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約束の指きり  作者: りょう
最終章前編(2) 春香と二人きりの日 由紀編
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第42話

第42話 私の代わりに


「春香ちゃん、風呂できたから入っていいよ。」

「うん。」

どうしても春香ちゃんと話したかった私は、彼女を自分の家に泊める事にした。突然の提案に彼女は多少戸惑っていたけど、了承してくれた。

「はぁ。」

思わずため息を漏らしてしまう。彼女と話したいから泊めたものの、時間が止まる事はない。それは当たり前の事。明日になれば別れがやって来る。少しだけ彼女と過ごす時間が延びただけで、何も変わる事はない。

「春香ちゃんがどれだけ拓の事が好きなのか分かっているからこそ、消えてほしくないのが本音なんだけど、それも無理なんだよね・・。」

私は一人寂しく、春香ちゃんが風呂から出てくるのを待っていた。

(やけに静かな夜だな・・。)

・・・・・・

時計が十一時を回った頃、二人とも風呂を入り終え、あとは寝るだけになったのだけれど、簡単に眠るわけにはいかない。寝たら明日になってしまう。私は何か話題を探していると、彼女は布団に入りながら話しかけてきた。

「そういえばさっき聞き忘れちゃったんだけど、由紀ちゃんは私がいなくなった後、拓と付き合うの?」

それはあまりに唐突すぎる内容だった。春香ちゃんが居なくなった後に私が拓と・・。

「ど、どうしてそんな事聞くの?」

「私風呂に入りながらずっと考えていたの。私が居なくなった後、誰が拓の側に居るのかなって・・。でもその答えは簡単だった。私の他に拓が好きな人、つまり由紀ちゃんが側にいれば良いんじゃないかなってわ、」

「私が春香ちゃんの・・かわりに?」

「うん。」

そんな事一度も考えた事がなかった。確かに彼は少し前に、どちらが好きか選べないって言っていたし、私もどちらか一方が好きになるまで待つって決めた。でも、春香ちゃんが居なくなったからって、彼の気持ちはそう簡単に変わるわけがない。

「拓の側に居る事は出来るけど、付き合う事はないんじゃないかな。」

「どうして?由紀ちゃんは拓が好きなんでしょ。拓だってその事が分かっているんだよ。だったら・・。」

「それでも無理よ。拓は多分、春香ちゃんを忘れる事がないと思うもん。」

「何でそんな事が言えるのよ?」

「拓はずっと言っていなかったと思うけど、拓は春香ちゃんの事好きなのよ。好きな人を簡単に忘れられる訳ないでしょ?」

「え・・。」

この反応、やっぱり伝えていなかったんだ拓・・。

「拓が私の事を・・。」

今日は本当に静かな夜だった・・。

第43話へ続く




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