表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裸足の分岐点  作者: 雅 翼
1/1

死神に祈りを



  「誰か私を車でひいてくれますように」



肩に強くくい込むランドセルの紐をギュッと


握り締めながら


初めて死神に祈った。


呪文のように繰り返し繰り返し


5㎞の通学路を、友達と流行りのテレビアニメの主題歌を歌いながら、死神とコンタクトをとろうと全力で祈った


途中、保育園の園長先生の家の横を通る


通学路を挟んで向かいには園長先生の家の農機具

小屋がある。いつも少しだけ農機具小屋の扉は開いている


覗こうと思えば、たやすく覗けるのだが、なんとなく農機具小屋の中を覗く事が怖かった。


怖かったと言うより


覗くにはまだ早いと感じていた。



まだ早い匂いがしたからだ。



今は2月。雪が積もる細い道を夏スカートとセーターという奇妙な組み合わせの服を着ている


私はアップリケをしたダサいコーデュロイのズボンが大嫌いだった。


母親が繕ってくれたズボン


履くと減る気がしていたから履かなかった


だから、大嫌いという魔法を自分自身にかけた


ある日保育園から帰ったら母親はいなくなっていた

それからコーデュロイのダサい大嫌いなズボンは履いていない


あれから4年経ち、私は今小学3年生です


今日も


  「誰かが私を車でひいてくれますように」


と祈っている


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ