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第四章: 境界の守護者と四つの異能『選ばれし者たちは、まだ互いを知らない』  作者: ぃぃぃぃぃぃ


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第十八話:オルフェアへの移動――再会への期待

 ヴァルセリアを出発して、二日目の夜。

 俺たちは、街道沿いの野営地で休息を取っていた。

 焚き火の炎が、ゆらゆらと揺れている。

 シエラさんは、火にかけた鍋で料理を作っていた。

「もうすぐ、オルフェアだな」

 シエラさんが、鍋をかき混ぜながら言った。

「はい……明日の昼には、着きそうですね」

 俺は、地図を見ながら答えた。

「ああ。順調だ」

 シエラさんは、満足そうに頷いた。

「オルフェアは、いい街だぞ」

「そうなんですか?」

「ああ。ギルドも大きいし、酒場も美味い」

 シエラさんは、懐かしそうに笑った。

「昔、よく行った場所だ」

「昔……」

「ああ。仲間と一緒にな」

 シエラさんは、遠くを見つめた。

「オルフェアのギルドは、昔の仲間とよく行った場所なんだ」

「そうなんですか……」

 俺は、シエラさんの表情を見た。

 どこか、懐かしそうな、そして少し寂しそうな表情だった。

「どんな仲間だったんですか?」

 俺は、思わず尋ねていた。

「……そうだな」

 シエラさんは、少し考えてから答えた。

「色々な奴らがいた」

「色々……」

「ああ。それぞれが、個性的でな」

 シエラさんは、笑った。

「一緒にいると、退屈しなかった」

「楽しかったんですね」

「ああ。楽しかった」

 シエラさんは、静かに答えた。

「オルフェアのギルドで、よく酒を飲んだもんだ」

「お酒……」

「ああ。あいつらは、酒が好きでな」

 シエラさんは、笑った。

「特に、一人は酒豪でな。俺も負けないように飲んだもんだ」

「シエラさんも、お酒飲むんですね」

「まあな。嗜む程度だが」

 シエラさんは、続けた。

「だが、あいつと飲むと、いつも楽しかった」

「そうなんですか……」

「ああ。明るくて、人懐っこくてな」

 シエラさんは、懐かしそうに語った。

「いつも笑顔で、周りを明るくする奴だった」

「素敵な人ですね」

「ああ。素敵な奴だ」

 シエラさんは、静かに答えた。

「だが、いつまでも一緒にいられるわけじゃねえ」

「……」

「それぞれが、それぞれの道を歩み始めた」

 シエラさんは、続けた。

「だが、それでいいと思ってる」

「そうなんですか……」

「ああ。またいつか会える。それだけで十分だ」

 シエラさんは、優しく笑った。

「そして、もうすぐその『いつか』が来るかもしれねえ」

「明日……ですか?」

「ああ。もしかしたら、オルフェアで会えるかもしれねえ」

 シエラさんは、嬉しそうに言った。

「楽しみだな」

「はい……」

 俺も、少しだけ期待を感じていた。

 不安もあるが、シエラさんがこんなに楽しみにしているなら、きっと素敵な人なんだろう。

「さて、飯ができたぞ」

 シエラさんが、鍋から料理を取り分けた。

「今日は、シチューだ」

「美味しそうですね」

「おう、食え」

 俺たちは、焚き火を囲んで食事を始めた。

 シエラさんの作る料理は、いつも美味しい。

 温かくて、優しい味がする。

「なあ、ライト」

 シエラさんが、食事をしながら言った。

「はい」

「明日、オルフェアに着いたら……」

 シエラさんは、少し真剣な顔をした。

「まず、ギルドに行く」

「ギルドに……」

「ああ。そこで、依頼を受けるかもしれねえし、情報収集もする」

 シエラさんは、続けた。

「それに、もしかしたら……懐かしい顔に会えるかもしれねえ」

「懐かしい顔……」

「ああ。昔の仲間がな」

 シエラさんは、笑った。

「もし会えたら、お前に紹介する」

「はい……」

 俺は、少し緊張した。

 やっぱり、明日会うのかもしれない。

「心配するな。焦らなくていい」

 シエラさんは、優しく言った。

「お前のペースで、接すればいい」

「はい……」

「だが、一つだけ覚えておいてくれ」

「何ですか?」

「その仲間は、お前を傷つけるつもりはねえ」

 シエラさんは、真剣な目で俺を見た。

「お前を助けたいと思ってる」

「……はい」

「だから、信じてやってくれ」

「わかりました」

 俺は、頷いた。

 シエラさんが言うなら、きっとそうなんだろう。

「よし、じゃあ明日に備えて、早めに寝るぞ」

「はい」

 俺たちは、食事を終えて、テントに入った。

 俺は、テントの中で横になったが、なかなか眠れなかった。

 明日、新しい仲間と会うかもしれない。

 それが、どんな人なのか。

 不安と期待が、入り混じっていた。


 その夜。

 ライトが眠った後、シエラは一人で考えていた。

 シエラは、オルフェアの方角を見つめた。

「……もうすぐだな」

 シエラは、小さく呟いた。

 あの明るい笑顔。

 あの人懐っこい性格。

 あの酒好きな仲間。

「お前の特級回復士が必要なんだ」

 シエラは、月を見上げた。

「ライトのトラウマを克服するには、お前の力が必要だ」

 特級回復士。

ギルドでも、そう簡単にお目にかかれない存在だ。

「そろそろ準備ができた頃か」

 シエラは、呟いた。

 あいつは、オルフェアのギルドにいるはずだ。

 もう何年も会っていないが、居場所は知っている。

 明日、オルフェアに着けば、きっと会える。

「ライトも、少しずつあいつに慣れていくだろう」

 シエラは、微笑んだ。

「そして、いつか――あいつの存在が、ライトの支えになる」

 シエラは、焚き火を見つめた。

 炎が、ゆらゆらと揺れている。

「待ってろよ」

 シエラは、小さく呟いた。

「明日、お前に会いに行くよ」

 シエラの決意は、揺るがなかった。

 ライトのトラウマを克服させるため。

 そして、最強のパーティを作るため。

 シエラは、その全てを見据えていた。

「お前の明るさが、ライトを変えてくれる」

 シエラは、月を見上げた。

「そう信じてる」

 月明かりの下、シエラの微笑みは優しかった。

 明日から、新しい旅が始まる。

 昔の仲間との再会。

 そして、ライトとその仲間の出会い。

 それが、大きな転換点になる。

 シエラは、そう確信していた。

「待ってろ、ライト」

 シエラは、テントの方を見た。

「お前は、必ず強くなる」

 シエラは、焚き火を消して、自分のテントに戻った。

 明日は、大切な日だ。

 十分な休息を取らなければならない。

 シエラは、テントの中で横になり、目を閉じた。

 だけど、心の中では、明日への期待で満ちていた。

 昔の仲間との再会。

 それが、どんなに楽しみか。

 シエラは、微笑みながら、眠りについた。

 翌朝。

 シエラは、いつもより早く目を覚ました。

 外は、まだ薄暗い。

 だけど、シエラの心は、すでに明るかった。

「おう、ライト。起きろ」

 シエラは、ライトのテントを叩いた。

「はい……おはようございます」

 ライトが、眠そうな顔でテントから出てきた。

「今日は、早めに出発するぞ」

「わかりました」

 手慣れた様子で野営地を片付けると、朝露に濡れた街道へと足を踏み出した。

 そして、二人は野営地を後にした。

「さあ、オルフェアへ行くぞ」

 シエラは、前を向いて歩き出した。

「はい」

 ライトも、その後を追った。

 オルフェアまで、あと数時間だ。

 そこで、新しい仲間と会える。

 シエラは、その期待を胸に、歩き続けた。

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