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俺の彼女は変態だ。

作者: 遊騎

「爽士たぁ〜んっ!今日もギャンカワ!マジ天使!hshs」


「黙っとけ」


変な言葉を話しながら走り寄ってきた彼女の脛を、俺は躊躇いなく蹴った。







俺の彼女は変態だ。


キッパリ、スッパリ、ドストレートに断言しよう。


紛うことなき変態であると。







まずは、自己紹介をしようか。


俺の名前は、佐々木(ささき)爽士(そうし)


性別、男

身長、149.8cm

体重、39.9kg

年齢、17歳

職業、高校2年生

特技、嘘泣き


どこかおかしいと思わなかったか?


安心しろ、それが普通だ。


高校生にもなって、この身長体重はおかしい。有り得ない。小学生に間違われることなど日常茶飯事だ。


…特技?何か問題でも?


とにかく、俺の身体は無情にも成長が止まったままなのだ。


高校生になったばかりの頃は少しは伸びるんじゃないかと期待していたが、流石に諦めた。


まぁこれはこれで利点はあるんだ。悪いことばかりじゃない。


公共交通機関や映画が小学生料金で通用したり近所のおじさんおばさんがお菓子をくれたり…、俺は悲観せずに自分を最大限に利用しつくして生きている。


そう一番実感するのは、幼稚園の頃から今まで変わらぬアイドルの地位に座り続けていることだ。


俺はチビの身体に加えて童顔だ。しかし醜悪な顔はしていない。


過去数十回に渡る変態ホイホイ具合からして、理解せざるを得なかった。


その顔と見た目を使い、しかし性格は偽らず、女子にはペットか弟、男には弟分かアイドルとして愛でられるポジションを築いている。


たまに本気の告白をしてくる血迷った野郎もいるくらいだ。俺の可愛さが分かるだろう。


勿論、全員が俺を愛でるわけじゃない。嫉妬を向けられたこともある。女に。


だが、なんせこの見た目だからな。喧嘩を売ってきたその瞬間、あちらが悪に見える。涙を足せば完璧だ。


そんな風に過ごしてきた俺に、しつこく迫ってくる奴が現れた。


それがコイツだ。


名前を、清水知花(しみずちか)


性別、女

身長、158.5cm

体重、47.1kg

年齢、17歳

職業、高校2年生

特技、料理


…こうすると、普通だな。


だが、まぁ、最初に断言したように変態である。


回りくどい言い方はしない。


ズバリと言おう。








ガチのショタコンである、と。









「力を入れれば折れてしまいそうな細い腰、雪のように白い肌に真っ平らな胸、まさに白魚のような手足…に、手を這わしペロペロチュッチュッしたい!!そしてそんな悪戯をしても状況を判断出来ずあどけない表情で、でもちょっぴり反応して頬を赤らめたら……。なんて可愛い!最っっ高だ!!悪戯しまくりたい!!」


妄想でコレだ。色々アウトだろう。涎が汚い。近寄るな。


見た目は良い方だから余計に痛々しい。


言っておくが、なけなしの理性でまだ犯罪は犯していない。ギリギリっぽかったがな。


犯罪を犯す前に俺を見つけたのが、彼女にとって幸運だったのだろう。


俺は小学生に間違われることが日常茶飯事。綺麗に変態が釣れてしまった訳だ。


名前も知らない初対面で、


「貴方のその小学生のような身体と可愛い顔に惚れました!悪戯したいです!付き合って下さい!」


と、土下座で言われた。ちなみに場所は昼休みの教室だ。


俺の周りの奴らはドン引きだった。


俺も多少引いたが、今までの変態共は俺を誘拐してモノにしようという野郎(・・)ばかりだったので、直球で正直な告白に好感を持った。…この時点で俺の感覚も狂っていたのかもしれないが。



「ジャジャーン!今日のお弁当は爽士たんの好きなハンバーグでーす!」

「いただきます」

「どう?美味しい?」

「ん。旨い」

「ホント?良かったぁー」



まぁ、そんな変態だけど、そんな変態と付き合っているのは事実だし。


別に嫌いじゃないし。


メシは旨いし。



だから、まぁ、なんつーか。



「―これからもよろしく」

「へ?何か言った?爽士たん」

「黙っとけ」

「はい!美麗ショタの上から口調萌!」





おわり

知「爽士たん!はい、あーんっ」

爽「ん」

知「美味しい?美味しい?」

爽「旨い。…知花が作ったのは何でも旨いな」

知「っ!!……爽士たん褒め殺し…」



☆★☆



・佐々木爽士

サラサラの色素の薄い茶髪

くりくり真ん丸の茶色の目

チビショタ


・清水知花

セミロングの黒髪

アーモンド型の黒目

スレンダーモデル


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