【第10話】「彼岸花の咲く河」
【注意】
・これは東方Projectの二次創作小説です
・原作にない設定、キャライメージの独自解釈等を含みます
・この作品の特性上、ネガティヴになりやすい方は閲覧注意、自己責任の元でお読みいただくようお願い致します
季節は春だというのに彼岸花が咲いている。それが暖かい風に揺れ、異質な光景を生み出している。
三途の川の渡し守、小野塚小町は水面に映る夕日を見て、侘しんでいた。
ふと後ろから声が聞こえる。
???「そこの船頭さん、船を出してもらえないかしら?」
小町「分かりました。船を出しましょうかね。あんたの願いとなりゃ、断るわけにはいかないし。ね、博麗の巫女さん。」
霊夢「形はともあれ久しぶりね。」
小町「そうだね。あんたが幻想郷に来てから、もうそんなに経ったってことか。」
霊夢「人の一生なんて短いものよ。…けど、いい人生だったわ。」
小町「そうかい。」
霊夢「…1つだけあんたに頼みたいことがあるの。いいかしら?」
小町「いいよ。言ってみて。」
霊夢「私が魔理沙に『あなたは何のために生きるの?』って聞いた時。魔理沙は何も応えなかった。それだけが気がかりで…」
小町はここで言葉を遮る。
小町「ああ、そんなことかい。それは心配しなくてもいいんじゃないかな?」
その頃魔理沙は博麗神社から、自宅である霧雨魔法店に帰ってきていた。
魔理沙「これから私はどうすればいいんだろうな。…って言っても落ち込んだところで何も変わらないしやることだって大して変わらないんだがな。」
ふと霊夢が言っていたフレーズを想い出される。
魔理沙「『あんたは何のために生きるの?』か。」
あの時、霊夢の言葉には黙ってままの魔理沙であったが、しっかりと答えは胸の中にあった。
魔理沙「これまではお前と楽しく過ごせればそれでいいって思ってたけど。魔法使いとして生き、お前を見送った今は生きる意味がまた増えたな。お前が大好きだった、そして私も大好きなこの幻想郷の行く末をいつまでも見守りたい、だから私は生きる。まあ人間として死ぬことを選んだ霊夢には理解不能なのかもしれないが、これが私の答えだ。」
収まっていた風がまた吹き出す。外では色とりどりの花々が揺れている。
──霊夢が向こうで笑っている。
魔理沙は何となくそんな気がした。
人間というもの、この世に生まれれば必ず終わりの時もいつか訪れる。死を拒むもの。はたまた自らの死を受け入れるもの。自分から命を捨てるもの。様々な人間がいる。そして人には三者三様の生き方がある。ひとりとして同じ人はいない。
──『生きる』、この言葉の意味に正解などない。
それでも私は生きる。風が吹くから。
【作者の一言】
以上でこの物語は完結です。
東方プロジェクト二次創作ではよく語られる「寿命ネタ」を題材にここまで書いてきましたが、如何でしたでしょうか。
自分の死生観である、「自分の気持ちの赴くままに生き、自分の人生を謳歌仕切って最期息絶える」ということを言葉で表現してみた結果こうなりました。
拙い表現で伝えきれていない部分もあるかもしれませんが、個人としてはそれなりに満足のいく出来となりました。レイマリ風味も若干入れつつ、少しシリアスに。
次回作の予定はまだ立っておりませんが、休作していた作品の再開、それから新作のネタが練上がり次第、そちらの制作にもとりかかろうと思っております。




