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Bad Guys  作者: ブッチ
Four Bad Guys
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First mission

「う~ん…」


 ヴィショップ達がギルドに加入し、正式のフレスからの依頼を受けてから二日後。バレンシア伯爵家の令嬢である、フレス・バレンシアは、唯一家に仕えているメイド、レム・フレイアに引きずり降ろされるようにしてベッドから追い出されることで一日を始める、普段の生活からは考えられないことに、早朝にも関わらず既にベッドから抜け出しては、うんうんと唸りながら玄関の前をぐるぐると回っていた。


「あら、めずらしいですわね、お嬢様。こんな朝早くに起きるなんて」

「あぁ、レム。…って、それどういう意味よ?」


 そこにレムが通りかかると、自発的に起きて玄関の前をぐるぐると回り続けているフレスに、さらりと皮肉をぶつける。当然、皮肉などぶつけられたところで嬉しい訳がないので、フレスが噛み付くが、


「あら。いつも放っておいたら昼過ぎまでベッドから出ず、起こしたら起こしたで一時間は寝ぼけたまま。いくら注意しても直そうとせず、お月様が地面に近くなるまで眠ろうとしない。そんなお嬢様が自分からこんな朝早くに起きているのだから、出て当然の言葉だと思うのですが?」

「ぐぬぬ…」


 逆にレムから更に強烈な腐肉を貰ってしまい、唸り声を出しながら悔しそうな表情を浮かべる。

 レムはそんなフレスを見て、クスリと微笑を漏らすと、フレスに問い掛けた。


「あの四人が心配ですか?」

「なっ!?ど、どうしてそれを!?」


 レムの言葉を受けたフレスが、目に見えて動揺する。そんな姿を見てレムはフフッと笑みを漏らした。


「分かりますよ。何年お嬢様に仕えてきたと思っているんですか?それに、お嬢様は表情に出過ぎです」

「えっ!?ウソ!?そんなに出てるかしら?」

「えぇ。それはもう、空に輝く太陽よりもくっきりと」


 フレスは慌ててレムに背を向けると、頬や目元を指で触り始める。そして少しの間そうやっていたが、やがて指の動きを止めると、レムの方に向き直る。


「だって…心配なんだもの。…しょうがないじゃない」


 フレスは呟く様にしてレムに告げると、二日前、ヴィショップ達が返ってきてから話した話を思い返す。

 何故か止めておいた方が良いと言ったギルド、“蒼い月”にギルドメンバーとして登録したこと。他の国の騎士団から指名手配を受けている犯罪者(ウォーマッド兄弟)と揉めたこと。そして、犯罪者の挑発にのって依頼を行う日時を合わせたこと。そして何より、依頼の対象はギルドが討伐隊を結成する程の化け物(バウンモルコス)だということ。

 それらの事実は、両親の病気で心にヒビが入り始めているフレスを、そう易々とは払い除けることの出来ない不安に突き落すには、充分過ぎる効力を持っていた。

 それの要素に苛まれ、不安を隠そうともしない、フレス。振り向いたその表情には涙すら浮かんでいた。

 彼女は苦しんでいた。「もしかしたら、自分はとんでもないことをしたのではないか。自分は依頼した四人を死地に追いやっただけなのではないか」、心内で渦巻く、不安が生み出した後悔の雄叫びが、彼女を苛み続けていた。


「…ハァ。えいっ」


 そんなフレスの姿を見て、レムは溜め息を一つ吐く。そして、涙を流していることにようやく気付き、その小さい手で涙を拭うフレスの額を軽く小突いた。


「え…?………え?」

「お嬢様、貴女はバカです」


 何が起きたのか分からない、といった表情を浮かべて呆けているフレスに、レムが呆れた口調で告げる。


「ば、バカ!?何でよ、私はあの人達のことを心配してるだけなのよ!?」

「だから、それがバカだと言うんです、お嬢様」


 レムはもう一度溜め息を吐くと、フレスの瞳を見つめながら、話し始める。


「いいですか。お嬢様はあの四人を信用したからこそ、依頼を託したのでしょう?」

「あ、当たり前じゃない」

「じゃあ、お嬢様はそんなことを悩む必要はないんです。仕事を与えてから、「やっぱ任せて大丈夫だろうか?」とか「あの人達じゃ無理なんじゃないだろうか?」などと悩むのは、バカのやることですわ。依頼主は、ただ依頼の成功を信じてどっしりと構えてればいいのです。それが、彼等の為にもなる」

「彼等の為…?」

「そうです。依頼主…つまり頭がビクビクしていたのでは、使われる側の士気も下がります。それは戦場、営業、政治、全てのことに繋がる真理であり、絶対にやってはいけない行為です」

「絶対に…やってはいけない行為…?」

「はい。頭がやるべきことはただ一つ、どっしりと構え、部下や配下を不安にさせないこと、それだけです。そもそも頭に出来ることなど元から限られているのです。だから責任とかそういうつまらないものは端に置いて、自分の為に戦場に赴いている者を信じていれば、それでいいのです。結果を生み出すのは、戦場に出ている者達なのですから」


 レムはそこで一回言葉を切ると、フレスの顔を見つめる。その表情からは未だに不安の色は消えていなかったが、それでもヴィショップ達に対する信頼は取り戻せたようであった。


「…来ましたよ」


 レムはそんな主人の表情を見て満足そうにうなずくと、信頼を受ける者達が到着したことを告げる。

 そして次の瞬間、二階へと続く階段から、足音と男達の話し声が聞こえてきた。


「いやァ、やっぱ昨日買っといてよかったわ。いつまでもあの辛気臭い外套じゃ、気分が滅入るからなァ」

「それは同感だ。俺もこちらの衣服の方が、気分が良い」

「そうですねぇ。でも、何でヴィショップさんは服を買わなかったんですか?その黒くて不気味な外套が気に入ったんですか?」

「一つだけ言わせてもらうと、テメェだけには死んでも言われたくねぇ科白だぜ、ミヒャエル。あれか?“あっち”で“プレイボーイ”してた時も、そんな恰好してたのか?」


 生死を賭けた闘いに赴くというのに、一切の緊張感を感じさせない会話を交わしながら階段を降りてきた四人の姿は、一名を除いて二日前とは大きく異なっていた。

 まず、一番目を引くのはレズノフである。左手には楯に成り得る程の厚さを有する黒塗りの手甲を着け、上半身には鎖帷子の上に薬品による硬化処理を施された革製の胸当てを着けていた。両手剣はベルトを使って背中に背負う形で帯剣しており、腰のベルトにはスローイングダガーと二本の手斧が、太腿に撒きつけたベルトには愛用の大振りのナイフが収められていた。

 そしてその横に立つヤハドの姿は、レズノフと比べると控えめで、カーキ色のズボンとジャケットを着こみ、背中に矢筒と弓、腰に曲刀、上半身に斜めに取り付けたベルトにスローイングナイフ、そして左胸ぬ少し上の辺りと右太腿にナイフを収めていた。鎧の類は二日前と同じく着けてはいないものの、その姿は弓と矢筒、曲刀を持っている点を除けばステレオタイプの中東テロリストの恰好そのものであり、下手に鎧を着けるよりもマッチしていた。

 その一方で、ミヒャエルの恰好は質素なフード付きの僧衣を着ただけでおり、一目見た限りでは変化に乏しく、ヴィショップに至っては二日前に撃ち抜かれたカウボーイ・ハットを変えただけだった。


「おはようございます。もう、お出かけですか?」

「あぁ。向こうは遅刻しても待ってくれそうにないんでね」


 そんな四人にレムが挨拶をすると、ヴィショップが欠伸を一つしてから、それに答える。


「そうですか。では、どうか御武運を。生きて再びこの屋敷の床を踏めることを、心からお祈りさせて頂きます」

「…本当に祈っているか、怪しいものだ」


 ヤハドがレムに対して皮肉を飛ばすが、レムは一切表情を歪めずにこれを流すと、早すぎも遅すぎもしない速さで頭を下げる。そして、四人を前にして何と言えばいいのか決めかけているフレスに、視線を送る。


「ちょ、ちょっと!」


 そのレムの行動が功を成したのか、レムが頭を上げるころにはフレスが四人に言葉を掛けようとしていた。


「どうしました、フレスお嬢様?」

「え~と…って、その言葉遣いは止めてって言ったじゃない!」

「了解。これでいいか、フレスちゃん?」

「ちゃんも要らないわよ!…もう」


 が、開始早々ヴィショップに話し方のことでからかわれる。だが、それも全くの無駄という訳では無かったようで、やり取りを終えたフレスの表情には、普段通りの柔らかさが戻っていた。


「えっと、依頼主として、アナタ達に言っておくことがあるの」

「へぇ」


 意を決したフレスが、四人に告げる。そしてフレスは最後の一線を超えんとばかりに、息を大きく吸い込むと、口を動かした。


「私は信じてる。アナタ達が生きて帰ってくるって。だから、それを裏切らないで」


 そのフレスの一言を受けた四人は、思わず首を動かす。その結果、三人の視線がヴィショップへと集まり、ヴィショップは悟られないように小さく溜め息を吐いてから、幼い依頼主からの要求に返事を出す。


「任せとけよ、クライアント」


 ヴィショップはそう告げると、フレスの頭にポンと手を置いて、屋敷と外を繋ぐ扉に向かって歩を進め、三人もフレスの頭や肩に手を置いてから、それに続く。


「それに、おっかないメイドさんもいることだしな」

「…裏切ったら、おっかないで済ませる気はありませんので」


 そしてレムの横を通る時にそっと耳打ちし、それに対するレムの返答に苦笑しつつ、ヴィショップは正面の扉を開いた。

 この先に訪れる死と混沌と暴力、そしてそれらを制した先に鎮座する勝利という名の存在に心を躍らせながら。




 時刻H1000の『クルーガ』東城門前は、異様な雰囲気が充満していた。

 それぞれ統一性の無い装備で武装した集団、それを眺める見物人。そしてそれら双方から距離を置かれている、これまた統一性の無い装備の一団。その双方から距離を置かれている一団の中に、ヴィショップ達四人の姿が存在した。


「いやぁ、しかし見事に避けられてますねぇ」

「まぁ、評判から考えればそれが普通だろうなぁ」


 杖を両手で弄びながら、溜め息と共に零れ出たミヒャエルの言葉に、『神導魔法入門編』と表紙に書かれている本を読んでいるヴィショップが反応する。

 二日前、魔導協会を出て、揉め事を起こしたヤハドを回収したヴィショップ達は、その足で神導魔法を修得するべく教会に向かった。

 そして似たような説明を聞き、作業を行い、『神導魔法入門編』を貰ってきたのだ。

 今度は魔導協会の時とは違い、大した問題は起きなかった。が、一つだけ計算が狂ったことがあった。神導魔法の適性を持つ人間が、四人の中でヴィショップしかいなかったのだ。

 流石にこれはヴィショップも焦った。というのも、いくら適性があってもヴィショップはインコンプリーター。才能には恵まれていない。

 その上、修得しようとしていたのは回復魔法が含まれる神導魔法。ある意味では重要度は魔導魔法より高い。

 その為、ヴィショップは結果が出てからもあの手この手を使って自分以外の誰かに神導魔法を修得させようとした。だが、結局それは徒労に終わり、一冊だけ受け取った『神導魔法入門編』はヴィショップ一人で管理することとなったのだった。


「だが、それより驚くべきはメンバーの方だろう」

「まっ、確かにな…」


 とにもかくにも、ヴィショップとミヒャエルが、露骨な周囲の反応に苦笑していると、少し前にヴィショップ達から離れて他のギルドのグループを見物にいったヤハドが口を挿む。ヴィショップはそれに頷くと、首だけを動かして自分達を含んだ一団…つまり『蒼い月』から派遣された討伐隊(ヴィショップ達は厳密には違うが)のメンバーを見渡す。

 その構成の特徴は、一目で分かるものであった。つまり、メンバーの数が圧倒的に少ないのだ。

 ヴィショップ達とは少し離れた位置に陣取っている『蒼い月』以外のギルド、『双頭の牡牛』と『ベイヴルーム』に所属する人間がそれぞれ二十人近く居るのに対し、『蒼い月』に属する人間はたったの九人。まず四人はヴィショップ達一行、そして二人は言わずとしれたウォーマッド兄弟。そして最後の三人が、


「いやぁ、こんな所で会うとは思わなかったぜ、ネェちゃん」

「そうだな。まさか、こんなに早く仕事を一緒にする機会がくるとは思わなかったよ」


 『水面の月』で出合った三人組み、カフス・デイモン、ビル・ロット、そしてアンジェ・フローリアンだった。


「しっかし、何でこんなに俺等のとこは人数少ないんだァ?」

「何、簡単な理屈さ。『蒼い月』はダメな奴が多いからね。切磋琢磨するような真面目な人間が少ないもんだから、Cランク以上のギルドメンバーが殆ど居ないんだよ」


 やはりいつの間にかヴィショップ達から離れ、ビルとカフスに警戒心剥き出しの眼差しを向けられているにも関わらず、実に楽しげな表情でアンジェと会話するレズノフと、同じく二人の視線に気付いていないのか笑顔を浮かべながら迷惑そうな雰囲気など微塵も発さずに応対する、アンジェ。


「それに、あいつ等の存在もあるだろうな」


 そう言ってアンジェが視線を向けた先には、城門の近くに腰掛けて武器の手入れをしているウォーマッド兄弟が居た。


「そんなに有名なのか?」

「有名なんてもんじゃないさ。特に『蒼い月』の中ではな。あいつ等は、賄賂でギルドランクを上げる奴が多い『蒼い月』の中で、実力だけで今のランクにまで伸し上がった。それに加え、たびたび事件を起こしては、その全てを力技でねじ伏せてきている。『蒼い月』の人間にとっては、英雄みたいな存在だよ」


 そう語るアンジェの表情は、話の内容とは裏腹に一ミクロの憧れも浮かんでいなかった。代わりに浮かんでいたのは侮蔑、そして増悪に近い何かだった。

 すると、その表情を見たレズノフが、意地の悪い笑みを浮かべながらアンジェに問いかける。


「じゃあ、アンタはどっちなんだ?賄賂でのし上がったクチか?それとも実力で?」

「ッ!貴様…!」


 レズノフがその問いを発した瞬間、アンジェの後ろに控えていたカフスがレズノフに殺気を含んだ視線を向ける。かといって殺気はカフスだけが出している訳でもなく、少し視線をずらせば、言葉こそ発していないもののビルも似たような視線を向けていた。

 殺気を出していないのはアンジェだけだが、かといって平然としている訳ではなく、その美貌が僅かながら悔しげに歪んでいた。


「止めろ、二人共。ただ質問されただけだ」

「しかし…!」

「くどいぞ。今の立ち位置を考えれば、当然の質問だ。一々目くじらを立てるな」

「…分かりました」


 アンジェに諭されて、二人は視線はそのままに、殺気だけを引っ込める。

 二人の殺気が消えたのを確認すると、アンジェが溜め息を吐きながらレズノフに謝罪の言葉を述べた。


「すまない。不快な思いをさせてしまった」

「いやァ、きにしなさんな。殺気を向けられるなんて慣れてるからよ。ヒャハハハハ!」

「そ、そうか。それは良かった」


 レズノフの下卑た笑い方に若干顔を引き吊らせながらも、アンジェは、レズノフが殺気を向けられたことを気に留めていないのを知って、安堵する。


(取り敢えず、ジイサンが喜びそうな話ができたなァ…)


 もっとも、肝心のレズノフ自体は気に留めないどころか、殺気を向けられたことに対しては微塵の興味すら抱いていない有り様だったが。


「でもまァ、取り敢えずはアンタ等が賄賂でのし上がった人種じゃない、ってことは分かったわな。てことは、実力で上がってきたのか?」


 ヴィショップに対する土産話ができた、と漠然と考えつつ、レズノフは話を元の軌道に戻す。


「いや、実を言うと違うんだ。私達は元々別のギルドに所属していたんだ。だが…色々あって『蒼い月』に移ることになったんだ。今のランクは前に所属していたギルドでの実績を加味された結果だ」


 質問の結果、返ってきた答えは予想とは違うもの。レズノフは少し意外そうな表情を浮かべる。


「ヘェ、ギルドの所属なんて、変えられるのか」

「所属しているギルドと変更先のギルド、双方の承認が必要だがな」

「ふゥん。それで今のランクは?」

「B3だ。因みに後ろの二人もな」

「ヘェ、結構やるのな。そういや、何で所属を変えたんだァ?」

「それは…」


 レズノフの質問がアンジェ達の過去へと及ぶと、途端にアンジェの口が重くなる。 その態度だけで、彼女達の過去に“何か”があったのは明白てあった。

 だが、その質問をぶつけているのは他でもないレズノフである。戦争犯罪人として世界各地で暴虐の限りを尽くし、大国二ヶ国から命を狙われるまでに至った男。そんな彼が、デリカシーなんてものの為に自分が興味を抱いているものを諦める訳がなかった。


「それは…?」

「……済まない。あまり話したくないんだ」

「何だよ、別に構わねェだろ?俺、口堅いし」

「いや、そういう問題では…」

「なぁ、いいだろ、別に。減るモンでもねェしよォ?」

「意外としつこいな、君…。とにかく、話したくないんだ、勘弁して欲しい」

「ここまで聞いたら、気になっちまうだろ?なァ、頼むよ…」


 いくら言っても引き下がろうとしないレズノフに、とうとう痺れを切らしたアンジェの後ろの二人が止めに入ろうとした、丁度その時だった。


『時間だ!全員移動するぞ!』


 まるで拡声器でも使ったかのような大声が響き渡り、出発の時間になったことを集まった人々に教える。


「あっと、そういう訳だ。また後で会おう」

「ハッ?ち、ちょっと待てよ…」


 それを好機と見たのかアンジェは強引に話を中断し、そそくさと、開かれた街の外に出る扉に向かって歩き始める人々の群れの中に紛れ込んでしまう。

 慌ててレズノフは引き止めようとするが、それは背後から伸びてきた腕によって阻止されてしまった。


「オイ、原人。俺達も行くぞ」

「おっ、ジイサンか。よく俺の背後が取れたな…じゃなくて、ちょっと待ってくれよ。今いいところ…」

「寝言言ってんじゃねぇよ。お前のネアンデルターリアンジョークに興味はねぇんだ」

「オ、オイ、ちょっと待てって…ヘイ、ネェちゃん!また後でお話ししようぜ!」


 そして大声で叫び声を上げながら、“不幸”なことにレズノフは、アンジェ達が紛れ込んだのとは別の一団に向かって引きずられていった。

 呆れ顔を浮かべるヴィショップによって。

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