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工城の屋敷

7話 工城の屋敷


「どうぞ」


 なんか、どことなく妙な気を漂わせた少女?

は、ドアを開け幹尾友紀の隣に座った。


 彼女はフードをとった。

 赤い髪のショート。前髪を目のぎりぎり上で揃えた、おかっぱぽい髪型だ。

 目の色は黒い。

 アレ、さっきは違ってたよな。カラコン取った?


「もう少し走ったら右に入って」

「えっ林の中に」


「そこへ」


 雑木林の中にクルマ一台入れるくらいの道があった。鋪装はされてないが黒い土でかためられた道にはタイヤのアトが見える。


 ちゃんと使われているようだこの道。

 工城の家は雑木林の中か、見えないわけだ。


「そこ右に」


 しばらく走ると右にコンクリートでかためられた場所が。ここは? 屋敷の門。


 門は大きな鉄の壁のようだ。奥に屋敷の屋根が見える。この屋敷を見えなくしてる高い木の雑木林は工城が作ったのか?


 門の前にクルマを停めてボクは降り見まわすと、鉄門の横に小さなドアが。

 インターフォンがあったので押した。


〘はい〙


 中年女性の声が。


「あのぉこちら工城鱗二郎氏のお宅で?」

〘はい。どちら様でしょうか?〙

「東京のウィッチ・パラダイスの者です。あとニ名、鱗二郎氏のお招きで来た者ですが」

〘はい。お待ちしておりました。門を開けますので、おクルマは奥のガレージに〙


 大きな門がゆっくり開くと屋敷の全体が見えた。

 三階建てだ。白かったであろう外壁は汚れや蔦が生い古さを物語った建物だ。

 そして広い庭に植えられた植物たち。この庭、手入れも大変だろ。が、キレイに刈られている。


 ガレージは少し奥に。幌がついた軽トラックと乗用車が止めてある。

 その横にクルマがあと二台くらい入るスペースが。ガレージも大きい。

 これだけの土地や大きな屋敷だ。ただの大学教授じゃ維持も大変だろう。


 クルマから、降りたソフィ。

 助手席では、近すぎてあまり見れなかった久しぶりに見たソフィの普段着? 今日は少し魔女めいた黒い服に星型の模様が入った大きいストールをまいてる。タイトスカート姿だ。

 最近は占いコスばかりだったので新鮮だ。


 さすがに学生時代とは変わり大人のソフィ。

 その横の幹尾は対照的なグレイのパーカーに穴開きジーンズだからとくにそう思えるソフィだ。


 さすが、玄関も大きく。立派な屋根に観音開きのドア。

 そのドアが静かに開いた。

 年代物のシャンデリアの下には古風な黒いロングスカートに白いエプロンを付けた白髪交じりの髪の老メイドが。


「お待ちしておりまた」


 声からして、インターフォンの女性だ。

 もっと若い人だと。

 でも、その斜め後ろのメイドにもっとびっくりした。 なんと、その姿はこの古風な屋敷に似つかわしくないメイドカフェとかで見るミニスカートに小さなエプロンの若いメイドだったから。

 前の老メイドとは、また対照的な。


「いらっしゃいませお客様」


                つづく

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