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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
第4章 旧連邦圏の国

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第60話 一日目終了

「ヴィーカ、訓練はどうだい?」

「ちょっと大変だけど、すっごく楽しいよ!」

「そうか。それじゃコーシチカ、午後もよろしく頼むよ」

「はい、任せてください」


 食堂でカロリーバーのみの昼食を終えた美空みくとヴィーカは、時折カタリナに見守られながら午後も訓練を続けた。


 ヴィーカの技術やコツの吸収力はまるでスポンジのようで、日が沈む頃には自分と遜色ないほどまでに無詠唱超短距離転移魔法を使いこなせるようになった。


 そして夕食の時間。

 美空とヴィーカが食堂へ戻ると、ちょうど出来立ての料理をテーブルに並べていたカタリナが笑顔で出迎えてくれた。


「やあ、二人ともお疲れ様。夕飯は少しだけ豪華にしてみたけど、どうだろう?」


 テーブルの真ん中に置かれた鍋の中には、真っ赤な色をしたスープが入っている。具材は肉と野菜が中心のようだ。匂いからして辛い味付けという感じでは無さそうだが、これは一体どんな料理なのだろうか。


「このスープはユークスタンではよく食べられているものなのですか?」


 首を傾げ問いかける美空に、カタリナはこくりと頷く。


「ああ、ボルシチって言うユークスタンの名物料理だよ。まあ、旧連邦圏の国では結構食べられているんだけどね」

「でもでも、ユークスタンのやつが一番美味しいよ!」


 割り込んで主張してきたヴィーカに、カタリナは苦笑しつつ加える。


「まあ、一番かどうかはともかく、発祥はユークスタンと言われている」

「へえ、そうなんですね。では、この赤い色合いは……?」


 続けて美空が調理工程について質問しようとすると、先に疑問を読み取ったらしいカタリナがこちらの言葉を遮って口を開いた。


「この赤い色はビーツという野菜の色さ。スパイスは入っていないから辛さは心配いらないよ」

「この色、野菜だったんですね」


 ビーツ。世界にはそんな野菜があったのか。皇国では全く聞かない野菜だ。


 世界はまだまだ知らないことで溢れているな、というか辛さの心配をしていることまで見抜かれた、などとあれこれ考えていると、カタリナが言った。


「さて、立ち話をしている間にもボルシチが冷めてしまう。早く食べよう」

「ほらジェーブシカ、何ぼーっとしてるの?」


 ヴィーカに服の裾を引っ張られ、ようやく美空は思考を目の前に引き戻す。


「あ、すみません。折角の美味しい料理、温かいうちに食べないとですね」


 椅子に座り、カタリナからボルシチの入った小皿を受け取る。

 そして、真紅のスープを口に運ぶ。


「……はい、とても美味しいです」


 美空が感想を口にすると、カタリナは満足そうに頷いた。


「だろう? この基地じゃ貴重な食材の豚肉まで使ったんだ。これで不味いなんて言われた日には、ボクはきっとショックで寝込んでいただろうね」

「カタリナ、それはちょっと大袈裟すぎない?」


 ヴィーカのツッコミに、カタリナがクスッと笑う。


「お二人は、とても仲良しなんですね」


 その様子を見ていた美空がぽつりと呟くと、二人は顔を見合わせて大きく首を縦に振った。


「ああ、そうだよ」

「うん、すっごく仲良し!」

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