第46話
第46話 止まらない時
結局、ウォータースライダーで酷い目に合わされた僕は(以前にも似たような事があったような・・)、既に疲れきってしまった。
「どうしたの拓?どんどん次へ行こうよ!」
「うん・・。」
「ちょっと、せっかく遊びに来たんだから、楽しまなきゃダメじゃない。まさか、ウォータースライダーで酔ったの?」
「そんな事はないと・・思う。」
「じゃあもう一回ウォータースライダー乗ろう。」
「鬼かあんたは。」
「よし、行こう!」
「え、冗談じゃなかったのー。」
僕はこの後三回ウォータースライダーに乗せられる羽目になりました(泣)
・・・・・
魔のウォータースライダー縛りから抜け出した後は、普通に流れるプールに入ったりしたりして、残りの時間を余す事なく利用した。そして・・。
「あれ?もうこんな時間だ。」
気が付けば時計は十二時を回っていた。
「本当だね。もう時間が・・。」
そう言う春香はすごく寂しそうだった。あと三時間後には、春香は僕の側から居なくなってしまう。いくら止まれって願っても止まる事のない時間。止められない現実・・。
「春香、そろそろ出ようか・・。」
「え?私もう少しだけ居たいよ。」
「気持ちは分かるけど、健と由紀の事を考えると、長く居るわけにはいかないよ。」
「嫌よ、まだじかんはあるからもっと拓と遊んでいたいよ。」
「わがまま・・言わないでよ。」
「どうして?健や由紀ちゃんよりも拓と二人きりで、もっと長くいたい!」
ついには春香は泣き出してしまう。気持ちは分かる。分かるけど・・。
「僕だって春香と二人きりでもう少しいたいよ。でも、健や由紀だって同じ気持ちだよ。もっと春香と一緒に居たいって気持ちは、みんな一緒なんだよ。」
「みんな一緒?」
「そう。だからさ、帰ろう。そして、健と由紀に会いに行こう。四人で最後の時間を過ごそう!」
「・・うん。」
涙を必死に拭ったあと、彼女は笑顔でそう答えた。
・・・・・
何とか春香の説得に成功した僕は、健と由紀に連絡を取り、一時に公園で会う約束をした。
「じゃあ行こう。」
僕は春香の手を握り、歩き出した。
「ねえ拓、一つだけ聞きたい事があるんだけど・・。」
けど、春香は歩き出そうとはせずに、立ち止まったままそう言葉を発した。
「聞きたい事?」
「うん。」
少し間を開け、春香は次の事を僕に聞いてきた。
「拓は私が居なくなったら、由紀ちゃんと付き合うの?」
「え?」
第47話へ続く




