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茜の夢
「茜ちゃんは、将来何になりたいの?やっぱり公務員?」
合気道が終わり、汗を拭きながら聞いてみた。
「えへへ。公務員でも、役所務めじゃなくて警察官になりたいんだ。透君可愛いから、悪い奴から守ってあげるね」
「可愛いのは茜ちゃんの方だよ」
「そうね。透も大好きだもんね」
「な!母さん、やめてよ」
「ふふっ、照れちゃって」
「透君、私の事大好き?」
「ええっ…き、嫌いじゃないよ」
「おおー、照れてる。以外と脈ありかな?」
「な、何の話し?」
「私は透君の事、大好きだよ」
ちょっと待て茜。俺たちは兄弟で…今は違うけど。いや、高校生が小学生に惚れるとか無いだろう。弟的な?
「ありがとう、お姉ちゃん」
俺はそう、無難に応えるしか無かった。