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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
第4章 旧連邦圏の国

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第51話 常時発動

 魔法目録十一条、心理読解。付則、常時発動。

 心理読解魔法を使える魔法能力者は世界的にも珍しくないが、常時発動が伴うと話は大きく変わってくる。


 そもそも『付則』とは、通常とは異なるパターンで発動する魔法能力のことを指す。その中でも『常時発動』は極めてレアなケースと言えるだろう。


 常時発動はその名の通り常に魔法が発動したままの状態である。そのため、本人の意思や状況問わず魔力が完全な状態から一定程度削られるので、大元の魔力を多く有することが求められる。


 また、常時発動を持つ魔法能力者は言い換えればその能力を制御出来ないということでもあり、有効に活用しながら生きていくには相当な苦労があると聞く。


「心理読解魔法の常時発動ということは、カタリナさんは私の心をずっと読んでいたんですか?」


 もしそうであるなら、自分の正体がバレてしまっていることは確定だ。

 問いかける美空みくに、カタリナは首を左右に振った。


「いいや。ボクの魔法では心の声を完璧に聞き取ることは出来ない。でも、断片的には聞こえていたのは事実だ。黙っていて悪かったね、コーシチカ」

「いえ、カタリナさんが謝る必要はありません。ですが、どこまで聞こえていたのかだけ教えてください」


 ここで正体を言い当てられた場合、この基地に留まる選択肢は消える。

 美空はカタリナの目をじっと見つめ、静かに答えを待つ。


 カタリナは顎に手を当てて少考し、はにかみながら口を開いた。


「うーん、そうだね……。あまり素性を知られたくないってことと、戦闘が得意ってこと、あとは凄い魔法能力者ってことくらいかな」

「凄い魔法能力者とは、なかなかアバウトですね……」

「そう、ボクの心理読解魔法はかなり大雑把なものなんだよ。だからそこまで心配しなくていい」


 彼女の言葉を信じるなら今のところ美空の正体はバレていない。

 そして、自分が気を付けてさえいれば読み取られることも無い。


 ならばヴィーカの先生役を引き受けても大丈夫だろうか?


 すると、美空のその思考を読み取ったのか、カタリナがタイミング良く質問を投げかける。


「それでコーシチカ。話を戻すけど、ヴィーカの先生になってくれるかい?」

「お願い、ジェーブシカ!」


 続けてヴィーカもぺこりと頭を下げた。

 その必死さがとても可愛らしい。


 小さな女の子にここまでされてしまってはさすがに断れない。

 美空は頷き、微笑んで答えた。


「分かりました。ヴィーカの先生役、出来る範囲で頑張ってみます」

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