【第9話】「最期」
【注意】
・これは東方Projectの二次創作小説です
・原作にない設定、キャライメージの独自解釈等を含みます
・この作品の特性上、ネガティヴになりやすい方は閲覧注意、自己責任の元でお読みいただくようお願い致します
遠くから鳥の囀りが聞こえてくる。風は木々の間を駆け抜けざわめく。
魔理沙「最期…か。」
そう呟いた魔理沙だが、直後に笑顔を作ってこう言った。
魔理沙「けどな、私は決めてるんだ。お前が死ぬ時は、私が笑顔で送り出してやろうってな。だから涙なんか流さないぜ?お前も涙でお別れ、なんて望まないと思うしな。」
霊夢の目はかすみ、もう何も視認することはできなかったが、見ずとも魔理沙が笑顔で優しく語りかけているのが分かる。
霊夢「…ええ、そうね。私も湿っぽいお別れなんて嫌よ。だから笑顔で送り出して頂戴。私も笑顔で逝くから。」
そして静かに彼女は続ける。
霊夢「さっきも似たようなことは言ったけれど、私は幻想郷で巫女として生きてきて、あんたのような親友にも恵まれて…本当にいい人生だった。改めてお礼を言うわ。ありがとう。」
ここまで言い切って、霊夢は意識が飛びそうになる。
魔理沙は霊夢の言葉に応える。
魔理沙「いい人生だった、か。お前がそう思うのならそうなんだろう。その片隅に私が存在できた。このことはこれから先忘れないし忘れられやしない。そしてもちろんお前のことも、な。」
泣かないとは決めていたが堪える涙が今にも溢れ出そうになる。
しかしそれでも魔理沙は無理矢理笑顔を作ってそう言った。
おそらく魔理沙は何か言っているのだとは思うのだがもう霊夢の耳には何も聞こえない。
もしかしたらもう声は出ていないのかもしれない。
それでもまだ伝えたいことがある。
だから紡げ、その言葉。
──空の高いところで太陽は佇み、日差しは燦々と降り注ぐ。
霊夢は今日、春の暖かい気候に、そして最高の仲間に見守られて死んだ。
魔理沙はなんとか涙を堪え切って霊夢を送ったが、その後はもう耐え切ることが出来なかった。我慢していた涙が溢れ出す。拭っても拭っても拭いされない。
しかし、もう動かない霊夢に涙ながらに語りかける。
魔理沙「馬鹿野郎…声は聞こえなかったけどお前が最期に言ったことは分かった。…ったく、反則だぜ、あの言葉は。…私もな、お前と過ごせて楽しかったし幸せだった。本当に…ありがとうな。」
霊夢は最期、穏やかな笑みを浮かべ『あんたと出逢えて、あんたと過ごせて良かったわ。私の人生はあんたとだから良いものになった。』と唇を動かし息を引き取った。
その後もしばらく、魔理沙の啜り泣く声が辺り一帯にこだましていた。
【作者の一言】
第9話まで終えました。
ついに霊夢は、言葉と共に息を引き取ってしまいました。魔理沙は最後まで耐え切ったもののその後は我慢し切れなかった。
2人の固い絆、友情を描きつつ、自分の死生観を込め、ここまで書いてこれたと思います。
ですがストーリーはまだ終わりません。霊夢がいなくなって、残された魔理沙は何を思うのか。次回、最終回。第10話です。




