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まどろむ愚者のD世界  作者: ぱらっぱらっぱ
第5章 軍勢の愚帝(後編)
73/113

第2部 第13話 天使とクライマックス

描写の一部に性的、かつグロテスクな表現があります。ご注意ください。

 





「いって……」


 アンジェルの一撃を受けた康太郎は、キャスリンの居城の一室に飛ばされ、石つくりの天井を眺めていた。


「そういえば、アンジェルの攻撃をまともに受けたのは、これが初めてだな……と!」


 康太郎は何かに気づき、すぐさま起き上がって、腕を前方にクロスさせて踏み出し、壁を突き破って外へ出た。

 一瞬遅れて康太郎のいた部屋に石の尖塔が部屋中に生えた。

 アンジェルの魔法だ。固有秩序ほど特化した性能はない魔法だが、アンジェルクラスの使い手ともなれば、

 

「アンジェルにはこれがあるんだったな。距離が離れても油断できな――ぐがっ!」


 突如城の壁から腕が伸びてきて(・・・・・・・)康太郎の顔を掴んだ。 


「うあっ、んっのおお!」 


 康太郎は腕を引き剥がそうとするも、顔をガッチリと掴んで放さない。

 腕は康太郎を軽々と持ち上げると、左右に振って勢いをつけて城の壁へ押し付けた。


「ぐ、ああああああっ」


 腕の動きは止まらない。そのまま壁をぶち抜き、城の中壁が次々破壊されていく。

 広く開けた庭園まで出ると、今度は腕が天高く伸び、


(潰れよ!!)


 伸びた腕のしなやかさで生まれる加速に重力を加味した重力落としで、康太郎は地面へと叩きつけられた。

 ただの人間の身であれば、激突時のインパクトで身体がつぶれ、血と脳しょうを撒き散らし、全身の骨が粉々に砕けていたであろう。


 だが、そうまであってなお、康太郎は生きていた。

 D世界に来たころの康太郎であれば、この一撃で死んでいた。

 人間の耐久性能を超えた攻撃を想定できていなかったからだ。

 覚悟を決め、想定すれば、康太郎の理力はそのとおりに身体を頑健にする。

 もっともだからといって無敵の身体を得られるかといえばそうではない。痛覚はしっかりと機能しているし、ダメージもとおっている。

 そもそも人間が許容できる痛みなど高が知れているのだから、生きていて、戦闘が続行可能というだけで、康太郎にとっては大きな進歩だった。


 腕はようやく康太郎を離した。伸びた腕が収縮し、持ち主の元へ戻った。


「っんの野郎!!」


 康太郎は勢いよく跳ね起きて、天高く舞い上がった。


「奔れ、ファランクス!」

 

 腕の一振りで弾幕を形成。康太郎は地上に向けて破壊の雨を解き放つ。


(芸が増えたな!)


 アンジェルも飛翔し、空へと上がり、弾幕の中へと突撃した。

 

(しゃらくさい!)


 アンジェルは右腕から純粋魔力による破壊光線を薙ぎ払う様に撃ち、康太郎のファランクスを迎撃した。


(これで終わりか、ココノエ)


「まさか」


 康太郎は、知覚を強化、時間の流れが遅延していく。


「行くぞ」


 天を踏み込み、大気が破裂する。


――天式無拍子。


 初速が最高速、一踏みで瞬間最大攻撃力へ到達した拳がアンジェルに向かう。

 反応すら困難な一撃は、


(かあっ!!)


 しかしアンジェルは追従して見せた。

 康太郎のパンチを手の平で受け、払い流した。


「無拍子にもついてくるか!?」


 アンジェルはすかさず蹴りを返す。

 康太郎は鞭のようにしなる蹴りを右腕で受け止める。


「くっ」


 しかしガード越しにもダメージは通る。

 アンジェルの連撃は続く。

 康太郎も拳には拳で、蹴りには蹴りで迎え撃った。

 ぶつかり合うたびに空で轟音が鳴る。

 身体ごとぶつかり、額をこすり合わせる。

 たまらず二人は身体を離して距離を置いた。


(おお、目論見どおりであるが、お主の動きについていけるし、力も負けてはおらんな)


 アンジェルは自らの仕上がりに感心していた。


「くそ、腕が伸びるって、一体何処のインド人か、人造人間だ。というか詐欺だろ。人間の姿とってるくせに」


 アンジェルは悔しげに睨みつける康太郎を口元に手を当て、愉快そうに笑った。


(この姿は、お主に対抗するためのもの。お主との戦いから学んだことだが、お主ほどの疾さには、我の本来の身体は中途半端に大きすぎる。鈍重すぎるのだな。故に我は思考し、至った。小さな形に力をまとめてはどうかとな) 

 

 くるりとその場で見せつけるように一回転するアンジェル。紗蘭しゃらんと音が鳴り、魔力の燐光が、アンジェルを彩った。


(やり返すというのは存外に痛快なものだな)


「ちょっと当てられただけではしゃぐなよ」


 上機嫌なアンジェルにぴしゃりと冷たく康太郎は返した。しかしアンジェルは余裕の相好を変えない。


(ぷっ、くくく、以前よりも色が多いな、ココノエ。遠慮は要らんぞ。我はお主を喰わんとする身だ。お主には我を屠る権利がある)


「随分、有頂天だな。いくらなんでもおかしくないか。まだ操られてんじゃないのか」


(さてなあ、これがお主たちが言うところの熱に浮かされるというものかもな。さて、続けようぞココノエ)


 アンジェルの腕から炎が伸びて、康太郎に迫った。


「抜くぞ、五条」


 康太郎は腰の鞘から斬守刀・五条を抜き放ち、炎を斬った。

 斬撃の概念を体現する五条は、炎の存在そのものを斬り崩し、炎を霧散させた。

 康太郎は刃をアンジェルに向け構えなおした。

 

「この切っ先、触れれば斬れるぞ」


(面白い玩具よな)


おとこの半生を背負った刀だ、玩具といって馬鹿にしてると」


 康太郎は切っ先を天に向けた。


「痛い目見るぞ――蒼月(そうげつ)!」


 五条の刀身を芯に長大な蒼い光の刃――蒼月乃太刀が生まれる。


「真っ向、唐竹ぇ!!」


 一気呵成に振り下ろされた刃を舞うようにアンジェルは避けた。

 振り下ろした風圧で植えられた植物が吹き飛び、土埃が舞い上がる。

 康太郎は蒼月乃太刀を横に薙ぐ。アンジェルが真っ二つに切り裂かれた。


「えっ」


 あっけない幕切れに言葉を漏らす康太郎。

 しかし、斬られたアンジェルの姿にノイズのようなざらつきが起きて消え去った。

 デコイだ。

 魔力で生み出した質量と存在感を持つ虚像とアンジェルが入れ替わっていたのだ。

 本物のアンジェルは康太郎の後方より迫っていた。

 康太郎は蒼月乃太刀を解除、元の刃で迎え撃つ。

 神速で振るわれる刃が、空を泳ぎ至近距離まで迫ったアンジェルのガードした片腕を斬り飛ばした。

 だが、アンジェルは止まらない。


(かあっ!)

「このっ!」 


 斬り返す刃は空を切り、康太郎はアンジェルの接近を許した。

 アンジェルの手が康太郎の肩に軽く触れた。


(凍れ)


 一言命じるだけで、アンジェルの魔力が浸透し、康太郎の半身が凍っていく。


「うああああっ」


(取ったぞ)


 アンジェルの手刀が、凍って動けない康太郎の腕を切り飛ばした。


(まずは腕一本、貰い受ける)


 痛みは存外なかった。凍らされていて、麻痺でもしていたのか。

 だがその喪失は康太郎の肉体以上に精神に痛恨のダメージを与えた。思考が一時的に出来なくなり、真っ白な空白が生まれた。

 奪われたのは左腕、刀を振るっていた軸の腕だ。

 五条が零れ落ちるように康太郎の手から離れて、大地に突き刺さった。

 一方で、康太郎が斬ったアンジェルの腕は既に再生されていた。

 アンジェルが奪った腕を撫でると、凍結が解除された。

 アンジェルは戦利品を見せびらかすように掲げ、そして豪快に喰らいついた。

 

 骨も肉もかまわず噛み砕く。アンジェルの口周りが血で彩られた。

 

 隙だらけだったが、しかし康太郎は手を出せなかった。

 心が呆けていたのだ。

 そしてアンジェルは、康太郎の腕一本を丸ごと平らげ、舌で、口周りの血も舐め取った。


(ああ、やはり、お主は最高だ。魂が奮える。そも、想樹から離れるはずのなかった我がここにいるのも本来であればありえない。それはあの人の子が原因だが、それも突き詰めればお主に行き着く。お主は、我の運命を動かしているのかもな)


 アンジェルは愉悦にまみれていた。康太郎の腕を喰らったからか、存在感が一層強くなり、魔力が燐光となって漏れ出している。

 一方で康太郎の表情からはあらゆる感情が消えていた。

 空の上で立ち尽くしていた。

 

(どうした、ココノエ、何を呆けておる)


「…………え」


 アンジェルの言葉にも康太郎の反応は鈍い。


 アンジェルは歯噛みした。名を認めた相手が、この程度で崩れるのかと。何より、目の前に自分がいるのに、呆けているのが気に入らない。


 アンジェルは、康太郎の真似をして、空を蹴った。

 無拍子ほどではないが、その一歩前くらいの速さで康太郎の眼前に躍り出た。


 そして康太郎の頬を精一杯の力ではたいた。

 常人ならば頭がねじ切れていたであろう一発。

 アンジェルは返す手でもう一発、反対側の頬をはたいた。

 

 康太郎は避けることもせず、ただ受ける側だった。目に星が散って、瞬間的に気を失い、けれどもじんじんと、まるでにじむような痛みに意識を取り戻す。


(目は覚めたか、ココノエ)


 目が合う。康太郎の焦点の合わない蒼の目と、アンジェルの康太郎を見据える金の目が。


「うん、覚めた」


 康太郎は答えた。焦点は定まり、目に力が戻った。

 寄りかかるように康太郎はアンジェルに身体を預け、その胸をわしづかみにした。

 アンジェルは、甘い声一つも上げない。それはそうだ、その身は化けているだけで、本来は巨大な蛇なのだから。


 だから遠慮なく。恨むなら、無駄に女性体の肉体を再現した、己を恨めと思いながら。


 康太郎は、無駄に豊かなアンジェルの乳房を、ちぎった(・・・・)





~~~~~~

~~~~~~


 

 ちぎった乳房は、特に血がついていることもなく。ただ柔らかいだけだった。

 少しして、乳房だったものは紫色のゼリー状のものへと変化した。

 

 康太郎は意趣返しのつもりで、それを口に含んだ。 

 とても甘かった。

 弾力があって、噛めば噛むほど味が出る。

 くちゃくちゃと音を鳴らし、口いっぱいで味わい、飲み干した。


 そして一言。


「うまいな」


 

~~~~~~

~~~~~~


 

(うう、ぐうっ……!)


 ちぎられた胸を押さえてアンジェルは痛みに喘いだ。

 しかし所詮は魔力体だ。魔力を補充すれば。すぐに再生する。

 そこでアンジェルは、先の展開を反省し、両の胸を小さく平らにした。大平原だ。



 純粋魔力となったちぎられた肉体を咀嚼し終えた康太郎が、アンジェルに向き直った。

 表情は凍ったままだが、感じる理力の波長は心地よい。

 どうやら康太郎は、調子を取り戻しようだ。

 そう来なくては。それでこそ、アンジェルが認めた人の子なのだから。


 アンジェルは、空を蹴って躍り出た。






~~~~~~

~~~~~~





 康太郎は、思い直していた。何かのために戦う、スタートはそこでいい。動機はあってしかるべきだ。

 だが一度戦い始めたのなら、あとは戦いだけに集中するべきだ。それ以外の感情は余分だし、それは身体も頭も鈍らせる。激しく内省。反省したところで今後もそうした感情にとらわれることもあるのだろうが。


 戦力分析。アンジェルは変わった。驕りもなく、油断もなく、自らの力を洗練させ、康太郎にリベンジマッチを挑んできた。

 魔法は殆ど補助的な使い方。むやみに振り回すことはしない。

 人間大の身体に王種の力を凝縮させただけだというのに、体感する戦闘力の違いは圧倒的だ。

 相性、といえばそれまでだが、アンジェル自身、己を鍛えたのかもしれない。

 そして、想樹がそばにない。想樹が無く、何の縛りも無い、今こそが世界蛇アンジェルの本領であるということ。

 

 ならば――こちらも、それ(・・)にあわせるというだけのこと。

 

 左腕の損失は大きい。左右のバランスがおかしい。

 ならば、その崩れたバランスを加味してイメージすればいいということ。

 冴え渡る思考が、今の自分の、アンジェルを打倒しうる姿を思い描く。

 あとはそれに追いつくだけ。

 

 康太郎は空を蹴って躍り出た。





~~~~~~

~~~~~~


 


 アンジェルの手から炎が伸びる。拳の延長だ。リーチの差はいかんともしがたい。

 康太郎は、背負った樹殻棍を手に取り、炎を振り払う。

 そこから返しの突きの連打。

 絶対不壊の長棍が、突きを捌ききれなかったアンジェルのわき腹を抉った。

 

(ちぃ!!)


 わき腹を抉った程度で、連打は終わらない。そのまま、アンジェルを穴だらけにするために、康太郎は、連打を続ける。

 

(ふっ)


 無数の突きの内の一つをアンジェルは選び取り、樹殻棍を腕と脇で抱え込み、動きを抑えた。

 そして身体をねじって、樹殻棍を康太郎から奪い取る。

 

「うわ」


 康太郎は思わず声を漏らした。

 武器が奪われる一連の流れが鮮やかだったのだ。


(ほう……いい形だな。これが想樹の外殻を整えたものか)


 クルクルと軽快に樹殻棍を振り回すアンジェルが最後にびしっと棍を構えた。


(馴染むぞ、この棒は)


 愛用の万能武具を奪われた、そこに思いが無いわけがない。

 だが、それならそれで。


 康太郎は、右の拳を掲げるようにして構えた。


――理力(オーダー)超加重圧縮(ヘビーヘビーコンプレッション)


天照らす無限光(アインソフオウル)右手に宿れ(ハンディ)……終わりにしよう、アンジェル」


 アイン・ソフ・オウルを放つだけのエネルギーを、右手に<装填>した、ただそれだけのこと。


 

――天式無拍子・八百万。



 限りなく零に近い時の中で、二人の王が激突した。

 アンジェルが突く、康太郎が弾く。

 康太郎が打ち込む、アンジェルが払う。

 アンジェルが打ち据える、康太郎が打ち返す。

 

 左腕が無いのがもどかしい。だから、康太郎は、左腕の分もと、右腕を乱打する。


 二人は今、同じ時間にいた。康太郎の八百万にアンジェルは追従していた。


「あは」


(くは)

 

 二人から思わず笑みがこぼれた。

 一方は、一度は命を奪った、D世界最初の友である相手を思った。

 一方は、矮小な身で王と対等に話をしてくる愚か者を思った。


 二人の戦いに本来、理由は無い。

 ただ、アンジェルにとって、今回はたまたま都合が良かっただけだ。想樹から離れているから遠慮が要らない、前から万全の状態で雌雄を決しようと思っていたし、もう一度喰らってみたいと思っていた。

 康太郎にとっては、いい迷惑極まりない話だ。

 それでも、手がかりを潰されると脅されれば応じるしかない。

 そんな理由で始まった戦いも、いよいよ終幕を迎えようとしていた。


 康太郎のイメージが、加速し、あえぎ、もっともっとと康太郎自身をせっつく。

 もっと速く、もっと強く、もっと鋭くと。

  

 アンジェルの動きが遅くなる。否、康太郎が置き去りにする。


 康太郎が樹殻棍を掴み、アンジェルから引き剥がした。

 だが、今は邪魔とばかりに放り捨てた。

 アンジェルが抵抗して伸ばしてきた腕を康太郎は弾き飛ばした。

 

 そして。彼我の距離の差が、康太郎の射程距離に入って。


 康太郎の伸ばした手刀が、アンジェルの胸元に突き刺さった。


 

「俺の、勝ちだ」


 康太郎は言い切った。


(ああ、我の負けだ)


 アンジェルが、渋々認めた。


「気は、済んだか」


(さて、どうだか)


「ケジメはつけるぞ」


(かまわん、これよりは、お前が王だ。許す)


「そんなのお断りだ。面倒だ」


(つれないな……我が、友よ)


「お前みたいに立派じゃないからな、俺は」


 言って、康太郎は気を引き締めた。幕を引くために。


「俺はお前を踏み越えて――」


 康太郎は、右腕に意識を集中させる。溜め込んだ力を一気に解放させるために。


「この道の先を往く――アイン・ソフ・オウル、リリース」


 瞬間、蒼い光がアンジェルの首から下をかき消した。










~~~~~~

~~~~~~






「くそ、左腕無くしちまった……うわ、今頃になって泣けてきた」


 康太郎は地に下りて、アルティリアたちと合流すべく歩いていた。


(はん、何を言うか。我など、こんな大きさになってしまったぞ。だいたいお主は、魂を物質化できるであろう。左腕などすぐに生やせる)


 今のアンジェルは小さな手乗りサイズの蛇になって、康太郎の首筋にまきついていた。

 王種がマスコットになっていた。


「はっ、なにそれ、初耳なんですけど」


(何を言う。そもそもお前は、我に食われた後にだな……おい、ココノエ)


「嘘、だろ――」 


 康太郎が城から外れた森の中、ようやく見つけた仲間の姿――。


 シンは気を失って倒れていた。


 アルティリアは姿形もなかった。


 そして、キャスリンは、胸から血を零して絶命していた。


「なんだよ、これ」


 康太郎はキャスリンに駆け寄った。

 

「なんだよ、これ」


 同じ言葉を繰り返す。


 状況がまるでつかめない。アルティリアがいないのならば、この状況を作り出したのは彼女?

 しかし、アルティリアがそんなことをするメリットが見当たらず……多少不満げではあったが、殺すほどではなかったはず。彼女がキャスリンとの因縁が最も浅いのだから。


 ふと、キャスリンの手が一枚のカードを握っていることに気づいた。

 康太郎は、それをキャスリンの手から剥ぎ取った。

 若干引っかかったことに、康太郎の気持ちがはやった。


 なんの変哲も無い、真っ白なカード。そこに書かれていたのは。


―――アルティリア嬢は、帝国にてお預かりしました。  帝国特殊諜報部隊参番星・人形遣い(ドールマスター)、ナビィ=レイル。


「はは……」


 漏れたのは乾いた笑み。

 帝国特殊諜報部隊。さて、いつか、どこかできいたことのある言葉だったか。


 

 そこで康太郎は、前のめりに倒れ、意識を失った。









感想・評価など、お待ちしております。


ぽちっと気軽に押してもらえると、作者のモチベーションがぐんと上がります。

よろしくお願いします。



次回にて、第5章最終話になります。


:アンケートご協力ありがとうございました。第5章終了後にショートショートを掲載予定です。

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