表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界流浪日記  作者: はゆず
1/2

異世界転生0日目  prologue

1日目 


 『大学から帰って飯食って寝た。

意識がはっきりしたとき真っ白な空間に自分はいた。

それはどこまで続くのかもわからないそんな空間。そしてそこには知らない何人かの男女と、世にも

美しく、世にも怖く自分たちとは決定的に違う何かがいた。

それを見て畏怖する者、呆然とするもの、混乱する者、そんな俺らを尻目に、それはこう言った。

  「あなた達に、私たちの世界で魔王と呼ばれる存在をたおしてほしい。」

  「あなた達は、選ばれた。」

  「お願い」

  そして奇妙な異世界での生活が始まった。それを忘れないように、思い出にのこるように、

  無駄になんないように、そして冗談のようにこの話を語れるように、この日記に残していきたいと

  思う。』


 0日目

  

 伊達裕也は、大学にて暇を持て余していた。


講義を終えたら仲のいい友人と喋って遊んで帰る。


そんな生活を送っていた。

彼には不満があるわけではなかった。ただ毎日が胸躍るような大学生活とは無縁な生活を送っていた。


しかしこの日は彼の友人と講義の予定が会わなかったため彼のこの日の最後の講義に出席したあと早々と一人家路につき、一人自室で過ごしている。高校時代仲が良く今は難関大医学部を目指し浪人している友達とラインで会話しているうちに、彼の胸中で哀しさであふれていた。

              

             

              なぜ自分はあの時頑張り切れなかったのだろう

              なぜ浪人するまでの熱意を持てなかったのだろう

              なぜ自分の力を過信してしまったのだろう

              なんで浪人している友達に劣等感を感じるのだろう


 

彼の中にあるのは、自己嫌悪と後悔のみだった。どうしても今通う大学に熱意を持てなかった。


受験時期になっても真剣に勉強に取り組むことができず、彼は元々の第一志望からかなり下げた大学に受験していた。


彼は当然何をすべきかもわかっていた。必要なのはそこに入って何をするべきかも重々承知していた。


だが実行に移すのが彼には異様にも難しかった。

努力できることも重要な能力、それは一朝一夕でできることではない。


-----そして努力しきれない自分、不合格だった時まっ先に出た感情に悲しみはなかった。ただ悲しむほどの熱意を持てなかった自分に憐れみを持った。


努力している友人と自分をどうしても比較してしまう。そして自己嫌悪に陥ってしまう。他者と比べ何をしているかと比較してしまうため自分自身を否定してしまう。そんな状況であった。


友人との会話を終えて、食事、入浴を済ませ就寝する準備に入った。


最近彼の寝つきは、最悪であった。将来の自分に関して考えずにはいられないのであった。


そして彼は、この日の友人とのラインを反芻し、胸中葛藤を続けた。


彼の意識が沈むのには相当な時間がかかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ