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平日限定、可愛い生き物

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

夜中に起きて、お布団と仲良くするのが好きなんですよ。


話してる内容がちょっと危ういので、年齢指定させて戴いてます。

寝具纏って準備万全。後は寝るだけという状態で、彼女は自分の部屋へと戻ろうとする。一緒に暮らしてから早数日。何時も後ろをくっ付いて歩く彼女が遠くに見える。

「添い寝してくれないんだ」

振り向き様にそう答えると、ピクっと背中が反応した。彼女も同様に振り返ると、気だるげな瞳が僕を捉える。

「平日の私の寝起き、最悪だよ」

「見てみたいなぁ。ふふふ」

そう言うと、黙り込む事数秒、彼女は意を決した様に踵を返すと、休日同様、ピッタリと背中に擦り寄った。


部屋もベッドも各自である。だからこのベッドは一人用。長髪は此処に収まる事無く滝を作っている。けれども構うことなくしがみついて、胸に顔を埋める。

「明日は平日だ……。今、五月病……」

「そうだね。今まで連休だったものねぇ」

休日の時にはこう言った他愛の無い会話から、睦事に発展するものだが、今日は必死になって我慢する。此方から誘っておいて、手を出したら反則というものだろう。だから気を紛らわす為に髪を撫でる。もしかしたら、君よりも僕の方が寝不足気味かも。

そんな理性と本能との戦いの果てに眠りに着いた。全ての疲労感は安眠への王道である。


ただいま午前四時。起きるには余りにも早い時刻。彼女はまだ眠っているかも知れない。そう思って、また抱き締め直そうとした時だった。寝巻きを掴む握力が僅かに強くなる。

「起きてる?」

少し驚いた様に声を掛けると、返事の代わりにぐりぐりと顔を擦り付ける。寝巻きを掴む指が殊更強くなって、逃げるのを拒んでいる様だった。

「今何時……?」

「午前四時頃」

「何処にも行きたくない。二人でこのまま過ごしてたい。一日これでも良いじゃん……。朝嫌い。大嫌い。ずっと夜で良い」

まだ早朝まで時間があると言うのに、グズグズと駄々を捏ね始めた。被りを振って、また胸元に頭を擦り付ける。

――平日の私の寝起き、最悪だよ。

この言葉の意味を今、理解した。すぐに起きれないとか、また眠ってしまうとか、そうではなくて、しがみついて駄々を捏ねる事を言っていたのか。でもこれはこれで。笑みを堪えて抱き寄せると、耳元で囁く。

「まだ数時間もあるよ」

「それは秒で終わる」

「ちゃんと起きられるかな?」

「キスしてくれたら起きる」

そう言って、不機嫌そうに顔を上げる。眉間には皺が色濃く刻まれている。それに思わず吹き出してしまった。何、この平日限定、可愛い生き物。

笑ったのが気に入らなかったらしい。また服にしがみつくと、ぐりぐりと頭を擦り付ける。

「約束……」

「うん。約束ね」

そうして目覚ましの代わりにキスを落とした。休日を思わせる様な深い深いキスを施した。眠り姫が不機嫌そうに目覚め始める。平日が始まった。

この愚痴のバリエーション、他にもありましたが、忘れてしまいました。

『カーテン開けるな』

『目覚まし鳴るな』

『bad✕〇〇〇✕night流れろ』

『お布団だけが恋人だ』

もその一つ。


休日のベタベタ加減は、完全にムーンライト様行きなので、今は割愛。

平日の寝起き最悪なので、この子の言い分はよくわかります。

微睡んでる時間が何よりも幸せなんですよ。

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