幸せに近づいたデュークのお話 PART1
とある教師の日常の出来事‥‥
「デューク先生!一緒に縄跳びしようよ!」
「駄目だよ!私とリバーシする約束してるんだから」
「僕も僕も!」「私も私も!」
「俺も俺も!」「じぃもじぃも!」
授業が終わると子供達がデュークの周りに集まってくる。もちろんセバスも。
「はいはい、順番順番!私はどこにもいかないからね」
デューク先生は子供達に大人気なのだ。
「「「デューク先生!デューク先生!坊ちゃん!デューク先生!坊ちゃん!デューク先生!デューク先生」」」
デューク先生コールが学園内に響き渡った。その中に坊ちゃんコールも所々に聞こえた。
「ごぉらぁあ〜っ!セバス!生徒に混じって坊ちゃん呼びするな〜〜〜〜〜」
どうも、まだ坊ちゃん呼びから抜け出せないデューク・ヴェントン男爵23歳です。
あれから一年経ちましたが、まだ婚約者はいなくセバスの坊ちゃん呼びは止められませんでした。
でも、最近気になってる女性がいます。それは‥‥
「ふふふ、デューク先生は人気者で羨ましいわ」
「フラン先生!!」
私の同僚のフラン先生です。フラン先生は誰にでも優しく皆んなに好かれている先生だ。
フラン先生は男爵家の娘で領地がない貴族だ。なのでフラン先生の家は庶民のような生活をしている。私は庶民の生活や何に困っているのか知らなかったのでフラン先生に教えてもらっているのだ。そんな交流をしている内に私はフラン先生に惹かれていった。
「ふふふ、ちょっと生徒達に妬いちゃうわ」
「何言ってるんですか!生徒の前ですよフラン先生」
(そんな事フラン先生に言われたら勘違いしちゃうじゃん!)
「いつもイチャイチャしてるね!先生達!」
「イチャイチャはしていない!そんなに元気が余っているなら今日の宿題を増やそうかな!?」
「「「「え〜っ!」」」
これがデューク先生の日常だ!
だが、そんな日常が崩れようとしていた。
「セバス大丈夫か!?昨日は私と生徒達と一緒にかけっこして、セバスがぶっちぎり優勝していたではないか!どうして急にこんな事に‥‥」
「老いとは急にくるものてすよ‥‥ごほぉ、ごほぉ‥‥坊ちゃん‥‥もうじぃは‥‥長くはないかも‥‥しれないで‥ごほぉごほぉ」
「喋らなくていい!すぐに医者を呼ぶから待っていろ!私にはセバスがいないと駄目なんだよ!私を一人にしないでくれっ‥‥」
デュークは泣き崩れてしまった。
「坊ちゃん‥‥うぅっ‥泣かないでください‥‥ぼっ‥‥ちゃ‥ん‥‥最後にじぃの‥‥願いを聞いて‥‥ください」
「‥‥‥‥‥」
デュークは泣いたままだったので頷く事しかできなかった。
「ふふふ‥‥坊ちゃんは昔から泣き虫ですね‥ごほぉごほぉ‥‥じぃは最後に坊ちゃんの結婚相手を‥‥見たかったごほぉごほぉ‥そして、坊ちゃんの子供を‥‥」
「セバス〜〜〜っ!!」
セバスは言葉を残し眠ってしまった。医者が駆けつけセバスの治療を施した。そのおかげで息を吹き返したのだ。
安堵したデュークは涙を拭い屋敷を飛び出した。セバスの最後の願いを叶えるために‥‥
「はあ、はぁ、はぁ‥‥フラン先生‥‥お話があります」
「どうしたんですか!?そんなに慌てて」
「‥‥フラン先生‥‥私と今すぐに結婚して下さい。お願いします」
デュークは得意の土下座をし、フランに懇願した。周りの人は驚いている。
だが、フランは驚いてないようだ。
「‥‥デューク先生の事です何か事情がお有りのようですね」
「‥‥‥‥」
フランには見抜かれたデュークはフランに事情を全て話した。
「‥‥なるほど、理由はわかりました。では、デューク様は私の事は好きではなく、セバス様のために結婚相手の役をしてくれればいいと言う事ですか?」
「違う!‥‥私はフラン先生の事が好きなんです。フラン先生だから頼んだんです!」
「「「おっー!」」」
周りの観衆達が盛り上がっている。
「ふふふ、始めからそう言ってくれれば良かったのに‥‥私もデューク先生の事好きよ!」
「「「おっー!!!」」」
再び観衆達が盛り上がった!もうお祭り騒ぎだ!
「えっ!‥‥フラン先生が!」
デュークは固まってしまった。まさかデュークの事が好きだったなんて!
結局はデュークとフランは両思いだった。遅かれ早かれ2人はくっ付いていただろう。
デュークが早めに想いを告げる事が出来、2人は早めに結ばれたのだ。恋のキューピットセバスのおかげで‥‥
そして2人は急いでセバスのもとへ向かった。
セバスが亡くなる前に‥‥
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