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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
最終章 西洋連合の軍事大国

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第80話 作戦開始

 予定通り、まずは鉄条網を破って港の敷地内に侵入。

 コンテナにぴたりと背中を貼り付け、陰からこっそりと様子を窺う。


「……よし、誰もいませんね」


 今頃兵士たちは軍事演習を始めるために各々配置についている頃だろう。さすがにこの辺りには誰もいないはずだ。しかし、絶対に成功させなくてはいけない以上、念には念を入れて行動することが重要だ。


 美空みくは素早く次の角まで移動し、今度は建物の壁に背を預ける。


『大丈夫、この先も誰もいないよ』

「ありがとうございます」


 マルファの支援も受けながら、誰にも見つかることなく目的のポイントへ向けて進んでいく。

 建物の裏手を回り、その奥から眩しい光が差し込んできた。


「海が見えました。あとは岸壁沿いを駆け抜けるだけですね」

『うん。さすがにここからは戦闘は避けられないと思うから、頑張ってね』

「ええ。マルファさんも、ハッキングよろしくお願いします」

『もちろんだよ。任せておいて』


 腕に巻いたスマートウォッチ、その中にいるAIマルファと健闘を誓い合い、美空は一度大きく深呼吸をする。


「さてと、行きますか」


 心を決め、勢いよく地面を蹴って表に出る。

 燦然と輝く海面を横目に、そのまま全速力で疾走。


 しばらくして、遠くの方で迷彩服姿の兵士が声を上げた。


「おい、あそこに誰かいるぞ!」


 それがきっかけとなり、次々と同じ迷彩の兵士たちが姿を見せる。


「何だ、侵入者か!?」

「相手は一人だ、さっさと捕まえようぜ」


 やはり見つかったか。

 話している言語からして、彼らは恐らくフォルク軍。ここから見える限りでは、装備は自動小銃のみ。


「まあ、私にかかれば余裕でしょう」


 薄く笑みを浮かべて呟いた美空は、立ち止まることなく前へ走り続ける。


「おいおいあいつ馬鹿なのか? そのまま突っ込んできやがるぜ?」

「そりゃ何カ国もの軍が集まるタイミングで軍港に忍び込む奴なんて馬鹿に決まってるだろ」

「はははっ、確かにな。んじゃ、銃口向けて威嚇するぞ」


 距離が近づいてくると、彼らは銃を構えてこちらに呼びかけた。


「そこの侵入者、今すぐその場に膝をついて投降しろ! 命令に従わない場合、即時射殺する!」


 誰が従うものですか。


 美空は足を止めず、さらに距離を詰める。

 そして、フォルツ軍の兵士たちが一瞬焦った隙を見逃さず、即座に魔法を唱えた。


「魔法目録三十三条、拘束」


 右手を伸ばし、拘束魔法を発動。

 彼らは引き金を引くより早く身動きが取れなくなる。


「くそっ、何だこれは!?」

「まさか、魔法か……!」


 地面に倒れ込んで唸る兵士たちを飛び越え、目的地へと急ごうとしたその時。

 最初に美空を発見した男がハッとした表情をして叫んだ。


「っ、お前は……。敵襲〜っ! コードワルプルギス!」


 直後、けたたましい警報音が港の敷地内全域に鳴り響いた。

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