第48話
第48話 隠せない寂しさと僕の答え
時間が一時を過ぎた頃、いつもの公園に僕達四人は集まった。こうして集まれるのも今日が最後・・。
「遅かったじゃねえか二人とも。」
「十分も遅刻しているわよ。」
「ごめんごめん。」
「ごめんなさい。」
普段とまったく変わらない調子で、普段通りの会話をする僕達。まるで、この後に待つ別れを感じさせないような自然な会話だった。でも・・。
「さてと、これで役者が全員揃ったわけだが・・。どうするんだこれから?」
「どうするも何も、ここから移動するわけにはいかないし、普通に話でもする?」
「と言われてもな・・。」
やっぱりみんな寂しいという気持ちが隠しきれているわけではなかった。由紀と春香は黙っているし、健もどこか落ち着かない様子だった。
「ま、まあ。とにかく、時間はまだ少しだけあるんだし、何かしようよ。あんまり暗すぎると・・。」
「暗すぎると?」
「あ、いや何でもない・・。と、とにかく何かしよう。」
「あ、ああ。」
本当は暗すぎると、寂しい気持ちが隠せないと言おうとしたが、それはあまりにも野暮だった。みんな同じ気持ちなのに、そんな事が言えるわけない。
(何当たり前の事を言おうとしているんだろう、僕・・。)
ただ何もしない静かな時間だけが流れていく・・。
「って、駄目だろ!何でみんな黙ってるんだよ。」
「拓・・。」
こういう時、何かと健は場を盛り上げてくれるな・・。
「もういい、今たまたま思いついたから、缶蹴りするぞ!」
「え?缶蹴り?」
発想が子供だけど。
・・・・・・
特にこれと言った案が無いので、僕達は少しの時間缶蹴りをする事になった。鬼は言い出しっぺの健。人数が少ない事もあってか、僕達三人は協力してあの缶を蹴るという作戦になった。
「春香が健を引きつけている間に、僕達が一気に攻めるからね。」
「うん。」
僕が考えた作戦は、春香が健を誘導している間に僕達が蹴るという至ってシンプルな作戦。草むらから様子をみるが、まだ動き出していないようだ。
「ねえ由紀。」
「何?」
「由紀はまだ僕の事が好き?」
「な、な、な、何を急に言い出すの、よ。」
せっかく二人きりになったので、僕が尋ねると由紀はびっくりして言葉が変になっていた。
「いや、僕一つ決めた事があるから聞いたんだけど・・。」
「決めた事?」
「うん。」
僕は先程の春香の言葉が背中を押してくれたおかげで、素直な気持ちを伝えられそうな気がしたから、一つ間を開けてこう言った。
「僕、これから何があっても由紀をずっと好きでいようと思うんだ。」
「え・・?」
第49話へ続く




