【第6話】「逢いたい」
【注意】
・これは東方Projectの二次創作小説です
・原作にない設定、キャライメージの独自解釈等を含みます
・この作品の特性上、ネガティヴになりやすい方は閲覧注意、自己責任の元でお読みいただくようお願い致します
心地よい春の日差しの差す博麗神社。
その居間で霊夢は病床に臥せっていた。
霊夢「もうそろそろ…なのね。」
一言で言うなら、霊夢の身体はほぼほぼ限界を迎えていた。なんとかこうやって話せてはいるのだが、もう身体は思うように動かせない。起き上がることすらできない。
紫「…博麗神社の巫女の後継の件についてはもう見込みはついているから心配要らない。それにしても、人の一生というのは短いものね。」
傍で霊夢の様子を見ていた紫が静かな口調でそう言った。
博麗霊夢は博麗神社の初代の巫女ではない。過去何代も巫女は存在し、紫は何人もの人間の一生を見てきたのだろう。
そして、彼女は言葉を続ける。
紫「あなたは、自分の人生に満足しているかしら?そして、後悔はしていないのかしらね?」
霊夢「ええ、私の人生は良いものだったわ。…後悔。小さな後悔は過去に何度もあったけど今となっては気にならないわね。…まあ強いて上げるとするならば。…最期に『あいつ』に逢いたかったわね。」
紫「人生がいいものだと言えるのならそれは良かったわ。あの子にも、霊夢が危険な状態なのは知らせようと思ったのだけれど、いつもの場所にはいなかった。アリスにお願いはしたのだけど、どうかしらね…」
霊夢「あいつはおそらく…まだ怒っているんじゃないかしらね。あれ以来、ここには現れていないし…」
霊夢は言葉にこそ強く出しはしないが、心では『あいつ』に逢いたいと強く願っていた。もう自分の身体は長くは持たない。だから最期に。
その気持ちは言葉ではなく口調から簡単に悟ることができた。
霊夢の容態はその間にも悪くなって行き、徐々に視界が薄れ始める。霊夢は紫に感謝の言葉を述べる。
霊夢「本当に短い一生だったわね…紫、最期までありがとうね。」
紫「いいのよ。…私がここに連れて来たようなものだし最期くらい。」
霊夢は寝転んだまま、障子の隙間から見える空をぼんやりと眺める。
ふいに強い光をもたらしていた太陽が雲に隠れた。
【作者の一言】
以上、第6話でした。
当初予定していた第6話とはかなり違う感じになりましたが、これはこれでありな方向になったのでそのまま投稿しました。
ついに博麗の巫女にも終わりの時が刻一刻と迫ってきていますが、『あいつ』は現れるのでしょうか。




