幸せに近づいたデュークのお話 PART2
《セバス視点》
時を少し遡る
「はぁ〜っ‥‥」
坊ちゃんは最近溜め息が多くなっております。私にはその溜め息の理由がよくわかります。幼い頃から坊ちゃんに仕えているのですから。だからすぐに分かりました。
坊ちゃんは恋をしていると‥‥学園の同僚フラン嬢に。
フラン嬢は男爵家の次女。歳はまだ19で婚約者はまだいません。
とても可愛らしい方なのに婚約者がいないのが不思議なぐらいです。
フラン嬢は男爵家で庶民の様な生活をしているので、他の貴族の方達のような差別意識もなく、とても心の綺麗な方だとは私は思っております。こんな方に坊ちゃんの結婚相手になってもらいたいです。エリン様みたいに坊ちゃんを見捨てないでくれる方だとじぃは判断致しました。だから、坊ちゃんの恋を成就させるため、じぃがひと肌ぬぐ事にしました。
ふふふ、忙しくなりそうです!
まずは協力者を探さないとですね。坊ちゃん!の幸せのために!
「と、言う感じでやろうかと考えてるんです」
「ふむふむ、分かった。わしも協力しよう。ヴェントン家にはお世話になったしな。デューク様にも早めに伴侶を得て世継ぎを作ってもらわないと」
「ありがとうございますユリウス様。では明日に決行致しますのでよろしくお願いします」
「では、明日!上手く行くようにこちらも合わせる」
セバスは医師ユリウスを協力者にしたのだ。
決行日
そろそろ坊ちゃんが私の部屋に来るでしょう。いつも起こしに行ってる私が来なければ何かあったと思い私の部屋に来るでしょう。そんな考えをしてると‥‥ガチャ!と扉が開いた。
「セバス!起きてるか!もう起きる時間だぞ」
予想通り来ましたね!では始めましょう。デューク様の幸せの為に
。
「ごほぉごほぉごほぉごほぉ‥‥ごほぉ、もうじぃは駄目そうです」
「セバス大丈夫か!?昨日は私と生徒達と一緒にかけっこして、セバスがぶっちぎり優勝していたではないか!どうして急にこんな事に‥‥」
(‥‥忘れてました。昨日張りきって走ってしまいましたね‥‥早く言い訳を言わなければ!)
「老いとは急にくるものてすよ‥‥ごほぉ、ごほぉ‥‥坊ちゃん‥‥もうじぃは‥‥長くはないかも‥‥しれないで‥ごほぉごほぉ」
「喋らなくていい!すぐに医者を呼ぶから待っていろ!私にはセバスがいないと駄目なんだよ!私を一人にしないでくれっ‥‥」
デュークは泣き崩れてしまった。
(ぼっ、坊ちゃん!じぃをそんな風に思ってくれていたなんて!じぃは嬉し泣きしそうです。
でも我慢です、まだ始まったばっかりですからね)
「坊ちゃん‥‥うぅっ‥泣かないでください‥‥ぼっ‥‥ちゃ‥ん‥‥最後にじぃの‥‥願いを聞いて‥‥ください」
(よし!ここからが本番ですね。
「‥‥‥‥‥」
デュークは泣いたままだったので頷く事しかできなかった。
「ふふふ‥‥坊ちゃんは昔から泣き虫ですね‥ごほぉごほぉ‥‥じぃは最後に坊ちゃんの結婚相手を‥‥見たかったごほぉごほぉ‥そして、坊ちゃんの子供を‥‥」
「セバス〜〜〜っ!!」
(あれ?どうしよ〜!これ!後戻りできますかね!?考えは後にしてひとまず目を瞑りましょう)
セバスは医師ユリウスに治療をする振りをしてもらった。セバスは息吹き返す振りをした。2人共、完璧な演技だった。デュークはまんまと騙され部屋から飛び出しフランにプロポーズをしに行った。
「ふぅ!予想以上に上手く行きましたね」
セバスはベッドから起き上がりユリウスに話しかけた。
「ふむ、じゃが、デューク様が心配じゃ。こんな簡単に騙されてしまうとは」
「確かに‥‥心配ですね。でも結婚すれば大丈夫でしょう。フラン嬢はとてもしっかりしていますから。私は一年間直近で見て来ましたからね。フラン嬢なら坊ちゃんにピッタリです!」
「お前さんの目に叶ったなら大丈夫じゃろ」
「今頃はプロポーズしてるんでしょうね」
セバスはベッドから降り、ユリウス先生と何かの準備をしだした。
◆◆◆
《デューク視点に戻る》
バタン!勢いよく扉が開いた。
「ハァハァハア、結婚相手連れて来たぞセバス!‥‥‥えっ!」
デュークは固まってしまった!
部屋の中はピンク色に模様替えされていたのだ!壁にはデューク様!プロポーズ成功おめでとうございます!と書かれている。セバスはいつもの執事服に着替えデュークを待っていたのだ。
「坊ちゃんおめでとうございます!」
パァン!パァン!ユリウス先生と一緒にクラッカーを鳴らした。
「‥‥セバス‥‥これはどう言う事だ‥‥」
デュークの体が震えている。セバスに対して怒ってるのかもしれない。
「坊ちゃんの為にじぃがひと肌ぬいで!プロポーズ計画を立てました!坊ちゃんが早く幸せになって欲しくて!ユリウス先生にも協力してもらいました!」
「‥‥じゃあ。まだ‥‥死なないよな‥‥セバス‥‥」
(あれ?おかしいな?ここは私に対して怒る所なのに)
「‥‥はい。じぃはまだ死ねません!願いが残り一つありますから」
「‥‥これからも‥‥側にいてくれるんだよな‥‥」
(坊ちゃんの様子がおかしいぞ!)
「当たり前です!じぃは死ぬまでずっと側にいます」
「セバス〜〜っ!良かった!何ともなくて」
デュークは泣きながらセバスに思いっ切り抱きついた。
「本当に死んじゃうと思ったじゃないか!‥‥私の側からいなくなると思ったら‥‥私の胸が締め付けられてずっと痛かったんだぞ!‥‥もうこんな嘘ついちゃ駄目なんだからな。セバスは歳なんだから本気にしちゃうだろ!まだ元気で私を見守ってくれよ‥‥私の子供を抱いてくれよセバス‥‥残り最後の願い叶えてあげるから!‥‥セバスは私の家族なんだから‥‥長生きしてくれよ」
「‥‥申し訳ありませんでした。こんなに心配かけていたなんて‥‥坊ちゃんがこれ程にもじぃの事思っていてくれていたなんて、じぃは幸せ者です!じぃもデューク様が産まれた時からずっと自分の孫のように可愛がっておりましたよ。‥‥ふふふ、坊ちゃんの体はいつのまにか大きくなっていたのですね。小さい頃はよく抱きついてきたのに‥‥久しぶりです」
2人だけの世界に入ってしまった。フランは少し寂しそうだ。
「デューク様とセバス様は恋人みたいですね。せっかく今日デューク様にプロポーズされたのに。主役はセバス様になってしまいました。セバス様に嫉妬してしまいますわ‥‥ふふふ、でもそんな優しいデューク様の所が私が好きになったんですよ!」
こうしてセバスのプロポーズ作戦は大成功で幕を閉じた。
めでたしめでたし
◆◆◆
追加情報
セバスは事前にフランに計画を教えていた協力者の1人でした。
実はフランから恋の相談をされていたセバスが両思いだとわかり、このプロポーズ作戦を考えました。
次回で完結です。




