表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
約束の指きり  作者: りょう
5章 夏休み~一泊二日旅行編~
24/62

第23話

第23話 初めて生じた亀裂


「さてと、拓。春香ちゃんは眠ったしそろそろ始めるか。」

「うん。」

あれから時間はあっという間に過ぎていき、時間は日付を越えていた。春香は既に眠っており、起きているのは僕と由紀と健だけ。目の前にはお茶が置かれ、準備は整った。

「まあ、時間も遅いことだし、単刀直入に言わせてもらう。お前はこの前から俺と由紀に何を隠している?」

「それは・・。」

ストレートな質問に僕は一瞬黙ってしまう。「拓、私この前も言ったと思うけれど、私達三人は小学校からの友達なのよ。今まで誰一人だって隠し事はしていなかった。でも拓は今、私達に隠し事をしている。本当は私、怒りたい所なんだけど、そこは我慢する。だから、どうしても言いにくい事かも知れないけど、話してくれる?ね?」

「由紀・・。」

やはり彼女の言葉は僕の背中を押してくれる。何て心強い。おかげで、僕は話しやすくなった。

「分かった・・。二人にちゃんと話すよ。この前から今日まであった事全てを。」

・・・・・

翌朝・・。

「おはよう、健、由紀。」

「・・・。」

「・・・。」

僕は完全に二人に無視されていた。その理由は勿論昨晩の事だけど、今は思いしたくない。

「どうしたの三人とも?旅行最後の日なのに、どうして空気が重いのよ。」

何も知らない春香は無理に明るく振舞っていたが、すぐに空気に飲まれてしまっていた。ただただ重々しい空気が流れ続け、別れる頃には誰も会話をしていなかった。

「じゃあ、また今度。」

いつ会うか分からないような挨拶をした後、それぞれの帰路について、予定よりかなり短くなった一泊二日旅行は終わりを告げた。僕はその帰り道、あの話をした事を後悔していた。初めて見た健の本気の怒り、由紀の涙・・。どれも見たくない物を見てしまった。こんな事何も知らない二人に突然話したら、絶対ショックがデカイと分かっていたのに、僕は話したんだ。ただの馬鹿だ僕は!最低だ!

「ごめん、健、由紀・・。本当にごめん。」

この旅行で僕達三人に、8年間の中で初めての亀裂が生じ、僕は得た物より失ったものの方が100倍大きかった。

第24話へ続く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ