届かぬ思い
初投稿ですが、1話完結です。
「僕ね…兄さんが好きだったんだ…。
僕もそっちへいってもいいかな…?」
僕は3人兄弟の末っ子で、高校に入学したばかり。
部活は陸上部で、成績は真ん中辺り。
1番上の智也兄さんは大学1年。
成績優秀で、先生からの信頼も厚かった。
高2の時からバイクに乗り始めて、その頃からよく友達とツーリングに出かけていた。
2番目の圭二兄さんは高校3年。
友達は多いが、少しばかりヤンチャしていてよく先生に目をつけられることが多かった。
でも、3年になってからは多分圭二兄さんは就職?する為に頑張ってる。
「悠斗ー、僕また友達とツーリング行ってくるから買えるの遅くなるかも。
先に母さん達にご飯食べちゃってて良いって伝えといてー」
智也兄さんが僕にこう告げて玄関を出て行こうとしていた。
今日から母さん達は仕事の出張で家を開ける為、料理は自分達でしなければならなかった。
でも僕と圭二兄さんは料理出来ない為、僕は慌てて玄関まで走った。
「今日から母さん達出張で居ないんだよ…?もしかして忘れてた?今日のご飯…智也兄さん頼りだったのに…」
「あれっ?今日からだっけー…。じゃあ早めに帰ってくるようにするから!行って来ます!」
そういうと智也兄さんは笑顔を見せて玄関の戸を閉めた。
「兄貴遅くね?早く帰ってくるんじゃなかったのかよ」
圭二兄さんはお腹が空いたらしく少しイライラしていた。
確かに遅い…。もう23時になろうという時だ。
「智也兄さんに電話してみ…「プルルルル…プルルルル…」」
僕が電話をしようと思った時だった。家の電話がなったのだ。
「はい、桜木家ですが。」「桜木智也さんのお宅でしょうか、こちら○○警察の者です。智也さんがバイク事故で……………」
僕は頭が真っ白になって、何を話したかなどもう覚えていない。
記憶があるのは病院に行って顔に白い布をかけられた智也兄さんを見てからの事。
僕は泣いた。圭二兄さんも壁を殴って泣いていた。
あとから聞いた話だけど、昨日の雨で濡れた道でスリップをして事故になったようだった。
智也兄さん達は5人で行っていたけれど、亡くなったのは智也兄さんだけで、一緒に行った智也兄さんの友達達が何度も線香を上げに来てくれた。
智也兄さんが亡くなってから1年がたった。
圭二兄さんはヤンチャしていた頃知り合った人の紹介で土木関係の仕事に就き、そして僕は高校2年になった。
命日の日、事故現場に僕は1人で足を運んだ。
車も人も通らない、誰も居ないこの道。
僕はポツリと呟いた。
「智也兄さん、僕2年生になったよ。圭二兄さんだって、仕事に就いて凄く張り切ってて、親方さんに一目置かれてるんだって…」
木々の葉が風に揺られて誰もいない事をより鮮明にされる。
「僕ね、智也兄さんの事が好きだったんだ…。兄弟間の好きってのもあるけど、1人の男としても…。でも、智也兄さんからしたら兄弟としてこんな弟嫌だよね…フヘッ
あーぁ…僕もそっちへいってもいいかな…?」
「智也兄さんならダメだって即答するかな…微笑
見守っててよね…智也兄さん…大好きだったよ。」
僕は別れを告げてその場を去る。
あの日と同じ笑顔を見せた智也兄さんが…居た気がした。
もっと深く書こうと思いましたが、R18指定行きのボーイズラブになりかけそうなので、
もうサクッとやりました。。
語学力無いので、、是非感想下さい。。