第24話
第24話 出会いと初めての告白
今から8年前、由紀の母親が引っ越してきたのを報告しに来た時、僕と由紀は出会った。
「今日からこの付近に引っ越してきた斉藤という者です。私にもお宅の息子さんと同じ年の子が居るのですが・・。ほら、由紀。こっちに来て、ちゃんと挨拶しなさい。」
当時恥ずかしがり屋だった僕にとって、初対面の人に会うのは本当に顔を見るだけでも恥ずかしいはずだったんだけれども、由紀だけは違った。母親の後ろからヒョコッと顔を出す彼女に一瞬で惹かれた僕は、自分から前に出て、彼女に挨拶をした。
「あ、あの。僕はか、柏崎、た、拓也です。」
僕のガチガチな挨拶に対して、一瞬だけ彼女は笑った後に挨拶を返した。
「わ、私、斉藤由紀。よ、よろしくね。」
これが由紀と僕の出会いである。
・・・・・
同じ小学校に入学した僕達は、すぐに近所に住んでいた健とも仲良くなり、毎日日が暮れるまで遊んでいた。本当にあの頃は楽しかったな・・。
月日は流れ、小学校六年生になったある日、由紀に僕一人だけ校舎裏に呼び出された。話があると・・。
「ごめんね突然呼び出して・・。健の前じゃ絶対に話せないから・・。」
何の用かと彼女に尋ねると、由紀は顔を赤くしながら僕にこう言った。
「わ、私ね・・。ずっと前から拓の事が好きなの。毎日一緒に居られるだけでも幸せで・・。だから、中学校でも小学校と変わらず側にいて欲しいの。」
それは、人生で初めての告白だった。その時の僕は、深く考えずにただ、
「うん。」
としか答えられなかったが、今になって考えると本当は由紀は、僕と友達以上になりたかったのかも知れない。そして僕自身も、波の・。
・・・・・
「僕達これからどうなるのかな・・。」
旅行から帰ってきてから一週間が経ったけど、未だに僕達の仲に亀裂が入ったままだった。このままだと、ずっと亀裂が入ったまま夏休みが終わってしまうかも知れない。それで良いのだろうか?いや、いい筈が無い。でもどうすれば・・。
『ブーッ、ブーッ。』
必死に答えを出そうとしていると、突然僕の携帯が鳴り響いた。
「誰だろ?」
携帯を開くと、着信名にはこう書かれていた
。
『由紀』
「由紀からだ・・。」
第25話へ続く




