第27話
第27話 初めての恋
「瑞季ちゃん、今日も一緒に遊ぼう。」
「うん。」
瑞季から僕達に話しかけてきたのがキッカケで、新しい仲間が増えた僕達は、仲良し四人組となって、今までよりさらに楽しい日常を過ごしていた。僕にとってはその毎日が本当に楽しくて、瑞季に会えるのを毎日楽しみにしていた。その感情は次第に変化しすていき、僕はいつの間にか彼女を好きになっていた。これが僕の初めての恋。恐らく健も・・。だから、こんな楽しい日々がいつまでも続けばいいと思っていた。いつまでも・・。
・・・・・
瑞季と僕らが出会って一年後、その想いは簡単に消し去られてしまう。
「いくぞ瑞季、おりゃあ。」
「ち、ちょっと。手加減してくれない健。私、女の子だよ。」
「キャッチボールに男も女も関係あるか!」
「あるよ~。」
その日も僕達はいつものように遊んでいた。健と瑞季はキャッチボール。僕と由紀はただそれを眺めていた。
「あの二人、もう少し静かにできないのかな・・。」
「無理よ、特に健は。」
「確かに。」
いつも通りの時間が、いつものように流れ続けていると、その時誰もがそう思っていた。けど・・。
「あ、やべえ。すっぽかした。」
たまたま健が投げた球は、変な所へ飛んで行ってしまった。
「私取りに行ってくる。」
そう言って瑞季は、遠くへ飛んで行った野球ボールをとりにいった。
「健、ちゃんと投げてあげないと瑞季ちゃんかわ大変じゃん。」
「悪い悪い、完全に手が滑って。」
「気をつけなさいよ。」
そんなやり取りをしながら、瑞希の帰りを待っていると・・。
ドーン
かなり大きい衝突音が近くの道路から聞こえた。
「何だ今の音は?」
「行ってみよう。」
タイミングがタイミングなので、嫌な予感がした僕達は慌てて音が聞こえた方へ行った。そこには・・。
「ウソ・・だろ?」
「そんな。」
「いやーー!」
そこには・・片手で野球ボールを持ったまま、血まみれで倒れている瑞季の姿があった・・。
・・・・・
「俺のせいだ・・。俺が・・。」
瑞季が運ばれた病院で、僕達は心ここにあらず状態だった。特に健はずっと自分のせいだと責め続けていた。まだ幼かった僕達は、彼に何の言葉をかければいいのか分からず、ただただ黙っていることしか出来なかった・・。そして・・。
「あんた、なんて事をしてくれたのよ!」
僕達は後からやってきた親にひどく説教されるが、そんなの一言も耳に入ってくる訳がなく、ただ瑞季の無事を願っていた。
第28話へ続く




