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約束の指きり  作者: りょう
番外編2 春香の日記
62/62

約束は時を経て

約束の指きり 一周年特別番外編

約束は時を経て

1

三年前のあの夏を思い出す。

僕はある少女と出会った。

名前は桐島春香

その少女はとても可愛らしくて、僕は一瞬で恋に落ちてしまった。

それと同じ頃に、僕と親友である健と由紀は、とある不思議な夢を見ていた。夢の中で一人佇む少女。彼女は僕達に何かを伝えようとしているが、それが全く伝わってこずとても不思議な夢だった。

「なあ拓、そういえばそろそろあの時期じゃねえか?」

「そう言えばそうだったね」

「忘れてたのかお前」

「そういう訳じゃないんだけどさ」

「だったら何だよ」

「あの頃を思い出すと、どうしても切なくなっちゃうんだよ」

「そうよね。私も拓の気持ち分かる」

「それに関しては俺も同感だ」

「だよね…」

春香と接していく内に、僕の気持ちはますます膨れ上がっていった。でもその気持ちさえも壊してしまうある事実が判明する。それは…

「私は、本当は二年前に死んでるの、交通事故で。中学校に入学して新しい友達が出来ると思っていたのに…楽しい生活が待っていると信じてたのに…」

春香は既に死んでいたという、耐え難い真実。それを受け止められるだけの器は僕の心にはなかった。だから健達に話す事が出来ず、対立してしまいしばらく三人の間に亀裂が入った事もあった。

「二人はもう一度会いたいと思う? 春香に」

「当たり前だろ。本当はもっと一緒にいたかったのに、こんな悲しい別れ方は嫌だろ」

「私だって会いたいよ。でもそれは、もう叶わないんだよね」

「うん」

だって彼女は既にこの世に存在しない人間なのだから。

2

今日は雨だった。梅雨の季節というせいでもあるからだろうか、ここ最近は雨ばかりが続いている。

(あの日もこんな土砂降りの雨だったな…)

あの日とは僕と春香が初めて出会った日。近所の公園で一人うずくまる少女をぼくが発見したのがキッカケだった。

(あれ? 何で僕また公園に来てるんだろう)

春香が居るはずもないと分かっているのに、僕はなぜかまたあの公園に来ていた。

(ん?)

公園を眺めていると、アスレチックの下に一つの影を発見する。誰だろう、こんな雨の日に。

影は僕の気配に気づいたのか、こちらに顔を向ける。影は女の子だった。一瞬目が合ってしまう。

「え?」

その瞬間、僕は思わず声を出してしまう。その少女の顔に僕は見覚えがあったからだ。

「はる…か?」

傘が手から落ちる。

「拓、また会えた…」

少女は僕の名前を呼ぶ。間違いない春香だ。

「ど、どうして…」

「分からない。拓に会いたいって願ったら、叶っちゃった」

「叶っちゃったって…」

僕の目からは大量の涙が溢れ出す。

「ちゃんと約束守れたよ。拓」

「春香!」

僕は彼女の元に走り出す。

空はいつの間にか晴れていて、二人の再会を祝していた。

「ただいま、拓」

To be continued next story

という訳で、一日早いですが約束の指きりが一周年を迎えたので、その後を書かせていただきました

丁度今日でサイトデビューして一周年でもあるんで、丁度いいタイミングかと思います

では今後もりょうをよろしくお願いします


もしかしたらこれの続編作るかもね

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