1.突然のクビ!?
今まで理不尽なことはいくつもあった。
けど、これはどういうこと!?
「コードネームサラ、コードネーム氷姫をスパイとしてクビにする!!」
「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」
〜1時間前〜
「はぁ…なんでこんな遠くまで…」
隣りの夢が言った。
淡いピンク色のショートカット、目は燃えるような赤、まだ幼いような顔立ちをしている私のパートナーだ。
「しょうがないでしょ。私たちを緊急で呼び出すなんて、重大な任務じゃない?」
私、怜はそう言った。
涼しげな水色の長い髪、涼やかな目は深い青色だ。
私は、夢とタッグチームを組んでいる。
名前は「North and South」。
英語で南北を表す言葉だ。
正反対な私達を表した言葉。
「あっ!見えてきたよー☆」
見えてきたのはモノクロのバーだった。
「チリンチリン♪♪」
「いや、自分で効果音つけなくてもベルなるよ?」
そんなショートコントをしながら店の中へ入っていく。
「いらっしゃいませ。お席へご案内します。」
「あっ、いや、展望台へ行きたいんですけど。」
出てきた老人は小さく「ほぅ…」と言って
「では、こちらです。」
と何も無かったように営業スマイルをむけて案内をはじめた。どうやら伝わったらしい。
《関係者以外立ち入り禁止》と書かれた重い扉を開けて長い廊下をわたった先に大きな広場があった。
月の光にあたり、キラキラと光っている草花がまるで、そこを守るように生い茂っていた。
「やっと来ましたか…。まったく…2分遅れているではないですか…。」
「まぁまぁ、急な呼び出しだったので、しょうがなくないですか?工藤さん。」
工藤と呼ばれた男は、メガネをかけたいかにも理系っていう感じの人だ。
「お前ら、なぜ呼び出されたかわかるか?」
「えっと…任務じゃないんですか?」
「はぁ…。まだ知らないのか…。」
「えっ?」
隣を見てみたが、どうやら夢も知らないようだった。
「今、ここで!コードネームサラとコードネーム氷姫のスパイとしての権利を剥奪する!!」
「「えっ…えぇぇぇぇぇぇぇ!?」」