第12話
第12話 僕だけが知っている事
それから数日、僕は由紀や健とは一切会話をしなかった。いや、したくなかったのだ。二人が知らない事を僕は知っている。そう考えるとどうも、話しづらい・・。
「なあ拓、由紀、ちょっといいか?」
そんな日々を破ったのが健だった。恐らく耐えられなくなったから、僕達にに話しかけてきてくれたのだろう。
「どうしたの健?」
「いや、最近どうも二人の様子が変だなって思って、俺もなかなか話しかけづらかったんだけと、何かあったのか?」
「いや特に何も無いけど。」
そう言って僕は誤魔化そうとしたが、健には簡単に見破られてしまった。
「嘘つくなよ、毎日のように話をしていたのに、急に会話がなくなるのはあまりに不自然だろ?俺は部活に行っていて、その場に居なかったから分からねえが、お前らの様子が明らかに変なのは俺だって分かるぞ。」
確かに健の言う通りだ。僕と由紀は席が隣だから、毎日のように会話をしていた。それが急になくなるのは誰がどう見ても不自然だろう。僕が何かを言おうと困っていると、ここで初めて由紀が口を開いた。
「私は拓に話しかけようとはしたけど、出来なかったの。話しかけないで欲しいってオーラが沢山出ていて・・。拓は数日前からずっと様子がおかしかった。何か私達に隠したているように見えて・・。」
「確かにお前、この間例の夢を見たかって俺達に聞いた時から様子が変だったよな。お前、何か隠してないか?」
「えっと、それは・・。」
いきなり核心をつくような事を言われた僕は何も答えられず、どうしていいか分からずにいた。もう限界かな・・。
「ねえ拓、何か隠している事があるなら話して。私達小学校からの親友でしょ?」
「由紀・・。」
由紀にそう言われて、限界が来た僕は全てを話そうとした。が・・。
「ま、その話は今度の旅行の時に聞くから良いか。」
「「え?」」
健のその発言に思わず僕達はハモってしまう。旅行?どういう事だ?
「あれ?どうしたんだ二人とも。」
「え、いや・・。今旅行って言った?」
「言ったけど。あれ?お前らにまだ話してなかったっけ?折角明日から夏休みなんだから、みんなで旅行に行こうと思ってな。勿論春香ちゃんも連れて。」
「「えー!」」
という訳で、僕達三人と春香を合わせて四人で今月末、突如一泊二日の旅行が決定しました。
行くならせめて、早く話しておこうよ健・・。
・・・・・
健の衝撃発表から約30分後、僕は春香に旅行の話をするために春香に会いに行った。
(あの少女が春香だって分かってから会うのは初めてか・・。)
僕は普通に彼女と接せるのか不安になりながら、一人で公園へと向った。
第13話へ続く




