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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
第4章 旧連邦圏の国

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第64話 突然の警報

 それから一週間後。

 毎日の特訓により、ヴィーカは美空みくと互角に戦えるまでに実力を付けていた。


「魔法目録二条、魔法光線」

「魔法目録三条、魔法防壁!」


 美空の放った光線がヴィーカの展開した防壁にぶつかり、ドカンと衝撃音が鳴り響く。


 やはり彼女の防御魔法はかなりレベルが高い。守りだけなら彼女に敵う魔法能力者はいないとさえ思える。

 これで戦闘術まで完璧にマスターしたならば。

 想像するだけで恐ろしい。


「随分と戦闘にも慣れたみたいだね、ヴィーカ」

「うんっ! これでカタリナと一緒に戦える?」

「そうだね。あと少しってところかな」


 ヴィーカに話し掛けつつこちらに歩み寄ってきたカタリナに、美空は一つ質問をする。


「すみません、カタリナさん。そろそろヴィーカちゃんと本気の模擬戦をやりたいなと思うのですが、構いませんか?」

「本気の模擬戦って、どの程度の?」


 首を傾げるカタリナに、説明を加える。


「私が敵役として、空から攻めます。それをヴィーカちゃんが対処出来るかという、言わば演習のようなものです」


 すると、カタリナは少し考えてから首を縦に振った。


「……まあ、お互い怪我しない程度なら構わないよ。ただ、万が一危険を感じた時はすぐに中止すること」

「了解です」


 こうして、美空とヴィーカは簡単な基地防衛戦を行うことになった。




 十分後。万全の準備を整え、いよいよ模擬戦開始。

 美空は基地の上空から、レーザー交戦装置を取り付けた小銃を構え管制塔を狙う。


 レーザー交戦装置とは、その名の通りレーザーを発射するプロジェクターと受光するディテクターからなる訓練機材。実弾を用いることなく交戦訓練が行えるとして皇国護衛隊を含め多くの国の軍で採用されている。


「させないよっ!」


 直後、真下から急加速してきたヴィーカ。


「こちらの狙いにくい角度を的確に突いてくるとは、なかなかやりますね」


 彼女はこの一週間で驚くべく成長を遂げた。

 だが、美空は史上最強の魔法能力者だ。そう簡単には負けるつもりはない。


 空中でくるりと身体の向きを変え、銃口をヴィーカに向ける。

 そして素早く引き金を引くが、ヴィーカはすかさず無詠唱で魔法防壁を展開しレーザーを防いだ。


 続けて、美空は得意の無詠唱超短距離転移魔法でヴィーカの背後へ瞬間移動。


「魔法目録二条、魔法光線」


 間髪入れず次の攻撃を繰り出す。

 しかし、ひたすら攻撃を浴びせ続けたところで防御の才能が高い彼女を追い詰めることは出来ない。


「そろそろ、私も反撃させてもらうね!」


 展開した防壁はそのままに、こちらに右手を伸ばすヴィーカ。

 まずい。美空は自分が置かれた状況の悪さを一瞬で悟った。


 ヴィーカは自分が魔法を放つタイミングで魔法防壁を解くつもりなのだ。

 それをされてはこちらが先手を打つことは不可能。守るか避けるかしか選択肢が与えられていない。


「ヴィーカちゃん、私が教えた以上に強くなりましたね……」


 呟き、この状況における最善の手は何かと思案する。


 と、その時だった。


『ジリリリリリ……!』


 突如、けたたましい警報音が基地内に鳴り響いた。

 すると、それを聞いたカタリナが空中で対峙する美空とヴィーカに向かって最大の音量で叫んだ。


「二人とも、空襲警報だ! 早く地上に降りて!」

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