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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
第4章 旧連邦圏の国

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第58話 近接魔法戦闘

 朝九時。準備を済ませた美空みくが滑走路に向かうと、すでにヴィーカが待機していた。


「遅いよジェーブシカ!」

「すみません。しかし、約束の時間は過ぎていないと思いますが……」

「遅いったら遅いの!」


 頬を膨らませたヴィーカに理不尽な怒りをぶつけられる美空。

 まあ、それだけ訓練に前のめりということでもあるのだろうが。


 とはいえ、年端もいかない小さな女の子が魔法戦闘の訓練を楽しみにしている状況は今更ながら異様に感じてしまう。だが、彼女に課せられた切り札としての運命と比べれば、魔法戦闘の術を身に付ける道の方が希望を感じられるのかもしれない。


「では、早速訓練を始めていきましょう。今日のプログラムは近接魔法戦闘です。地上戦における最も基本的な戦い方なので、まずはこれをしっかりと身体に叩き込んでもらいます」

「うん、分かった!」


 美空とヴィーカは互いに数メートル離れた位置まで移動し、向かい合うように立った。

 そこで、これから行う訓練の詳細な内容を告げる。


「これから私はヴィーカちゃんの背後を取りに動きます。ヴィーカちゃんは私に背後を取られないように立ち回ってください」

「それだけでいいの?」


 そんなの簡単だと自信を覗かせるヴィーカ。

 美空は不敵ににやりと笑い、念を押すように忠告する。


「私はどんな大人げない手段も使いますからね。決して油断しないでください」

「平気だよ。ジェーブシカには絶対に負けないもん」


 ほう、なかなか強気ではありませんか。

 しかし、彼女はまだ美空の本気を知らない。そう言っていられるのも今のうちだけだ。


「三、二、一、始め」


 スリーカウント数えたところで、美空はヴィーカの背後を取るべく駆け出す。

 それを見たヴィーカは当然こちらの動きに合わせて身体の向きを変えてくる。


「ほらほらジェーブシカ、後ろに回り込むんでしょ?」

「ええ、もちろんそのつもりですよ」


 余裕の態度で挑発するヴィーカに、美空は鋭く方向転換しながら答える。

 もちろんこの動きにも対応されてしまうが、こちらに一切の焦りは無い。

 なぜなら美空には、相手が誰であろうと絶対に反応不可能な秘策があるからだ。


「さて、そろそろ仕掛けるとしましょう」


 呟き、ヴィーカの方をちらりと見遣る。

 そしてタイミングを計りその秘策を使った。


 直後、ヴィーカは予想外の出来事に驚いて大声を上げた。


「あれ!? ジェーブシカが消えた!」

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