か、この状況を打破出来る策とかないんですか、マジで!?」
片手で砂船の縁を掴み、もう片方の手で頭を覆って砂船の底に伏せているミヒャエルが、顔を上げてヴィショップに問いかける。ヴィショップは前方へと向けていた視線を動かしてミヒャエルを見ると、左手に持っていた魔弓をホルスターに収めて彼の襟首を掴んで引き上げた。
「は、はい?」
「魔力はまだどのぐらい残ってる?」
「えっと…ちょっと待って下さい…」
瞑想でもするかのようにミヒャエルは目を閉じ、しばしの間黙りこくる。そしてゆっくりと目を開くと、自分の襟首を掴むヴィショップの顔を見上げた。
「まだ大丈夫です。結構いけると思いますけど…」
「なら、あの砂煙の中を女の股倉だと思って目を離すな。あの鳥の姿が見えたら、そこに向かって最大火力かつ広範囲の魔法をぶっ放せ」
そう言うとミヒャエルの襟首からヴィショップは手を離す。そして魔弓の魔力弁を親指で引き起こすと、砂船の最前線で指示のやり取りを行っているクァルクとミヒャエルの方を向いた。
「今の話は聞いてたな?」
「そこの強姦魔が一発ブチかかますってことだろォ?」
「あの巨体だ。落ちてきたらひとたまりも無い。お前等は協力して死ぬ気で避けろ」
「あいよォ。ファット・レディのお相手はそっちのお国柄だしなァ。今回は譲ってやるとするぜェ」
青白い光を放つヴィショップの魔弓、そして彼がもう一度ホルスターに収めたもう一挺の魔弓を引き抜きつつあるのを見たレズノフは、ニヤリと笑うとクァルクの悲痛な叫びに応じて前方へと視線を戻す。
全ての指示を出し終えたヴィショップは、左手の魔弓の魔力弁を起こして魔力を流し込む。すると彼の肩を叩く者があった。
「…何か用か?」
肩を叩かれたヴィショップは後ろを振り返る。すると険しい顔立ちのノルチェと視線が合った。
「あたいには…その、何かないのかい?」
「振り落とされないようにしがみ付いてろ。落ちても引き返す気は無いからな」
余りにも素っ気無いヴィショップの返答は、彼女の顔に浮かんだ不服そうな表情を取り払うことは出来なかった。ヴィショップは言葉を発しない彼女の顔をじっと見つめると、冷淡な声音で言葉を発する。
「俺達はお前の復讐に付き合う気なんてない。それは理解出来てると思ったんだがな」
「…分かってるさ。あの化け物が死ぬんならそれで構わない。さっさと殺っちまいな」
ノルチェはそう答えてヴィショップから視線を逸らす。視線を逸らしたノルチェを数秒程見つめた後、ヴィショップは視線を前方へと戻した。
(チッ、二度目の人生だってのに、どうしてこうも復讐なんぞに縁があるかね)
心中でそう呟くと、ヴィショップは彫り込まれた装飾から青白い光を放つ両手の魔弓を前方へと突き付ける。そして二挺の銃の射線を一つに重ね、一瞬の差を付けて両手の魔弓の引き金を弾いた。
一瞬速く引き金を弾かれた方の魔弓から出た強化魔力弾が巨鳥の巻き上げる砂煙の中へと猛進し、その後にもう一挺の魔弓から撃ち出された強化魔力弾が続く。先に撃ち出されたものよりも僅かに堆積の少ない後発の強化魔力弾は、徐々に先に撃ち出された強化魔力弾へと近づいていく。そして先発の強化魔力弾が砂煙の中に姿を消しかけたところで尻尾を捉え、二発の深紅の強化魔力弾の影が重なった。
直後、二発分の強化魔力弾の威力が一気に周囲へとばらまかれた。混じり合った二発の強化魔力弾の暴威は、砂船の前方に立ち込めていた砂煙を一瞬にして吹き飛ばしたばかりか、その中に身を潜めていた巨鳥の身体をもと捉えていた。
砂煙が吹き飛ばされたことによって、巨鳥の姿が五人の前に晒される。腹から生やした腕だけではなく、いつの間にか翼が三対に増やしていた巨鳥は、強化魔力弾の衝撃によってバランスを崩していた。翼を増やしている為かその巨体の恩恵か、それだけで墜落するようなことはなさそうではあったものの、その瞬間、巨鳥の動きは完全に静止していた。
「四元魔導、流水が百九十三奏、〝ショルト・レイーネ・ジェイラス〟!」
ミヒャエルの詠唱が終わると同時に、彼の頭上に十は下らない数の魔法陣が出現する。そしてその一つ一つから、子供ぐらいの大きさの氷柱が次々と吐き出されて巨鳥に襲い掛かった。
氷柱は身動きのとれない巨鳥の身体に次々と突き刺さる。甲高い悲鳴で空気を震わせ、その身から流した血で砂漠を赤く染め上げながら、巨鳥の身体はバランスを崩す。そして次の瞬間には落下を始め、そのまま遺跡のど真ん中に墜落した。
落下の衝撃で巻き上げられた砂煙がヴィショップ達の砂船へと迫る。クァルクは手綱を動かし、墜落した巨鳥を避けるために砂船を大きく右へとカーブさせる。それによって生じた遠心力が砂船に乗る五人を襲う中、ヴィショップは砂船の後部へと動いて後方へと視線を向けた。
彼の手には既に魔力弁が引き起こされ、純白の光を纏い始めた魔弓が握られていた。ヴィショップは魔弓を、立ち込める砂煙の中でもがく黒い巨影へと定め、引き金を引く。
純白の魔力弾が撃ち出されて、巨影へと向かう。いつの間にか他の面々の視線も集まり、砂船に乗る全ての人間がその瞬間を目撃しようと純白の魔力弾の行き先に視線を集中させていた。
しかし彼等はすぐに知ることとなる。自分達が相対している化け物の神髄を、大きく見誤っていたという事実を。
「何ぃ!?」
それは純白の魔力弾が巨影に命中する直前の出来事だった。今まで砂漠の上で力無くもがいていた筈の巨鳥の姿が、一瞬にして消失したのだ。
まるで砂漠の中に吸い込まれるようにして、巨大な肉の塊が忽然と姿を消した。それこそ夢の中でしかお目に掛かれないような光景を前に、ヴィショップの口から驚きの声が漏れる。それは他の四人も同様だった。砂船に乗る五人全員が純白の魔力弾が外れたこと以上に、巨鳥の姿が一瞬にして消えてしまったことに対して呆気に取られてしまっていた。
「おい、何だよ、今のは! あのデカブツが消えちまったぞ!」
「オイオイ、実はあの化け物は蜃気楼でしたってオチかァ?」
完全に動揺し切ったクァルクがなりふり構わず叫び、レズノフまでもが口を半開きにして巨鳥がいた筈の空間を見つめる。余りの事態に五人の中で状況に頭が追いついている人間はおらず、全員が未だに何も存在しなくなった空間を凝視していた。
「…何ですか、この音?」
そんな五人の思考を現実に引き戻したのは、下方から聞こえてくる音だった。まるで地震の様な地響きに近い音が、彼等の足元から響いていた。
「…ッ! おい嬢ちゃん、コイツを…!」
その音の正体にレズノフが気付き、声を張り上げた時には既に遅かった。
下方から這い上がってきた強烈な衝撃。それを受け止めることも流すことも出来ず、五人の身体はされるがままに大空に向かって打ち上げられた。かつて砂船だった大量の木片と共に。




