さぁ、はじめよう!
「と、いうわけで!!!!何でも屋開店です!!」
スパイから何でも屋へと変わった私達はお客さんを待っていた。もちろんホームページはつくったし、二階建ての家も買った。アンティークで、落ち着いた家具も部屋にあっている。
私達の何でも屋「赤石」は、予約制でお客さんが時間を決められるようになっている。
今日は、記念すべき1人目のお客さんを待っていた。
「チリンチリーン♪」
扉から顔を出したのは20歳くらいの男性だった。
「あの〜…赤石相談所はここですか…?」
「はーい!合ってますよ!!」
「では、こちらのソファにおかけください。」
男性はゆっくりと座った。足元もふらついているし、顔色もあまり良くない。
「すみません。私は誠と言います。早速本題なのですが…」
「はい、どうされたのですか?」
男性は顔を顰めたまま言いにくそうにしていた。
やがて、落ち着けるように、ゆっくりと喋り始めた。
「実は…ストーカー被害にあっていて。家族にも、友人にも言いにくくて…。そんな時にここのホームページを見たんです。なので、どうにかならないものかと…。」
「ストーカー、ですか…」
実際、誠さんはあまりモテる!という雰囲気では無かった。顔も普通だし、別に特別凄いわけでもなさそうだった。
「なんか、夜、バイト帰りにコンビニに寄ると、絶対に居る女性がいるんです。」
話をまとめると、バイト帰りにコンビニへ行くと、必ずストーカーの女性がいるという。しかし、話したこともないらしく、店を出ると尾行するかのようにちょこちょこ着いてくるそうだ。
「確かにそれは不気味ですね…」
「お願いします!もうここにしか頼れるところがないんです!」
「「…」」
確かに、これだけ聞くとただのストーカーの被害にあっているだけのように思える。ただ、「コンビニ」というところが引っかかった。