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浦島太郎は異世界トリップ

 はじめに断っておきますが、このエッセイは、お遊びです。

 小説初心者の方には、多少なりとも発想のヒントになるかもしれませんが、そういう意図で書いておりませんので、不親切です。

 ちなみに。このエッセイで書いたプロットで私は小説を書く気はないです。

(その予定があったら、エッセイにしません)

 

 さて。第一回は王道「浦島太郎」であります。

 これを、エンタメストーリーに改造しましょう。


 ここで、浦島太郎のあらすじをおさらいです。


 1)漁師の浦島がいじめられたカメを助ける。

 2)カメに連れられて竜宮城へ

 3)竜宮城で乙姫と楽しく過ごす。

 4)カメとともに地上へ帰還。

 5)時の流れた故国で、玉手箱を開け、老人になる。


 次に、出演するキャラクター。


 1)浦島太郎

 2)カメ

 3)乙姫

 4)タイ、ヒラメ

 5)こどもたち


 ところで、この浦島、当然、気が付いていらっしゃる方も多いと思うのですが、「浦島太郎」という物語は「異世界トリップ」ものに簡単に変換できます。

 由緒正しき「行って、そして帰る」構図の物語なのです。


 とはいえ。このままの構図では、さすがにエンターテイメントにはなりません。

 やはり、ラブとアクションは必須と考えます。

 しかし、乙姫&浦島のラブは、何かをくわえない限り、アクションの入る要素がないようにみえます。乙姫&浦島のラブを盛り上げるならば、浦島の強力ライバルで竜王を登場させるなど、竜宮城に社交界イベントをぶっこめば、可能かもしれませんが。

 ただ、今回は、ヒロインを乙姫ではなく、カメとします。

 つまり、浜でいじめっ子にいじめられたシーンは、浦島太郎がカメとの衝撃の出会いシーンになり、見せ場になります。


 さて。前述を踏まえ、浦島太郎のあらすじを、アクションものとして書き換えてみましょう。


 浦島は夜の海岸で、異形のものに襲われているカメという美女を助けた。

 カメは、「リュウグウ」という世界からやってきていて、浦島にその類まれな戦闘能力で、自分を助けてほしい、と告げる。

 ひとめで彼女に惚れた浦島は、「リュウグウ」へと向かう。

 カメは、オトヒメという支配者に奪われた家宝「タマテバコ」を取り返してほしいらしい。

 

 さて、ここでいったんブレイクして考えます。

 1)オトヒメとは何者か。

 2)カメの言葉は真実か。

 3)そもそもタマテバコってなんだろう?


 ところで、みなさま「レディーホーク」という映画はご存知でしょうか。

 あのアイデアを少々、拝借しましょう。

 つまり、カメは美しい娘の姿でいられるのは夜の間だけ、とするのです。

 その呪いをかけたのは、オトヒメであり、タマテバコは呪いを解くアイテムとするのです。

 

 オトヒメがなんとなく魔王のようになってきたところで、もうひとつ考えましょう。


 1)なぜ、カメは夜の間だけ元に戻れるのか。


 この場合、夜の間だけ、カメが人の姿でなければオトヒメに都合が悪いという可能性があります。

 こういうのはどうでしょうか?


 カメの一族は、リュウグウ世界で不可欠な植物を育てるための能力者であり、その植物の世話は、夜にしなければならない、とするのです。

 カメは、リュウグウ世界の住人の為に、植物の世話を止めることはできません。

 ただ、その植物を収穫するのは必ず昼間でなければならなくて、カメは昼間のカメ姿ではそれができなくて、オトヒメの言いなりになるよりほかはないとしてみましょう。


 浦島は、オトヒメに接近し、タマテバコの隠し場所を探り当て、タイ魔導士やヒラメ将軍を倒し、タマテバコを手に入れる。

 そして、カメの呪いを解き、オトヒメは倒れ、浦島はカメとともに幸せになった。


 どうでしょうか? 

 ざっと、急ぎ足で書いてみましたが、少しエンタメっぽくなったような気がしません?

 タイ魔導士やヒラメ将軍のどちらかがカメに横恋慕するというのもいいなあ…


 ここで、ここまでで出来たキャラ設定を書いてみましょう。


 1 浦島太郎  異界から生きた戦士

 2 カメ    月の一族の姫ぎみ。呪いのため、昼は亀。夜は美少女。

 3 オトヒメ  リュウグウの世界を支配する魔王

 4 タイ魔導士 カメに横恋慕している。粘着質な男

 5 ヒラメ将軍 オトヒメの忠実な部下


 これ、名前を変えたら、それなりにオリジナルな物語にみえると思いませんか?


 月の美しい晩だった。

 浦島は、夜道を急いでいた。

 黒い海が、月明かりに反射して、きらめいている。

「いやっ! 放して!」

 海岸に鋭い女の悲鳴がした。

 見れば、淡い月明かりの中、一人の女性が、異形の男たちに囲まれている。

「待てっ!」

 浦島は思わず、飛び出した。



 どうでしょう? 前述を踏まえて、浦島の冒頭シーンを書いてみました。

 おとぎ話から、アクション小説っぽく改造できた、と思うのですが。

(所詮、妄想レベルではありますが)

 

 お話の骨の部分って、実はそれほど種類があるわけではありません。

 大切なのは組み合わせです。


 こういう作業は、発想力の訓練になります。

 小説を書いてみたい、と思われる方、一度、やってみてください。









 


 





次回はシンデレラでムネキュンもの

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