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約束の指きり  作者: りょう
最終章後編(2) 最後は笑顔で
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第49話

第49話 ずっと聞きたかった言葉


「僕は、これから何があっても由紀をずっと好きでいようと思うんだ。」

「え?」

拓から発せられたずっと聞きたかった言葉。私を好きでいてくれるって言葉。それがどれだけ嬉しいのか、簡単には言葉で現せない。

「僕はずっと迷っていたんだ。ずっと好きって言ってくれる由紀と、もう居なくなってしまう春香を選ぶか。普通なら前者なんだけど、春香への気持ちを引きずったまま由紀を好きでいられるか不安だった。でも、その迷いも今日でさよならする事にしたんだ。」

拓がずっと迷っていたのは、誰もが知っている事。でも、どうして今日になって消えたのか、私にはさっぱり分からなかった。もしかしたらと思うけど、それは敢えて口に出さない。でも・・。

「由紀、泣いているけどどうしたの?」

すごく嬉しい。涙が出てしまうほど嬉しい。小学校からの想いが今叶ってすごく嬉しい。拓が私だけを好きって言ってくれてすごく嬉しい。何もかもすべてが嬉しい・・。

「拓・・、ありがとう。」

心配そうにこちらを見ている彼に、私は笑顔でそう言った。

・・・・・・

缶蹴りはその後一時間ほど続き、時間は二時を過ぎてしまった。

「はぁ、疲れた。」

「うん。」

みんな本気で缶蹴りをしたため、終わった頃にはみんなヘトヘトの状態になっていた。

「やべ、もう二時半近くじゃん。誰だよ缶蹴りやろうって言ったの。」

「それはあんたでしょうが。」

みんな笑う。ただ一人を除いて・・。

「どうしたの春香?」

「もう三十分しかないよね・・。」

彼女の言葉に全員が黙ってしまう。それは紛れもない事実だから、誰も口に出そうとはしなかった。でも、時間が近づいてきてしまったせいで、考えないようにしていた事が再び出てきてしまう。

「は、春香、まだ時間があるんだかそんな言う事言うなよ。な?」

「健、それは無理な話だと思うよ。だって、時間が無いのは事実なんだよ。」

「それは・・。」

春香は相変わらず黙っている。このままだと、時間が本当に無駄になってしまう。どうすれば・・。

「あ、そう言えば二人とも、あれ用意してきてくれた?」

「おっと、忘れてた。」

「そうよ。あれがあったわ。」

「?」

春香だけが頭に?を浮かべている。ちょっと早い気がするけど、やる事がないなら今しかない気がする。二人もどうにかしないといけないと考えていたらしく、慌ててポケットを探した。そこから取り出したもの、それは・・。

「僕達がそれぞれ、春香に手紙を書いてきたんだけど、聞いてくれる?」

「え?手紙?」

春香へ送る最後の手紙だった。

第50話へ続く


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