終わったはずの恋
悲しみの中、私は、雨の中、たたずんでいた。涙が頬をつたって、雨と同化した。私は、京子、40歳。これが、最後の恋と決めて、付き合った、徹と、終わりをつげた。
徹は、詳しいことは、言わずに、私のもとを去っていった。3年の付き合いだったが、濃密ふだった。私は、徹の後を追うことは、したくなかった。去るものは追わず、来るものは拒まずで、いこうと思っていた。
40歳ともなれば、まわりの男性は、ほとんどが、既婚者だった。あとは、バツイチ、子供有、だった。お見合いも、この年では、良い相手は、見つからないだろう。微妙な、年齢だった。
会社での、部下も、頼りなく見えていた。さて、どこに、ターゲットを向けたらいいのか、と、思い悩んでいた。まだまだ、結婚したい気持ちは、残っているのだ。
徹との別れは、確かに、私にとっては、大きかった。彼と、結婚できる、と、信じていたから…こんな結末になるとは、思ってもいなかった。
気持ちを切り替えて、お見合いパーティに、参加してみた。同じくらいの年齢の人が来るパーティだったのだが、いまいち、良さそうな人は、見当たらなかった。
思い切って、大きな都市で、開催される、お見合いパーティに、行ってみた。そこは、けっこうな、人数が、来ていた。そんな中、ある1人の男性が、話しかけてきた。「一緒に、お話ししませんか?」私は、悪い気はしなかったので「ええ、いいですよ。」と、言って、話し始めた。彼は、都内の広告代理店に勤める、進次郎と、言った。イケメンで、身長も、高かった。話ていくうちに、いろいろと、共通点が、あることがわかった。
彼とは、大学が、同じで、学部は、違っていた。大学の話しで、盛り上がった。あとは、家族構成が、どちらも、妹が、いることで、同じだった。あと、血液型が、同じ、B型だった。年齢は、彼が、41歳だった。
近いうちに、食事でも、行きましょう、ということになった。私は、とても嬉しかった。徹と、別れてから、寂しい日々をす過ごしていたから、進次郎と、出会えたことに、感謝していた。
進次郎は、とても、大人な男性だった。常に、私を、うまく、エスコートしてくれた。ただ、進次郎は、東京、私は、岩手と、遠距離恋愛になってしまったことが、辛かった。私が、週末は、東京に、出向いた。
進次郎は、家族にも、紹介してくれた。進次郎の部屋で、進次郎のアルバムを、見せてもらっていたら、仲良く写っている、女性の写真があった。私は、少し気になったが、進次郎に聞くべきか、迷っていた。
思い切って、私は、聞いてみた。「この写真の人は、元の彼女さんですか?」進次郎は、しばらく、黙ったままだったが、「ああ、そうだ。」とだけ言った。そして、正直に、すべてを、話してくれた。元カノの名前は、華子といって、7年付き合ったけど、去年別れたらしい。それで、お見合いパーティに、参加した、とのことだった。今でも、時々、連絡が、くるらしいことも、聞いた。
私は、どうりで、こんな、イケメンで、高身長の彼に、彼女が、いないはずはない、と、思っていたのだ。やはり、少し前に、そんな人がいたのだな、と、思っていた。元の彼女の華子さんは、まだ、進次郎の事が、忘れられずにいるみたいなのだ。
私は、よけいなお世話だと思ったが、進次郎に、「もう1度だけ、華子さんと、よく話し合ってみたら、どうかな?私も、このままじゃ、なんとなく、落ち着かないし。」と、話してみた。進次郎は、「わかった。」と、言ってくれた。
進次郎は、華子に、連絡して、会うことになった。華子は、「もう1度、やり直したいの。悪いところは、直すから。」と言って、進次郎に、懇願した。進次郎は、「俺は、今、付き合い始めた人がいるんだ。ごめん。」と言った。華子は、涙が止まらなかった。仕方なく、諦めることになった。
進次郎は、私に、「ちゃんと、華子とは、別れてきたから、俺と、改めて、付き合ってほしい。」と、言ってきた。私は、「わかりました。」と、言った。これで、私も、スッキリして、前に、進める、と、思っていた。
ところが、進次郎の妹が、私に、忠告をしてきた。進次郎は、華子さんと、別れられずに、今は、会ってると、いうのだ。私は、愕然とした。やはり、2人は、なかなか、別れられないのだな、と、私は、思っていた。
辛いが、私は、遠距離恋愛だし、そばに、いてやれない分、仕方ないのかな、と、思っていた。でも、悲しかった。これから、ようやく、幸せに向けて、頑張っていこうとした矢先だった。でも、進次郎の妹には、教えてくれて、感謝している。知らないままでは、いたくなかった。
私は、じっくり、考えた。やはり、私が、別れるべきだと思った。進次郎に、「私達、別れましょう。」と、言った。進次郎は、「俺が悪かった。華子とは、やはり、別れられない。ごめん。」と言って、下を向いた。私は、「残念だけど、気にしなくていいよ。まだ、付き合い始めたばかりだったもの。」と、言った。
私は、また、1人になってしまった、と思った。寂しかったが、仕方がないと、思っていた。このまま、独身で、おわるのかな、と、思ったりしていた。
そんな時、偶然、徹の親友と、道で会った。それによると、徹は、私と別れてから、ふさぎこんでいるから、連絡してやってくれ、と、言われた。
私も、ちょうど、進次郎と別れたばかりで、徹のことが、気になっていた。今更、徹に、連絡するのも、気が引けたが、思い切って、連絡してみることにした。
電話をかける手が、震えた。徹が出た。「もしもし、元気にしてる?」と、私は、震える声で言った。徹は、「あまり、元気ないよ。おまえと、別れてから…。」そう言った。そして、徹は、続けた。「いろいろ、考えて、別れることにしたんだけど、別れてから、おまえの良さに、たくさん気づかされたよ。」と言ってくれた。
私は、本当に、嬉しかった。自分も、徹の良さは、1番に、知っていると、思っていたから。でも、もう、やり直すことは、ないのかな、と、思っていた。徹は、「今更だけど、俺とまた、はじめから、やり直さないか。そして、結婚してほしい。」そう言ってくれた。私は、涙で、かすんで、徹の顔が、ぼやけていた。「うん。」と、私は、返事した。
もう、終わったはずの恋なのに、また、徹と付き合えるなんて、そして、結婚できるなんて、夢の様だった。ずっと、徹のそばにいたいと思っている。




