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約束の指きり  作者: りょう
6章 過去を乗り越えて
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第30話

第30話 瑞季の墓参り


という事で僕達は、初めて瑞希の墓参りにやって来た。

「何かさこう墓を見ると、嘘だと思っていた事は、やっぱり全部本当なんだな・・。」

「どういう意味?」

「今までは俺の中ではずっと、瑞希は生きていると信じていた。いつかひょっこり顔を出してくれるんじゃねえかって。でも、今こうして墓の前に立つと、やっぱり現実を見せられるわけで。ったく、俺も情けない人間になっちまったな。」

「健・・。」

墓を前にしてそう語る健の背中はどこか寂しそうだった。瑞希の事といい、今回の春香の事といい、彼は本当は精神的に参っているに違いない。それは僕も由紀も同じだ。小学校からずっと一緒だった僕達は、様々な壁を一緒に乗り越えてきた。だから、今回も三人で乗り越えられるはず・・。

「ねえ健。」

「何だ由紀?」

「私さっき思わず健に怒っちゃったでしょ?でもあれはね、もしかしたら自分自身に怒っていたのかもしれない。」

「どういう意味?」

墓の前でずっと手を合わせている健に代わって僕か尋ねる。

「さっきは過去を乗り越えたみたいな事を言っていたけど、あれは嘘なんじゃないかなって思って。乗り越えたと私自身が思っていても、本当は心のどこかてまだ気にしているんじゃないかなって。だから、そんな私に怒っているだけで、健に説教しているわけじゃなかったのかも。ごめんなさい。」

「・・。」

そんな由紀の言葉を聞いて僕は、みんな同じ境遇で生きているんだなと思った。それぞれ人には言えない過去を背負っている、もちろん僕にもある。だから、僕達が出会えたのはもしかしたら、不思議な力が僕達を同じ場所へと導いてくれたからなのかなって思った。まあそれは、今考えることじゃない。今はとりあえず、目の前の事だけを考えなきゃ。

「あのさ二人とも。」

「どうした拓?」

「何?」.

「確かに僕達は、人には言えない何かを抱えて生きているのかもしれない。けど、今僕達がすべき事は分かるよね?」

「ああ。当たり前だろ。」

「うん。今私達がする事は春香ちゃんの事だよね?」

「うん。夏休みも残り少なくなり始めたし、いつ春香が居なくなるか分からない。その為には、これから彼女に何かをして、常に笑顔で居てもらいたい。協力してくれるよね?」

「勿論。」

「当たり前でしょ。」

「じゃあ、あと一ヶ月とにかく頑張っていこう!」

「「おー!」」

瑞希へ

瑞希、君が居なくなってからだいぶ経ちますが、僕達三人は元気です。二度と会えないのはとても寂しいですが、どこかで見ていると信じています。だから、たまには幽霊でもいいので、姿を見せてくれると嬉しいです。まあ、それは無理かもしれませんが、墓の上にこの手紙を置いておきますので、どうか読んでください。ではでは。 拓より

第31話へ続く



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