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地元転生~初恋人は元妹  作者: 暁瑠
4/10

茜の気持ち

 茜は、中学に上がってから増えた恋バナに、正直参っていた。盛り上がるなら、勝手にやってほしい。茜の初恋は、兄だった。故に一生叶う事はない。兄が亡くなってもう7年。格好いいと評判の先輩も、つい兄と比べてしまう。

 亡くなって美化し過ぎているのかも知れない。もし兄が生きていたとしても、半分は血がつながっていたんだから、結ばれる未来は、けしてなかったのだ。


 ふと、同じマンションに住む、兄と同じ名を持つ男の子の事を思いだす。懐いてくれてるのは嬉しいけど、何処か子供らしくない。ちっちゃいくせに私の両親を気づかったり、大人顔負けな意見も言う。ラノベが好きで、兄が読んでいた物も、貸したりした。けど、小学1年生がラノベを読んだりするのだろうか?

 不思議な子。目が離せない。


「聞いてる?茜。その時、ちょっとだけ目が合ったんだよ」


「そうなんだ。優ちゃんの事、覚えてくれるといいね」


「でも髪も乱れてたし、覚えていない方がいいかも。茜はどう思う?」


「先輩はアイドルみたいなものなんだから、目に止まったもん勝ちじゃないかな。先輩好きな人は、沢山いるんだし」


「そうかも。茜は?まだ好きな人出来ないの?」


「当分要らないかな。出来たらちゃんと教えるから。ごめんね」


 帰り道、公園で遊んでいる透ちゃんを見かけた。知らず、口元が緩む。


「お姉ちゃん!お帰りなさい」


 珍しく今日は、同じ年頃の子と遊んでいる。入学して2カ月。友達も出来るか。

 頬に付いた泥を拭ってやると、くすぐったそうに笑った。


「お姉ちゃん、部活はやらないの?」


「運動苦手だし、帰宅部だよ。進学校狙っているから、塾には行くと思う」


「それって…」


 透は、口籠もる。もしかして、俺を意識しているのか?


「どうしたの?透ちゃん」


「…何でもない、よ」


 とてもそうは見えなかったけれど、追求はしなかった。誰かが兄の事、透ちゃんに話したのかな?…ううん、あり得ないよね。噂話だって、7年も前のこと、言ったりしない。


「そうだ!前に借りた本、読み終わったよ?また違う本、借りてもいい?」


「いいよ。お友達にばいばいして」


「うん!また明日ね!」


 茜は、透の小さな手を握った。ぷにぷにしてて、可愛いな。


 

三月中は忙しいので、更新遅れます

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