護衛騎士のお話
今日はアルベルト様の甥の卒業パーティーに来ている。甥はリック王太子である。
私はアルベルト様の護衛として一緒について回っている。
そんな時、周りが騒がしくなった。
ガヤガヤガヤガヤ‥‥
何だ!もしや乱入者か!!
私は身を挺して我が主の身を守った!が‥‥乱入者ではないようだ。卒業生の男性が女性を呼び出し激怒しているようだ。婚約者同士か?
「アルベルト様、問題ありません。男女のいざこざのようです」
「‥‥‥‥」
アルベルトはその渦中の女性を食い入るように見つめている。
珍しいな?アルベルト様が気になっているなんて。
『エヴァ!お前とは婚約破棄する!お前は俺には相応しくない!』
えっ?この場で婚約破棄!!王家主催の卒業パーティーだぞ!
「許せんな!私の顔に泥を塗りやがって!あの阿保はこれからどうなるか分かってないようだな。エヴァ嬢は婚約破棄を了承するぞ」
リック王太子はご立腹のご様子だ。あの御令嬢とお知り合いのようだ。
アルベルト様は未だに、その渦中にいる御令嬢から目を逸らさず、何かを探っているご様子だ。
『‥‥そうですか。何か私に至らない所がございましたかニック様』
『ふん!そんな事もわからないのか?私の婚約者のくせに!婚約して7年だがもう我慢の限界だ!こんな野暮ったい女なんて破棄だ!破棄!婚約破棄だっ!』
すごいな!この男は!そんなに嫌ならもっと早めに婚約破棄ではなく白紙やら解消すればいいものに。
『おい!聞いてるのか?ボケーっとして。昔は神童と呼ばれてたのに、今となっては凡人だな!』
めちゃくちゃ貶してる!
『ちょっと言い過ぎたな。ふっ、しょうがないなぁ!お前には俺様がいないと‥‥』
彼女は無表情のまま固まってるな。こんな婚約者だけど愛して‥‥‥
『はい、婚約破棄お受け致します。では、私はお先に失礼致します、ニック・ヴェントン侯爵令息様』
ないよね〜。普通こんな婚約者なんて愛せないよな。ふぅ〜、安心した。こんなのと結婚したら最悪な未来しかないからな。
『当然よね、こんな場所で婚約破棄する男なんかと一緒に結婚できないものね』
『やっと踏ん切りがついたのねエヴァ様』
『全然凡人じゃないでしょ!いつも学園のテスト1位じゃん!生徒会にも所属してるんだよ』
『エヴァ様っておしとやかで!とても美しいのに』
『‥‥‥‥‥‥』
『ざまぁ、ざまぁ、最高!平民に落ちろ〜』
嫌われすぎでしょ!学園でもあの調子だったんでしょう。
『エヴァ?何故だ?いつも婚約破棄はしないって言ってくれたじゃないか!嘘だよな?了承するなんて?』
えっ!そんなのもわからないのか?自分で婚約破棄しといて縋ってるよ!頭おかしいでしょ!
『もう、7年も婚約破棄したいと言っていたのはニック・ヴェントン侯爵令息様ですよ。そんなに嫌ならヴェントン侯爵様や私のお父様に伝えればよかったではありませんか。でも、やっと願いが叶って良かったじゃないですか。今度は私より爵位が上でお綺麗で頭の良い方と一緒になってくださいませ。陰ながらお幸せを祈っております。では失礼致します』
な、7年も!よく我慢したな!でも我慢しすぎだよ、何か理由でもあるのか?
『何だよ、他人行儀で!俺達、卒業したらもう結婚するんだろ!俺がお前の伯爵を継ぐんだから』
へ〜っ、こんな阿保みたいな男が次期伯爵なんかい!やばくない!おっと、言葉が乱れてしまった。
『こんな大勢の前で婚約破棄したのですからもう撤回は無理でございます。ここは王家主催のパーティーですよ。あと、私が次期伯爵になるのです。もしニック・ヴェントン侯爵令息様と結婚してもあなた様は伯爵にはなれません。私の家に婿に来るのですから。伯爵になったら我がスカッシュ伯爵家のお家乗っ取りだと思われますわよ。それにヴェントン侯爵令息様は領主教育は一切してませんよね。どうして、そんな方が次期伯爵になれるのですか?』
「次期伯爵って、婿でなろうとしてたのか!!これ!大変なことにになってますよ!ねぇ、アルベルト様!」
とうとう我慢できずアルベルトに話しかけてしまった!普段ならアルベルトの護衛なので自分からは喋り掛けてはいけないが、我慢できずに喋りかけてしまった。
だが、アルベルトは聞こえていないようだった。
何故?
『え?俺が次期伯爵になるんじゃないのか?エヴァが領地経営をするから俺は何もしなくていいって!?』
この男はもう終わりだな。こんなの勘違いのレベル超えてる。
ダ、ダ、ダダダ!パーティー会場に1人の男性が走って来た。
『この馬鹿者〜!お前は入婿で伯爵家に行くんだぞ!私はエヴァ嬢の事を支えろと言っていたではないか!エヴァ嬢よ、本当に愚息が申し訳ない。後日スカッシュ伯爵家に伺うのでレイモンドによろしくと伝えてくれるだろうか』
おっ!あのお方はヴェントン侯爵様じゃないですか!という事はあの男はヴェントン侯爵令息。侯爵様は真面目で堅実な方ですのに息子の教育には失敗したようだ。これで王家の人達に目を付けられるでしょう。可哀想に。
『はい、わかりました。ヴェントン侯爵様、頭を上げて下さいませ。お父様にお伝え致します。私が至らぬばかりに申し訳ありませんでした』
『エヴァ嬢は悪くない‥‥もうお義父様と呼んでくれないんだな‥‥どうか婚約破棄をしないでいただきたい』
侯爵様は諦めきれないだろう。今、婚約破棄したら、ヴェントン侯爵令息の貰い手なんていないだろうし。
でも、あの御令嬢ならすぐに見つかりそうだな。次はいい方に巡り会えばいいけど。
「良かったですねアルベルト様!また粛清対象者が増えなくて」
「‥‥‥‥」
その会場で、ただ1人アルベルトは無言のままエヴァが会場を去るまでずっと見つめていた。
「アルベルト様?」
どうしたんだ!さっきから!
えっ!!あのアルベルト様が泣いてる!何で?
「‥‥見つけた‥‥やっと見つけた‥‥絵梨花」
‥‥そう言う事ですか‥‥とうとう見つけたんですね‥‥アルベルト様の運命の相手を‥‥前世の伴侶を‥‥エリカ様を。
「‥‥ジーク、ヴェントン侯爵令息の情報を何でも集めてくれ。アイツは絵梨花を諦めない。必ず婚約破棄を撤回しにくるぞ。必ず阻止する。あんな奴に絵梨花は絶対に渡さん」
「御意」
では始めるか。
私、ジーク・フリュークの裏の仕事を‥‥
◆◆◆
役に立たない情報!
今ドクター◯にハマっていまして、無意識に
「御意」と書いちゃうんです!本当は「はっ!」って書きたいんです(T ^ T)
これから「御意」がいっぱい多様されます。急に「はっ!」に変わってましたらブームが去ったと思って下さいませ。
以上役に立たない情報でしたm(_ _)m




