幸せになったデュークのお話 完
誤字報告ありがとうございます
誤字報告ありがとうございます。名前がアナベルとアルベルト間違えてました
フランにプロポーズしてから一年。
「あっという間でしたね。明日結婚式だなんて‥‥私は幸せです。これからデューク様と一緒になれるんですから」
フランは恥ずかしくなり顔を赤くした。デュークはそんなフランを愛おしく思いおでこに口付けをした。
より一層フランの顔が真っ赤になった。もちろんデュークも!
「こちらこそよろしくフラン。これから末長く一緒に幸せになろうね」
2人抱き合い幸せに包まれた。
その光景を嬉しそうに見ている者が‥‥
「もう坊ちゃんとは呼べませんね‥‥寂しい気持ちもありますがデューク様が幸せそうでじぃも幸せでございます」
セバスはそっとその場から抜け出した。2人の邪魔をしないように。
次の日、デュークの仲のいい人達、スカッシュ伯爵家、エヴァちゃん、アルベルト公爵、学園の生徒達を呼び結婚式を挙げた。豪勢ではなかったが、盛大にデュークとフランは祝われたのだった。
だが、そこには父アレックスの姿はなかった。
私は親族として出て欲しいと使いを出したが丁重に断られた。その後、父から手紙が届いた。私は行けないと謝罪し、お祝いの言葉と2人で幸せになりなさいと書かれていた。
父はきっと、自分が出席すると私に迷惑が掛かると思い断ったのだろう。
以前の暗号の手紙では虚勢を張り私に心配させないためにあのような言動になったと今では思う。
おじさんは私に内緒でちょくちょく父のもとに行っている。おじさんはバレてないと思っているがバレバレだ。私は知らない振りをすることにしている。
だから私は早く父に会えるように出世したい!男爵から爵位を上げたい。
前より幸せを手に入れたと胸を張って会いに行くために。
◆◆◆
それから八年‥‥
オッホン!私はデューク・ヴェントン侯爵である!‥‥フッフッフ、とうとう私は侯爵に戻ったのだ!
セバスは大喜びで!踊り狂い、フランは男爵から侯爵夫人になりあわあわしている。
どうして爵位が上がったかというと、市井学園創立の功労者として王から特別に勲章をいただいたのだ。褒章で爵位が上がり侯爵となった。男爵からの大出世だ!元々は10年過ぎて私に何も問題がなかったら子爵か伯爵まで戻る予定だったらしい。アルベルト様が言っていたから本当だろう。そこに功労者としての褒章で更に爵位があがり侯爵になったのだ。もちろんおじさんも。おじさんは何と!公爵になったのだ!
最近、この国の公爵が不正で捕まり、爵位が空いたのでスカッシュ伯爵ならいいんじゃない?って感じで決まったらしい。これもアルベルト様が言っていた。
王はこの学園をモデルに王国中に無償で誰でも通える学園を市井に創った。
王は大層喜んでいる。これから優秀な人材が沢山現れるのだから。無能な貴族はうかうかしてられない。
私は侯爵になり新事業を立ち上げたが今まで通りやる事は変わらない。
「デューク先生!今日は何するの?」
「今日は皆んなでサッカーをしますよ」
「「「やったあ〜!」」」
学園の運動場で集まった子供達は大喜びだ!
サッカーとはボールを蹴って枠の中に入れる最近できた球技だ。
これを考えたのがエヴァちゃんなのだ!エヴァちゃんがアルベルト様に嫁いでから、いろんな物を開発した。生活の役立つ物や子供達が遊べるリバーシなども彼女が考えた。
そのおかげでこの国は豊かになり王都は栄えている。
「先生は私のチームに入ってよ!」
「はいはい、順番に入るからね」
今日も教師として平穏な日常を過ごしている。
そんな平穏な日常をぶち壊す者が現れた‥‥
「ここは平民臭いわね!こんな場所にデューク様が勤めてるのかしら?」
そこに現れたのは派手な装いの貴族夫人、デュークの元妻エリンだった‥‥
「どうしてベンブルック子爵夫人がここに?」
エリンはデュークと離婚し、半年後にエリンと幼馴染だったベンブルック子爵令息と結婚した。今では子爵夫人だ。
エリンから強烈な香水の匂いをプンプンさせながらデュークに近づいた。
「お久しぶりです、デューク様。あの時は申し訳ありませんでした。お父様にすぐ帰ってくるようにと言われまして‥‥本当はデューク様の側にいたかったのですが‥‥グスングスン‥‥」
(嘘泣きだ‥‥下手くそな演技だね。セバスの演技に比べてら全然なってない。いったい何しに来たんだよ?確かベンブルック子爵家は没落寸前だったような‥‥でも夫人は高級なアクセサリーに今流行りのドレスも着てるし。没落寸前の夫人には見えないよね。早く要件を聞いて帰ってもらわないと授業ができない)
「私にどのような要件でしょうか?」
「つれないですねぇ!私達、夫婦だったではありませんか‥‥」
「‥‥その節は申し訳ありません」
(私を捨てて逃げたけどね!)
「デューク様って王様から勲章授かったんでしょ!それで爵位が上がって侯爵に戻ったんですよね!さすがデューク様。だから、私がデューク様の元に戻って支えてあげるわよ」
「はぁ?戻る?私はもう既婚者です!!」
(何言ってるんだ!この夫人は?)
「旦那様とは離婚するわ!お父様にも了承を貰ってるから大丈夫よ!だからデューク様と再婚してあげるわ!
デューク様は男爵の女と結婚しているんですよね。その女をデューク様の愛人にして私を正妻にすれば問題ないわ」
(問題だらけでしょ!何だこの女は?私の知っているエリンじゃない。どうしたんだ?まるでにニックと同じじゃないかっ!自分勝手すぎる!)
「デューク先生!この臭い女の人がフラン先生を愛人にしろって言ってるの?頭おかしいんじゃない。それとも貴族の夫人はみんなこうなの?」
生徒がデュークとエリンの間に入り質問した。この子は『今日何するの』と聞いてきた子だ。
実はこの子の正体は平民ではない。あるお方の子だ。なぜか貴族の学園には通わずこの学園に通っている。まぁ、私の子供も通っているけどね。さっきの『やったー!』の1人が私とフランの子だ。
フランは今、第二子を身籠もって教師を休んでいる。
「何よ!この平民のガキは?‥‥あれ?このガキ‥‥王家の髪色と同じじゃな!ふふふ、あなた不敬罪で縛首だわ!金の髪に染めてるんですもの。そこにいる衛兵!この平民の子を騎士団の元に連れていってちょうだい!」
「‥‥‥‥‥」
衛兵は動こうとしなかった。
なぜなら彼は衛兵ではなく、主人の子を守っているのだから。
「何してるのよ!私の命令を聞かないつもり。衛兵如きが!」
エリンは子爵夫人となり、かなり傲慢になっていた。
「やぁ!ベンブルック夫人、探しましたよ。あまり私の護衛騎士をいじめないでいただけるかな」
そこに現れたのは、いかなる不正も許さないアルベルト大公。
アルベルトはエヴァの功績もあり大公となった。
アルベルトがエリンの前に現れたということは、ベンブルック子爵の不正の証拠を掴み断罪しに来たのだ。
「パパ!!今日はどうしたの?」
金の髪の子アナベルがアルベルトに抱きついた。
「‥‥えっ‥‥王弟様のお子様‥」
エリンはとんでもない事をしでかした!王弟の娘に平民と罵り、よりにもよって王弟の側近の護衛騎士に牢に入れろと命令したのだ。
もうエリンは最悪の結末を迎えるだろう‥‥
「さっきの発言はしっかり聞いたよ。これも罪に加算しとく。愛娘と私の護衛騎士によくも‥‥許さないからな。
ああ、そうだベンブルック子爵は今、牢に入ってるよ。あとベンブルック夫人にこれを渡さないとね」
渡された不正資料を読み青ざめた。
「あ‥‥あ‥‥お許し下さい。‥‥私は何も知らないんです。全て旦那がやったんです。私は関係ないんですぅ!だから何も喋れません!」
エリンに渡されたのはベンブルック子爵の犯罪の証拠、平民の子を攫い奴隷にし隣国に売っていたのだ。そのお金でエリンは裕福な暮らしをしていくうちに傲慢になっていった。
だが市井の学園が沢山できたおかげで、平民の子を攫う事ができなくなった。
子爵は領地の税だけでは生活が苦しく没落しそうになっている。今まで通り贅沢な暮らしをしていたんだから。
そんな時エリンはデュークが侯爵に戻ったと知りよりを戻そうと考え学園まできたのだ。デュークはまだエリンのことを愛していると思って‥‥そして‥‥以前の計画通りヴェントン侯爵家を乗っ取る為に。
デューク達は知らない‥‥エリンの実家とベンブルック子爵家はデュークが当主になったらデュークを殺す。そしてデュークとの間にできた子を後継にし侯爵家を手に入れようとしていたことを。
デュークはある意味ニックに救われた形になった。エリンとの間に子が産まれたら殺されていたのだから。
だが、その計画は既にアルベルトに知られているなんてエリン達はまだ知らない。
「知らないは言い訳にならないよ。ベンブルック子爵夫人の証拠も揃っている。他のもね。あぁ、今は何も喋らなくていい、ベンブルック子爵も始めは黙秘してたけどね尋問官に引き渡したらすぐに全て話してくれたよ。夫人もすぐに喋りたくなるだろうね。あとは任せた!」
アルベルトが片手を挙げると、騎士が現れ夫人は連れられていかれた。
「離して〜っ!私は悪くないんだから‥‥」
「元気な夫人だな。尋問官の前で今の調子でいれるかな。ふふ、無理だろうね。この国で人を攫い、奴隷にして売り渡すような人間は酷い扱いになるだろう。この件に関わったベンブルック子爵家と夫人の実家のギャザン伯爵家も罪に問われるだろう。ギャザン伯爵も関与していたんだから。ふふふ」
ベンブルック子爵家とギャザン伯爵家は一族郎党、極刑になるだろう。これでまた貴族名鑑から沢山の貴族が消える。
アルベルトは子供の将来を守るために不正に関してより厳しくなった。悪い貴族を根絶するため、王家に仕える影達に王国中の悪意、不正を調べさせている。今ごろは不正がバレていない貴族達はビクビクしながら他国に逃げようとしている。だがアルベルトは全てお見通しだ。近々一網打尽にするのだから。
「あれ?デューク先生の顔も青くなってるよ!怖いことあったの?」
(あったよ!君のお父さんが怖いんだよ!私は不正してないけど間近でアルベルト様を見ると怖いよ!王弟なのに、騎士以上にムキムキだし!もう護衛騎士いらないよね)
「デューク、今私に対して不敬なこと考えてるんじゃないか?」
「ひぃっ!全然考えてません!」
私は頭をもぎとれるぐらいブンブン横に振った。
「ふふふ、冗談だよデューク‥‥いや違うな!未来のヴェントン公爵様かな?」
「はい?私は侯爵ですよ!もし公爵になったら他の貴族に邪険にされる未来が見えますね‥‥」
「大丈夫、大丈夫!そんな奴らは大抵、不正してる貴族だから、じきに消えるさ。まぁ、今やってる新事業が成功すれば誰も文句は言えないさ。ふふふ、また兄上から勲章を授かるかもね!」
「これ以上は荷が重すぎますよ。でも新事業の河川拡張工事は絶対に成功させてみせます」
「そうか、デュークなら出来るさ!」
その言葉通り、河川拡張工事が成功し洪水被害はなくなった。今まで苦労していた市井の人達から感謝され、デュークは皆に慕われる貴族になった。そして英雄デュークとして慕う者がたくさんいた。
もう洪水で亡くなる人はいなくなったのだから。
この功績により爵位が公爵になりデュークはそれからも次々に市井の為の新事業を立ち上げ成功させていき、より一層王国を豊かにするのだった。
この時のデュークは公爵になるとは微塵にも思っていない‥‥
◆◆◆
それから半年後‥‥
「デューク様、そろそろお時間です」
「もうそんな時間か!今すぐに行くから待っていてくれ」
デュークは朝早くから書いていた手紙に封をし、セバスに渡した。
セバスはその宛先を見て感極まり泣いてしまった。
その宛先の名は‥‥
「この時が来たのですね‥‥うぅ‥‥」
「あぁ、‥‥やっと殴りに行ける」
デュークは今までの事をしみじみ思い出した。
13年前ニックと母のやらかしで男爵にまで落ち、貴族から爪弾きにされ人生どん底に落とされた。
誰もデュークを助けてくれる者は現れなかった。そして藁を掴む気持ちで神様に願った。
そして願った通り手を差し伸べてくれたスカッシュ公爵。
暖かく迎え入れてくれたエヴァちゃんや奥様。
デュークを支えてくれたフランと愛しい息子と娘。
なんだかんだ面倒見がいいアルべルトそして学園の生徒達!
デュークはこの13年で失った以上のものを手に入れた。
やっと私の愛する妻とあなたの孫達を連れて行ける。
父さん待たせたね!もう少しで私の姿を見せにいけるよ‥‥
‥‥幸せになった私の姿を‥‥
◆◆◆
ここまで読んでいただきありがとうございます。
モチベーションが上がりましたら、こちらの連載におまけとして追加致します。
✳︎結局デュークは父を殴りとばしたのか?
✳︎アレックスの田舎生活
✳︎フランの裏の顔
を予定しております
追加情報!
新たに護衛騎士目線連載追加致しました。
読んで下さりありがとうございます。
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