新しい名前と新しいお母さん
よろしくお願いします。
「どうしたの?こんなところで?あなたの年頃の子は、もう家に帰る時間だよ?」
そう女性は言う。
帰る家?そんなのないから、ここにいるんだよ!事情も知らないのに、そんなことを言うな!
「どうして、私を睨むの?」
「ごめんなさい!つい....」
おっと。つい睨んでしまったらしい。ごめんなさいね。でも、何も知らないのに、そんなことを言わないでほしい。
「私の名前は志帆!君は?」
彼女に名前を聞かれる。
「わからない...です」
「はぁ?」
「ごめんなさい!」
「いや、怒ってる訳じゃないのよ?どうしてわからないのか、気になるだけ」
志帆さんはそう言って、オロオロする。可愛い。
俺は、あの男にことを彼女に言ってもいいのだろうか?
改めて彼女を見る。容姿は、綺麗というより可愛いという感じだ。髪は、藍色の艶のある髪で、とても長い。女子高生ぐらいだろうか?身長は、155cmぐらいだろうか。小さい。優しく、微笑んでいる。可愛い。
この人なら大丈夫かな?優しそうだし。完璧に容姿で決めたけど!
「志帆さん」
「はい!なんでしょう?」
「大事な話です。聞いてくれますか?」
「もちろん!」
志帆さんは、即答した。よし。気が変わらない内に話そう。
俺は、彼女に話始めた。自分のクソみたいな、現状を。
毎日、男(多分父親)に暴力を振るわれること。
なんで、暴力を振るわれるのか、分かっていないこと。
母親は、見たこともないこと。
毎日食べているのは、床のゴミや男の残飯(米粒二、三粒ぐらい。俺に取っては、貴重な食べ物)
などなど、俺の吐き出したくなるような、現状を包み隠さず話した。
「これが、俺が家に帰りたくない理由です...」
「..そっか」
俺が話し終えると、志帆さんは、黙り込んだ。当たり前だ。急にこんな話をされて、何も思わない方がおかしい。
志帆さんは、しばらくすると、予想外なことを言った。
「よし!私の息子になりなさい!」
「はい?」
「私の息子になって!」
「what's!?」
「私の息子になって!」
おう、すげぇよ、志帆さん。英語が理解できたなんて!
というかなんて言ったんだっけ?確か...
ワタシノムスコニナッテ?だよね?え?何言ってんの?
what's!?one more time please?what a heck!?
おっと、つい映画が。ごめんなさいね!
「でも、そんなこと法律とか、大丈夫ですか?」
「私がどうにでもする!」
「でも、家族とかは?」
「夫は死んでるし、二十二歳の娘がいるけど、大丈夫!私がどうとでもする!」
えぇ。夫さん不憫すぎでしょう。可哀想..というか、二十二歳の娘!?え?志帆さん何歳!!mitametonennreigaattenaiyo!?
は!?まさか子供作っちゃいけない年齢のときに...
「有罪!」
「?どうしたの?幸ちゃん?」
「な、なんでもないですよ!?」
「なに?なんで疑問系?」
「なんでもないって言ってるでしょ!」
まぁ、この話は置いといて、志帆さんの息子かぁ。あの男と過ごすよりは、何兆倍もいい。いいね!
「志帆さん、これからよろしくお願いします」
「幸ちゃん!!」
俺が言うと、志帆さんは、俺に抱きついてくる。えぇ?何?その柔らかいのは、兵器ですよ?俺の大事なところに対して。
俺座ってるから、ダイレクトに当たっちゃうよ!?その兵器に。それに、いい匂いが!!精神的にきついぜ!
「幸ちゃんこれからよしくねぇ!」
「は、はい」
「幸ちゃん!!」
志帆さんは、優しいな...本当に。っていうか、幸?
「あの、志帆さん。幸ちゃんって?」
「幸ちゃんは、幸ちゃんだよ?」
「いや、そういうことじゃなくて..いつ俺が幸ちゃんに?」
俺が聞くと、志帆さんは、立ち上がる。そして言う。
「幸ちゃんは、今まで不幸を通り越して、最低な人生だったんでしょ?だからこれからは、私が幸ちゃんを幸せにする!そういう意味を込めて、幸だよ!幸せって書いて幸!いいでしょ!?」
そう嬉しそうに言う彼女に、俺は我慢できなかった。気づくと、彼女を抱きしめいた。俺は、まだ子供だから、彼女より少し背が低い。
「幸ちゃん?」
志帆さんは、そう言って首を傾げる。でも俺は、どうでもよかった。
ただ声を出して泣き叫んだ。真夜中の公園に。
「母さん!母さん!ああ″ぁ!」
「...」
志帆さんは、泣き叫ぶ俺を優しく見つめて、撫でてくれた。何も言わずに。静かに。
初めてだった。こんなに、優しくしてもらったのは。初めてだった。こんなに、感情をさらけ出したのは。
嬉しかった。彼女が静かに、俺を受け止めてくれて。本当に嬉しかった。彼女の息子になれるのが。
心地よかった。彼女の腕の中にいるのは。心地よかった。彼女の温もりが。
でも、同時に思った。いつか、彼女を支えられる人になって見せると!
「幸ちゃん。これから、よろしくね..」
「うん"!母さん!!」
このときからだ。俺と彼女が、家族になったのは。本当に、心地のいい、俺の居場所だ。
しばらくして泣き止む。今まで静かに、抱きしめてくれた志帆さんは、本当に優しくて、俺の母になってくれるんだな、と感じた。
「どう?落ち着いた?」
「はい。本当にありがとうございます。志帆さん」
俺がお礼を言うと、彼女は、頬を膨らませて俺を睨む。ああ、可愛い。でも、どうしたんだ?
「幸ちゃんは、私の息子になるんだから、敬語はいらない!あと、さっきみたいに、母さんって言って!」
ああ~。そういうことか。というか俺、泣いてたときに志帆さんのこと、母さんって言ったの!?嘘だろ?っていうか、母さんって呼んでほしいの?Really?
「わかりまし...わかったよ」
俺が言っても、志帆さんは、頬を膨らませたままだ。
「母さんって呼んで」
ああ、バレたか...っていうか、ハードル高いよ!志帆さんのことを母さんって呼ぶの。今日会ったばかりだし。それに、見た目は女子高生だもん!
「母さんって...呼べない?」
目がうるうるしてる。
「っ!わかったよ...母さん!//」
Oh!!今のはずるいぜ!泣きそうな目で見つめられるのは...志帆さんって可愛い過ぎないですか!?
「幸ちゃん!!」
志帆さんが嬉しそうに言う。俺が泣いたせいで、彼女の服は、汚れと涙と鼻水で、ひどいことになってる。髪も、綺麗なのに...彼女は、気づいてなさそうだけど。
「母さん、ごめん!」
「え?なに?どうしたの?」
志帆さんが、首を傾げる。あざとい。
「その、服や髪が..俺のせいで..」
「ああ、確かに、ヤバいね」
「本当にごめんなさい!」
「いいよ、別に。それより、私の手を握って?」
「?わかったよ」
俺は、志帆さんの手を握る。え?なに?この柔らかさ。めっちゃスベスベで、もちもちなんだけど?え?女神じゃね?hand are God!!
「じゃあ、いくよ!!」
「え?どこ
俺が言い終わる前に、目の前の景色が消えた。えぇ。なにこれ?どういうこと?
次回は、母と姉にお風呂で甘やかされます!いろいろと甘やかされます!(ネタバレごめん!)
ぜひ次回も見てください!
更新は、毎日夜の九時半ぐらいに、投稿します!
面白い、続きが読みたいと思ったら、評価ボタンクリックと感想お願いします!