国祭展も魔法と創造で(王宮でパーティー(なぜかコック側))
「おう戻ったか何か足りないものでも出来たか」
「いえ一応用意ができたので試食お願いします。」
「もう出来たのか?我ながら結構な無茶を言ったような気がしてたんだが」
とりあえずローストビーフがこれです。
「ケーキの方はこちらがそれぞれの種類少量で取り分けたものになります」
「おい肉班集合だ」
「「「はい!」」」
「ローストビーフ実際出すものあがったそうだ。忖度なしに意見を聞かせてくれ」
「十二分に美味なものに仕上がっていると思います。」
「私も同意見だ」
「先程試食でいただいたものよりもドラゴン肉らしい芳醇で深みのある旨味を感じます」
「これも提供で問題ないな。」
「「「はい!!」」」
「ということで我々が十分な品であることを証明する」
「ありがとうございます」
「献立紹介の場があるからその際には自ら紹介をするといい。」
ゑ!?
「それって大人数の前だったり?」
「もちろんそうだが。各国の国賓もいるから粗相のないようにな」
チョッ、ムリムリヒトイッパイムリムリ
「折角の名誉の場だぞ?良いのか?」
「ま、まぁいかにも部外者みたいな僕らが作ったものだと信用問題とかもあるからさ、ね?」
「おっ、おうそれじゃ私が代わりに紹介しておくが名前くらいは出すぞ?他人の作品を自分のものと言い張れるほど厚顔無恥では無いからな」
「ぜひそれでお願いしまます。」
「それにしても本当にどうやって間に合わせたんだ?出来栄えも数も十分にあるのに時間の余裕まであるなんて」
「ちょっとした魔法で対応しときました。」
「ちょっとした魔法って絶対また常識はずれのすんごいのなんだろうな」
「そんなことないですって」
「ともかくなにか他に仕事はありますか?」
「もう済んでいるな他に出しておきたい品とかあるか?」
そもそもバンさんの歓迎会ついでに来たわけだし
「ドラ肉当たったやつどうしてくれようか」
過去最高級クラスの品質なんだしとりあえずシンプルにステーキでどうよ
「まあそれだよね」
王宮の会食終わったら二次会って事で僕らだけでなんかする?
「ありだね」
「それは良いが大体王宮のパーティーって徹夜だぞ?」
マジですか?
「とりあえず挨拶回りみたく始まって緩い酒でも回しながらはじまるだろ」
ふむふむ
「頃合いを見計らって給仕が一斉に飯を出すだろ」
そして?
「そしたら飯の紹介だったりが始まって客たちも仲のいい者同士で集って飯にありつくだろ」
そしたら?
「ひとしきり食ったら男どもは酒と一緒に腹の探り合い婦人方はスイーツなりを肴に世間話と言う体裁の情報交換だ」
おおぅ
「闇が深いんだけど」
「でも今回はホスト側なんだから気楽に過ごせるぜ」
「それじゃ提供の段取りと物品のチェックやるぞー」
色々大変なんだなー
「まずウェルカムドリンク6種あるな」
「はい!酒類が4種ウィダーアウト、シャルシャリー、ウィダーブラウン、ソールドソール
ソフトドリンクが4種グレープ、ベリーミックスで酒類は20ケース、ソフトは5ケースです!」
「よし、次前菜」
「赤菜と極央実のサラダ40人前・・・・
・・・・
・・・・」
「以上だ。今年は素材の出来ももちろん調理も良い自信を持って提供してくれ。」
「「「はいっ!」」」
もうなんかいろいろすげぇ
「食事は生き物の摂理だ。それを一国の代表として我々で執り行うんだ。私はこの仕事をとても誇りに思っている。」
「とても尊敬します。」
「失礼します。ホールより入場始まりました。」
「了解した。ドリンク類の提供をおねがします。」
「給仕班の用意もできております。ネスティラ様は献立紹介のための舞台へ移動をお願いします。」
始まった感じだね
「ああ、本来は参加する側だったはずなのに裏に回してしまって申し訳なかったな」
「いえいえほとんどこちらから乗り込んだようなものですし。それにこちらの方が気が楽ってもんです。」
「確かにな。もしこの後急ぐ用事がないのなら給仕控えのところからホールを見てみると良い。自らが作ったものが人々に笑顔をもたらすところは私の最も喜びを感じるところだ。」
「そうさせてもらいます」
コック長すげぇよな
「あんなに生き生き仕事してる人初めてみたよ」
さてと観戦もいいけどバンさんの歓迎会を僕らでやろーぜ
「そうだな」
「あのーもし宜しければ控えの方の一室使われますか?」
「ライアンさん。ありがとうございます。」
「実はタスカーさんからも話があったのですが歓迎会の件私たちにも協力させていただけないでしょうか?」
いいんですか?
「こちらも十分ご協力いただきましたし姉御からも是非にと言われております。」
ではよろしくお願いします。
「はい。給仕は出払っていて付けられませんが皆さんの料理とは毛色の違ったものを提供出来ます。」
「それじゃうちらもやろーか」
そうだね
「それじゃバンさんこれからよろしくー」
かんぱーい
カキーーン
それでこういう時って何話せば良いんだっけ
「これだからコミュ障は」
同類だろ
「ぐはっ」
「とりあえず冒険者らしく武勇伝でも語らうか」
おお、バンさんなんか自慢のエピソードあるの?
「それじゃいつもの話のタネを一つ・・・
突如スタンピードが起こってだなあまりにも急な出現だった。王都はギルドの警報が鳴り響き物騒な空気になったんだ。いつも通り最初の波はアークアとかゴブリンとかブル系とか大したもんは来ないはずだった。だがな、その時は違ったんだ。明らかに風格の違う、オーラさえ感じる圧倒的な強者だった。見た目はブラックラグールっていう熊みたいやなつだ。少々珍しいがそんなに強いやつじゃない。だがおかしいのはそこじゃない。スタンピードは普通強い魔物が弱いものを人間側に追い込むように起こるんだ。だがなそいつは...
先頭を走ってきやがった
魔物が魔物を率いる異常事態その時は死に物狂いで戦ったさ。いや実際ほぼ死人なんて言われたモンだぜ。隊長の立場もあって手厚い治療でどうにか立ち直ったモンだぜ。それからはまあ隊長辞めてフリーになったってわけだ
「いや何それ怖い」
「誰でもそう思ったさ」
「だってラグールって言ったら小さめのクマ系の魔物でペットとか従魔にも人気のやつじゃん」
「そうなんだがもはやあいつのようなちっこい体ですらなかったんだぜ」
どんくらいなの?
「まあ3メートルくらいだったか」
「あいつ大きくても70センチそこらじゃなかったっけ」
「だいたいそんなモンだな」
「ところでこの飯ってどこの物なんだ?ここらじゃあんまり見ないようなのがあるが」
まあ世界すら超えた先の極東の国の料理ってところかな
「そりゃまたとりとめのない。まあ何でもいいか。」
「いいんかい」
「どんなに親しい間柄でも知らない方がいいこともあるもんだぜ。」
なんか誤解されてるような
「そんなことよりこの肉詰めの中身を挟んだようなパンがうまいな」
おおカツサンドじゃないですか
「ならこっちのコロッケサンドとかどうだよ。じゃがいも...じゃなくてポタポの芋を使ってあるけど似たような料理だよ」
「あのポタポがこうなるんか。固くてしゃりしゃりしてるアレが?」
もしかして生で食ってる?
「昔はな。故郷があんまり豊かじゃないもんでな。たいした作物も育たないもんで魔物の肉以外まともな食料なんてなかったんだ。」
おおう、それはまた
「それでも今はもっとマシになってるはずだぜ。土地の浄化をガラ君直轄で進めてもらったおかげで穀物も育つようになったらしいしな」
「もしかしてアシャル呪森林の剛熊族の方だったりしますか?」
「おお、猫のねーちゃんよく知ってるな」
「それはまた苦難も多かったでしょう。」
「いやいやフィリスと言ったかな。ともかく嘆願も届いたし親父からもいい報告があった。今は一仕事終えていい仲間にも出会えた。なかなかいいもんだろ?」
「そうですね。この二方は不思議ですが良い人たちです。不思議な仲間の集まるところでもありますしね」
「すみません!!!」
あ、ライアンさん
「お食事中大変申し訳ねぇんだが、オタクらが作ってくれたケーキが好評すぎて足りなさそうなんだ!!」
「えっっありがたいことなんだけどかなり余裕見て作ったはずなんだよね。」
「それが普通はこの手の菓子類はご婦人方やご子息の方々しか召し上がられないんですが、どうもコーヒーや苦めのチョコなどは男性の方々にも召し上がっていただいたことによりますます足りない状況でして。特に御子息の方々はご機嫌を損ねて声を上げてしまう方もいらしまして。」
うわぁ
「我々も全力でサポート致しますのでどうか追加にご協力願えますか?」
「やる?」
僕はいいけど...
「俺のことは気にすんな。」
「ちなみにバンさんお菓子作りとかって...」
「わりぃがさっぱりだ。力仕事はあるか?」
「フィルとティアもいい?」
「わかりました。」
「もちろんやるよー」
「それじゃあそう言うことでライアンさんおかわりつくりますね」
「本当に申し訳ない。よろしく頼む」
「よし亜空間接続完了。」
「いきなりなんだこれ」
うちのキッチンと魔法で繋がっているんですよ。
「ハァ?」
「まあ今はそう言うことにしといてください。」
「ああわかった。こちらの戦力はコック長以外全員動けるがどうする?」
「流石に全員は手狭というか。」
なら飛行船のキッチンも亜空間で繋げない?
「なるほど。軽く存在忘れてた。こちらでもう一つキッチンを用意出来るのでそちらの人員でこちらを使っていただけますか?」
「了解だ。こちらの人員は全員あなた方の指揮下で動く事にする。それぞれ得意不得意があるからその辺の采配はやらせてくれ。」
「わかりました。それではみなさん部屋の境界には居ませんね?空間支配系の魔法を使いますので立ち止まってお待ちください。《クロックグライスパー》!!」
「えっと?何をしたのですか?」
「特殊な結界によって外との時間差を生み出しています。わかりやすく言えば時間遅延ができる収納袋の中にいるような物ですね」
「何が何やらだな」
「副長!!本当のようです。ここの時計は正常に作動しているようなのですがホールの大時計はほとんど止まっているように見えます。」
「まあ彼らのことだそんくらいのことはあるさ」
この人もう耐性ついちゃってるよ
「ともかく60倍の時間差を作っておりますので1分で1時間稼げることになります。向こうの時間で5分もあれば十分です。やりましょう!!」
「「「おう」」」
こっちはとにかくスポンジ焼けばいいかな
「よろしく。フィルとティアとヴェルはコックたちにジャム類とゼリー類の仕込みよろしく。それからコックの皆様は盛り付けの方もお願いします。」
「了解だ。出来栄えはさっきのものを真似てつくくればいいな?」
「はい。とりあえず作り置きにと多めに作っといた材料があるのでプレーンのスポンジはバニラのクリームとベリー系のジャムと実を飾り仕上げて下さい。それから茶色のスポンジはココアで、チョコやコーヒーゼリーなどでトッピングしてクリームもココアのものを使用してください。」
「わかった。ジャムとゼリーの仕込みはあっちのコンロについてる4人を使え。煮物担当で加減がわかるはずだ。」
「わかりました。では煮物班の皆様は各種ベリーをまとめたものがあるので甘めのジャムにしておいて下さい。」
「「「了解だ」」」
「スポンジの方どんな感じ?」
第一陣後5分ぐらいで12枚出来る
「了解。フィルたちの方は?」
「具材を種類別で分けておいたのでシンプル、チョコ、コーヒー、ベリーはいつでも作れます」
「ジャム班はいかがですか?」
「後10分ほどです。つぶつぶ感を残すのならもう使えます。」
「それ良いかもスポンジ焼き上がったら、フィルたちと一台仕上げて」
「了解だ」
スポンジできたよ
「《アイシングブリーズ》!フィルたちお願い」
「了解です」
....
....
....
おっしゃできたーー
「後はカットして出すだけー」
「そういえばこんなに柔らかいものあんなに丁寧に切れるもんなんですか?風魔法にしたってあんなに沢山使うのは大変でしょうし」
コルトスさん非常識ってコイツのこと言うんですよ
「誰が非常識だコラ」
はい先生カットお願いします
「なんかいっぱーい《ウィンドスラッシュ》」
「........は?」
「ささどんどんいくよーもっとたくさーん《ウィンドスラッシュ》」
「...........」
「それじゃ一通り出揃ったし時間加速解除するよー」
おっけー
「境界から離れてなるべく動かないでね。ほいっと」
解除ってそんな感じなのね
「それでは我々は給仕を呼んでくる。協力とても感謝しています。」
「はい、お疲れ様でした。」
「おいウイン、アレ出してやってくれ10年物だ」
「了解です。コルさん」
「それでは飲み直しじゃないですけどこちら試してみてください。」
「これは...ワイン?」
「はい、苦手とは聞いていたんですが一度試してみてください。」
「それならばぜひよろしくおねがしいます」
「それでは失礼して、まずは香りをどうぞ。」
うわぁ前よりも濃い
「前にいただいた葡萄ジュース見たいな芳醇を体現したような良い香りですね」
それじゃ一口
「ああっ、少々お待ちくださいかの燻りを止めよ《アイシングクリアド》!!」
んん?
「もしかしてご存知ありませんでしたか?」
「すみません今の魔法にはどのようなものが?」
「これは醸造の反応を完全に止めてしまう魔法のようでこれをしないと強い渋みの残るワインが多いのですよ。」
なるほどギルドの晩飯で飲んだやつが美味しくなかったのそれか
「それじゃあ僕も《アイシングクリアド》!」
「それでは失礼して、品の本性を明かし給え《アナライザー》」
鑑定の魔法的な?
「いえいえ本当に部分的な情報のみを読み取るもので《鑑定》ほど汎用性も高くありません。私の場合は食材ぐらいしかまともに読めませんね。それより、本当に初めてで短縮詠唱とは流石ですね。」
「ありがとうございます。これで美味しくいただけるんですか?」
「はい。お召し上がりください。」
おお
「これは美味い」
今までのワインに謝らないと
「それは良かったです。今度こそごゆるりとお過ごしください。」




