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倉田昭和

3話 倉田昭和


 昼食タイムを終えたボクは、相棒刑事の倉田さんと待ちあわせ場所の日比谷のゴジラ像の前に。


 時間に少し遅れたが、毎度倉田さんはきてない。そんなのもう当り前になっている。


 相棒っていっても五十代のベテラン刑事。

 だが、未婚で家族は無し。


 一応倉田さんの趣味も考えて昼食タイムは二時間。最近はこれでも足りない。


 倉田さんは、この時間映画に行ってる。

 仕事が終わってからも行く程の映画好きだ。


 一時間くらい待ってようやく来た。


 いつもの火のつけてない、くわえタバコ。

 まあ当り前だ。都内でほとんど歩きタバコは出来ない。

 名前は昭和と書いてアキカズ。だからではないが倉田さんの口グセ。


「昭和は良かった」


 が、時々わかるような気がするボクは平成生まれ。


 ホントかどうかあやしいが若い頃は警視庁のダーティハリーと呼ばれていたとか。

 ディスクを借りて観た「ダーティハリー」。主演の俳優と顔が少し似ているだけだと思った。

 仕事は今とあまり変わらずと課長が言ってた。ダーティーでも何でもない。


 課長は倉田さんの同期だそうだ。


「いや、待たしたな」

「毎度のことでなれました」


「舞台挨拶が、あってよ。生、織島小百合見れたよ。いや可愛かったな。惚れ直した。映画も良かったね。おまえも観ろ」

「今日の映画は、確か『ガジラの逆襲』でしたよね。アレ何年前です? オリシマ・サユリって、倉田さんより年上ですよね。可愛いって」

「あの歳で可愛いって言える女優はそういねぇぞ。彼女も俺と同じく独身だ、結婚すっと、すぐに老けるぞ」

「人にもよるんじゃ?」

「いやいや、子供出来て、学費だ、家のローンだって。苦労すんだ。課長の林田を見ろ、あいつ俺より年下だぞ」

「それって、倉田さんが結婚しない理由ですか?」

「そんなコトは言ってねぇよ。結婚しないのは、俺の前にその相手が現れねぇからだ」


「しかし、ボクらの仕事は……。なんでボクらは大きな事件の捜査からはずされるんですか? ボクもアキバのメイド失踪事件の捜査したいです」

「あれか、渋谷の杜公園で見つかったバラバラ遺体が失踪したメイドの物とわかり一課にまわってきたヤツな。まあああいうのもあるが、おまえの仕事じゃない」

「なんですか? ソレ、ボクも一課ですよ」


「あ、あの倉田さん。この男、知ってます?」


 ウィッチ・パラダイスでソフィが依頼を受けた男の名刺をスマホで撮った画面を見せた。


「クジョウ・リンジロウ……こいつがなにか?」

「読めましたね。ボクの知人は、工場って。いや、特に何も。知り合いに……」

「工城鱗二郎……。知らねぇなぁ」


               つづく

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